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カリグラフィー上達のコツ

カリグラフィーを練習する上で上達するコツは3つあります。1つ目は、アルファベットをグループごとに分けて練習すること。小文字だとカーブする線のグループのo, a, g, q,p,c,e。“o”の部分は全部同じ幅にすることに気をつけます。縦の線のグループはi, j,t,u, l, h,k,f,b, d, m,n, その他のグループr,s,v,w,x,y,zと大まかに分けられます。2つ目は、書いた後によく確認すること。小文字の高さ、文字の傾斜が揃っているかどうかと文字と文字の間のスペースが一定かどうか。確認しながら書かないと、スペースが広くなったり狭くなりすぎたりします。このスペーシングの練習はabcde..の間に “u”をサンドイッチして練習していきます。aubucudueu...と繋げて書きますが、文字の幅とその後ろのスペースが等間隔になるように意識します。練習していくうちに徐々にリズムが掴めてきます。そして3つ目は、インクの黒い部分よりも白い部分、空間を見ることが重要です。
 実際に作品やロゴをつくる上で1番時間がかかるのが構図の取り方と余白のデザイン、バランスです。
 ルネサンス時代まで絵画の肖像画などはキャンバスの真ん中に書くと決まっていました。同じく書物も文章は紙の真ん中に書かれていました。19世期以降になるとアールヌーボーという美術運動があり、ジャポニズムという日本の浮世絵の影響もあり、ヨーロッパの絵画やポスター、書物の中身のデザインも多様になっていきました。色のニュアンスで魅せる絵画から黒い線で輪郭を囲んだ絵が描かれるようになったり、曲線の文字が生まれたり、文字が切り取られたりとより自由で新しい表現になりました。
 カードにメッセージを書く時、紙いっぱいに文字を書く方が多いですが、余白が少ないとゴチャゴチャした印象になってしまいます。どれくらいの余白を残して、どれくらいの大きさの文字で書くかということも最初に考えたいです。小さく書く時、文字はより細めに書きます。
 タイトルや文章の区分けは数え切れないほどの組み合わせができ、またタイトルを真っ直ぐ入れるのか斜めなのか、カーブ状に書くのか自由に構成できます。
 文字だけでなくデッサンを入れてもいいでしょう。ペン先でデッサンを書く時は繊細な線が出る尖ったペン先がいいです。日本製の漫画を書く際に使うペン先のブランドも優秀です。Nikko, Tachikawa, Zebraなど世界中のカリグラファーに人気です。
インク以外にも、水彩やガッシュを水に溶かして使うこともできます。水彩は透明で柔らかい印象になり、ガッシュは不透明でパキッとした色が出てインパクト大です。水が多いと色が薄くなりすぎますし水が少ないとかすれてしまうので微調整しながら使います。
ペン先の他に筆、木や竹を削ったものを使って書いてもまた違った表情になり面白いです。
いきなり書き始めるのではなく、仕上がりのイメージを前もってシミュレーションする為に最初に鉛筆で下書きをします。小文字の高さを揃えられるように線を2本引いて、ガイドになるように文字も、後で消しゴムで消せるように薄く書くと良いです。その後は気持ちを集中させて書くのみです。
 何のお稽古をするにしても基本の型が大事ですが、カリグラフィーが好きという気持ちも大事にして楽しく練習してほしいです。最初うまく書けなくて少し線が曲がってしまったり不揃いでもそれはそれで手書きという魅力があります。

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