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NAIC優勝白バド構築インタビューまとめ

2024年6月7日から開催されたNorth America Pokémon VGC International Championship 2024のマスター部門にて、921人の参加者の中で、白バドレックスを軸にした構築で優勝したPatrick Connorsさん(https://x.com/pat_con5)への英語のインタビュー動画(https://www.youtube.com/watch?v=u0m_ytDBA4Y&ab_channel=ck49)のまとめ記事です。動画が1時間21分18秒もあって内容がかなり濃い分、この記事も約12000字とかなりの長さになっています。
本人はこのインタビューを構築記事の代わりとするとは言っていましたが、いつか本人が構築記事を出す可能性も一応あります。

今年もオンライン本戦の段階で負けてしまい、世界大会出場の夢が叶いませんでしたが、上位プレイヤーとの差を縮めるべく、レギュG自体はずっと海外に合わせてオープンシートBO3形式で練習しています。その中で、80点程度の構築を組むことはできるようになったが、いわゆる環境全対応で100点に近い圧倒的に強い構築を組むという境地になかなか辿り着けず、成長の壁を感じているところです。そこで、何かしら自分の成長のブレイクスルーに繋がるヒントを見つけたく、大型海外大会の優勝者インタビューを視聴して、構築プロセス、型の選択経緯、BO3での心理戦の駆け引き、日頃の練習で心掛けていることを確認し、自分用に書き残しました。
これから8月の世界大会や来年に向けて頑張る人たちの参考にもなると思って、記事を公開しました。英語下手くそなので、ところどころ間違っていると思いますが、間違いを見つけてくれたら教えてもらえると嬉しいですm(_ _)m


構築経緯

※以下、基本的には優勝者のPatrick Connorsさん目線での文章となります。

競技としてVGCを取り組み始めたのはVGC2023から。
短期間で、リージョナル優勝できるほどまでに成長できた理由は主に2つ。
一つ目は、たくさんプレイして、常に批判的な目線で自分を見つめ、構築の組み立てに改善できるところはないか、プレイスタイルに改善できるところは無いかを考えていたこと。
二つ目は、自身はアメリカのフロリダ州のVGCコミュニティに属しているが、フロリダ州ではトーナメントが頻繁に開催されていて参加者も常に一定数いるおかげで、これまでかなりの場数を踏むことができたこと。
レギュDとレギュFの練習を経て、自分は追風構築を使うことやトルネロスを使うことが嫌いであり、トリックルームによる素早さ操作ができて、固いポケモンで固めた構築が好きだと感じた。それを踏まえて、レギュGでは最高のトリックルーム使いである白バドを軸に、もっとバランスの取れた構築とプレイスタイルを試したいと思った。
ただ、最初は白バドと組むべきポケモンが全く分からず、かなり苦戦した。Victory Road(https://victoryroadvgc.com/)で情報を読み漁り、ほかのプレイヤーが白バドと何を組んでいて、その組み合わせの良さは何なのかを理解しようとした。その結果、白バド+雨(ペリ/水ウーラ/ブリジュラス)の組み合わせが良いと感じた。ブリジュラスは今の構築にいるタケルライコの前身で、残りの枠にはガエンの前身であるディンルーを採用していた。
このような構築を仲間たちが2024年5月4日から開催されたIndianapolis Pokémon VGC Regional Championship 2024に持ち込んだが、あまりいい結果を残せなかった。そこで、その大会で4位という好成績を残したLeonard Craft IIIの白バド構築(https://pokepast.es/d2bef6a48a81dd00)を参考にして、ディンルーとブリジュラスを抜いて、陽気挑発ガエンとチョッキライコを採用し、今の構築と全く同じ6体になった。
しかし、陽気挑発ガエンとチョッキライコを実戦で試した結果、思ったほどの手応えを得られなかった。ザマゼンタにめちゃくちゃ負けたし、ほかにもいくつかの構築に負けたので、構築に更なる調整を加えながら練習を重ねた。
まず、草枠は、バレルも試したがやはりチョッキゴリラを採用すべきだという結論に至った。なぜなら、Indianapolis Pokémon VGC Regional Championship 2024でRajan Balのミライドン構築(https://pokepast.es/ef07017d2c4cd6f5)が優勝したことでミライドン構築がめちゃくちゃ流行り、ミライドンに対してはバレルよりゴリラが圧倒的に強いからだ。特性でミライドンのフィールドを奪えたり、ガエンとの2枚猫体制+白バドの存在で相手にあまり強くないリキキリンの選出を強要できたりする。ただし、ミライドン+ウルガモスを使う上手いプレイヤーには本当に勝てず、本番で0-2でボコられた。バレルの強みは、胞子を防ごうとして草テラを切られても、白バドのブリザードランスで回収できることだが、強力な草技を撃てるゴリラでも同じような展開ができる。例えばウッドハンマーの圧力でカイオーガに草テラを切らせることができる。草テラ瞑想をされても、白バドを水テラで採用していることもあって、根源や冷ビでは全くダメージを貰わない。草テラを強要しながら蜻蛉+ブリザードランスで抜群を突くのが強い。また、上位プレイヤーはみなバレルへの対策を十分にしており、どの構築にも防塵ゴーグル持ちがいたり、草タイプがいたりする。そのため、バレルを選出しても腐ることが多く、味方を花粉で回復するか、怒りの粉を数回撃つか、相手に択ゲーをしかけるか程度の仕事しかできない試合が多い。一方でゴリラだと腐る盤面になることはほぼ無い。以上のことからバレルではなくゴリラを採用した。
次に、ガエンはザマゼンタを強く意識し、挑発型から鬼火型に変更した。
そして、チョッキゴリラの採用に伴い、ライコがチョッキを持てなくなるので、ザマゼンタを強く意識して、攻撃性能重視のブエナを持たせ、かつ妖テラでの採用となった。鉄壁ザマゼンタに対しては霊テラ鬼火ガエンである程度対応できるけど、Indianapolis Pokémon VGC Regional Championship 2024で7位に入賞したKeanu Inosantoの鉄壁の代わりにワイドガードを採用したザマゼンタ+Gファイヤーの組み合わせ(https://pokepast.es/a0fd9a8363547518)も流行っており、これに対して霊テラ鬼火ガエンを上手く通せないし、白バドでトリル展開してもワイガでランスを自由に撃てない。そこで、ライコを妖テラブエナ型とすることで、高火力電気技でザマゼンタとGファイヤーの両方に大ダメージを与えられ、かつ妖テラでボディプレスも燃え上がる怒りも半減できる。さらに、よく一緒にいるラティオスの流星群も無効化できる。
こうすることで、白バドの取り巻きが水ウーラ/ガエン/ゴリラ/ライコの高種族値グッドスタッフになり、さらにガエンゴリラの猫2枚+水ウーラというレギュFで強さが証明されている並びも構築に組み込めた。
以上のような変更を経て、5月の終わりにほぼ構築が完成した。
そこから本番までの一週間の間にあった変更点はゴリラのテラスタイプだけで、レート上位帯にいる黒バド+ドーブルの組み合わせへの回答として、ゴリラのテラスタイプをノーマルテラスに変更した。
以上の経緯で、優勝構築の最終形になった。構築の見た目としては、目を引くような珍しいポケモンはいなく、ただのグッドスタッフ+禁伝の組み合わせに見えるが、構築を最適化するためには膨大な時間をかけて、配分/技構成/テラスタイプ/道具のそれぞれの最適解とは何かについて考え抜く必要があり、その過程は決して楽なものではない。
振り返ると、この構築を作り上げるのに、ガエンとライコの型の最適解を導き出すことが一番大変だった。
なお、他の禁伝を使うなら黒バドが候補に挙がる。白バドと黒バドがこのルールで明らかに強いと思う。黒バドはおそらく白バドより少し強いけど、その分白バドより少し使いにくい。

個体解説

pokepaste

https://pokepast.es/9c0336c7c426d2ec

白バドレックス

<配分>
207(252)-222(132)-171(4)-X-165(116)-71(4)
・A特化せずとも十分の火力を出せると感じたため、十分と感じる数値としてA222を選択。偶数のため、白の嘶き発動時に1.5倍しても小数点以下が無駄にならない
・Dに116振った理由は、黒バドの珠ビットを抜群で耐える(H206-D164あれば確定耐え)ため。これにより、黒バドと対面していても、白バドの横のゴリラやライコにテラス権を回す余裕が出る。VS黒バドを意識したD振りだが、眼鏡テラパゴス、眼鏡ミライドン、カミユイなどの強力な特殊アタッカーにも強くなった。ミライドンのC特化眼鏡フィールド稲妻を11/16で耐える。ただのHA白バドよりも高い特殊耐久を手に入れたおかげで、HA白バドの耐久に慣れた相手の計算を狂わせることもできたし、より強気な選択ができる盤面も増えた
<性格>
・一般的な意地っ張り
<道具>
・威嚇を無視できるクリアチャーム
<テラス>
・水草炎のいずれもいい選択だと思うが、炎テラのメリットは鬼火無効であることで、デメリットは白バドミラーでテラスを切ってしまうと相手の水ウーラやペリからの水打点に弱点を突かれること。草テラのメリットは相手のバレルを無視できることで、デメリットは白バドミラーでテラスを切ってしまうと相手の白バドからの氷打点に弱点を突かれること。この構築はバレルへの回答と鬼火ガエンへの回答を十分に持っていると感じたため、草と炎を選択せず、もっとも安定する受けテラスである水テラを選択した。おかげで、対カイオーガで水技も氷技も半減できてかなり安定する。水テラのデメリットはライコとゴリラに弱点を突かれることだが、ライコもゴリラも白バドのブリザードランスでワンパン可能な相手であるので、丁寧にプレイすれば実はそれほど脅威ではない
<技構成>
・一般的な技構成

ガオガエン

<配分>
202(252)-155(44)-119(68)-X-124(108)-85(36)
・最初はほぼ陽気ガエンを試していたが、同速負けが目立ち、かつ速い必要性を特に感じなかったため、最終的には遅いガエンに落ちづいた
<性格>
・性格が意地の理由は、叩き+○○の集中攻撃をしかけるときのリーチを伸ばすためだ。例えば、意地叩き+意地水流を重ねることで、テラスタイプが炎の白バドを確定で落とせる。鬼火を持っているため、相手の炎テラスを頻繁に誘発するので、叩き+水流による集中攻撃で相手を確実に倒せるかどうかがかなり大事
<道具>
・バレルへの回答となる防塵ゴーグル
<テラス>
・ザマゼンタのボディプレスを無効化できる霊
<技構成>
・白バドの天敵であるザマゼンタへの勝率を少しでも上げるために挑発ではなく、鬼火を採用。相手に挑発ガエンがいる場合鬼火がうまく機能しないが、その場合はペリ+ウーラの水2枚+特殊アタッカーのライコで頑張る

タケルライコ

<配分>
224(188)-X-112(4)-207(252)-110(4)-103(60)
・H実数値224は16nでグラスフィールド回復量が最大となる数値
・C実数値207にすることで、ブリザードランス+10萬ボルトの集中であらゆるテラスタイプのモロバレルを集中で倒せる。白バドのAを少し削っているのを補うためにもC特化
・S60振りで実数値103。トリックルーム下でS85族より早く動けて、かつトリックルーム無しでほとんどのチョッキライコより早く動けるラインに設定
<性格>
火力重視の控え目
<道具>
構築経緯で述べたような経緯から、ザマゼンタ+Gファイヤーに大ダメージを与えられる火力重視のブーストエナジー
<テラス>
構築経緯で述べたような経緯から、ザマゼンタ+Gファイヤー+ラティオスに強い妖テラ
<技構成>
一般的な技構成

ゴリランダー

<配分>
205(236)-180(148)-111(4)-X-96(44)-115(76)
・S115は最速アカツキガチグマ+1。Indianapolis Pokémon VGC Regional Championship 2024で優勝したミライドン+暁ガチグマ(https://pokepast.es/ef07017d2c4cd6f5)が流行っている状況を受けての選択。この白バド構築は全体的にSが遅く、「最速ガチグマより速いポケモンが水ウーラとペリだけ&どっちもミライドンに弱い」という状況は望ましくない。また、中速ポケモンは最速黒バドを追風下で抜くS112調整が多く、それらのポケモンを抜けるのも大きい
・AはHB無振りのAD252テツノカイナをグラスフィールド回復込みでウッドハンマーで確定2発で倒せる数値
・AとS以外の耐久は余った数値を適当に振り分けただけだが、使っていて特に困ることはなかった
<性格>
一般的な意地っ張り
<道具>
眼鏡ミライドンに最も安定するチョッキ
<テラス>
構築経緯で述べたようにレート上位帯にいる黒バド+ドーブルの組み合わせへの回答となるノーマル
<技構成>
・変更の余地があるのは蜻蛉⇔10万馬力だけだが、殴りながら交代できる蜻蛉のほうが使い勝手がいいと感じている

水ウーラオス

<配分>
176(4)-200(252)-121(4)-X-82(12)-149(252)
一般的なほぼAS振り
※S準速以上でないとスカーフ持っても黒バドを抜けない
<性格>
火力重視の意地っ張り
<道具>
一般的になスカ―フ
<テラス>
・霊テラが流行ってるのも理解できるが、それよりも水テラ水流連打の火力の高さに価値を感じ、水テラを採用。オボンを持っている黒バドに対して、白バド+スカーフ水テラウーラで、相手をオボンを食えない状態にしながら、相手の上からA特化水テラ水流を撃つことで、CSオボン黒バドのような耐久を厚く振っていない黒バドなら水流だけで倒せる
<技構成>
・水流/インファは確定。85%くらいの確率でこの2つの技しか押さない。残り2枠では、蜻蛉/コーチングよりもバリューが高い技を見つけられなかった。蜻蛉はそれほど撃たないが、ガエンのセリフ、ゴリラの蜻蛉と合わせて、白バドの隣をくるくる交代できて楽しい。そして、コーチングは、レギュFまでは白バドのような硬くて火力も高くてコーチングを使う価値を見出せる物理アタッカーがいなかったため、あまりバリューが高くない技だったが、白バドがいるレギュGだと採用価値がある。ただ、いくら白バドだからといっても、「コーチング+攻撃」よりも「水流+攻撃」のほうがバリューが高い場合がほとんど。ライコの前で迅雷透かしながら隣にバフをかけれる選択肢を持てることや、D厚めの白バドのBにバフをかけてさらに倒しづらくできる選択肢を持てることは強いと思う。この選択肢があるおかげで、普通ならテラスを即切りしたくなるような盤面でも、コーチングでBにバフをかけてテラスを温存する選択肢を取れるようになった

ペリッパー

<配分>
137(12)-X-121(4)-159(236)-91(4)-117(252)
・Hに4振りするとちょうどA200ウーラの雨×水テラ水流連打を確定耐えできる
・Cは252振りでも236振りでもコライドンなどの仮想敵へのダメージが全く変わらず
<性格>
一般的な控え目
<道具>
一般的な襷
<テラス>
一般的な霊テラ
<技構成>
・守るが欲しかったため、また、ほぼC特化で手助けするより自分で殴ったほうがバリューが高いため、手助けは採用せず。理論上、守るとワイドガードを交互に使うと失敗しやすいというアンチシナジーがあるものの、対戦していて交互使用を強制されて困ったことが一度もないので、問題ないと思う。

選出

※インタビューでは各アーキタイプへの詳細な選出の説明はありませんでした。
流行りのミライドン+イーユイ、黒バド+グッドスタッフ、ザマゼンタ+シャンデラorラティオス、などに対しては緻密なプランを組み、本番に臨んだ。
しかし、実際に対戦する相手は、流行りの構築に少しアレンジを加えた構築であることが多かったため、予想通りの試合になることは少なかった。
それでも、特定の先発に頼ることなく、非常に柔軟な選出ができる構築に仕上がっていたおかげで、臨機応変に対応できた。おそらくペリ+ガエン以外のあらゆる組合せを先発で投げることができると思う。
たとえ先発がミスったとしても蜻蛉やセリフを駆使することで有利盤面になるように操作することができる。
また、ガチトリルのような明確なアイデンティティを持っていて特定の先発に頼りがちな構築と違って、あまり特徴がない構築であるため、相手目線でこっちの先発を正確に予想することは難しく、序盤で相手よりも有利な展開を作りやすい。

本番の振り返り

黒バド構築もかなり厳しい相手だったが、今大会で一度も黒バドと当たらなかったのは幸運だった。黒バド+ドーブルorピッピorゴリラのような構築対しては、先発:白バド+ゴリラ、後発:ライコ+ガエンorウーラの選出を用意していたが、VS黒バドでは強力な積み技である悪巧みを許すと一気に盤面崩壊する恐れがあるため、あまり自由なプレイが許されず、気楽ではない。

DAY 1(Round1~9)

Round 1~5
順にザマゼンタ、テラパゴス、グラードン、ミライドン、ザシアンと幅広い構築と当たり、持ち前の柔軟性を生かしながら連勝を重ねる。

Round 6 Justin Knoxhttps://pokepast.es/8be9a4cc59c5415c
ウルガモス入りのミライドン構築。
練習段階では一度もマッチしたことなかったタイプの構築で、蝶舞ガモスが厄介な上に、ブエナライコで相手のチョッキカイナに流星打ったのにドレパンで満タンまで回復されてどうしようもなく、0-2でストレート負け。
ただ、幸運にもこの2戦の経験で勝ち筋を見出すことができ、Round 8で同じウルガモス入りのミライドン構築と当たったときにはTODまで持ち込んで勝てた。

Round 7 Michael Zhanghttps://pokepast.es/b46149808113a377
練習段階でかなり意識したワイドガードザマゼンタ+Gファイヤー+ラティオスの構築。
ザマゼンタへの苦手意識が強いのに、この後なんとRound 9と12でも同じ系統の構築を引いてかなり苦しかった。
<1試合目>
疲れていてチームシートをよく読んでいなく、Gファイヤーに暴風があることに気づかずに初手:白バド守る+Gファイヤーに水流を選択した。何とか暴風を外してくれたおかげで、2ターン目でゴリラ引きに対して水流+ランスを重ねることで一気に残数有利になり、勝てた。
<2試合目>
暴風をちゃんとケアしてトリル展開
 ⇒ ザマゼンタに鬼火を入れる
 ⇒ ライコで妖テラしてプレス半減の万全な体制を取る
の流れで無事勝てた。
この後のRound 9でのBlake Silverとの試合では、 Gファイヤーに暴風が採用されていなかったので、同じように水ウーラ+白バドの先発で、「Gファイヤーに水流+イカサマ誘いながら守る」をして無事勝てた。
VSザマゼンタを沢山研究して対策を用意して本当によかった。

Round 8 Max Legrandhttps://pokepast.es/e546704bd00c6598
先述した通り。

DAY 2(Round10~15、TOP 8、TOP 4)

Round 10 Daniel Yuhttps://pokepast.es/cb73eb9e586b33c9
5体ミラーで、ライコorバレルの違いしかない相手。
ここで勝てたことでかなり自信がついた。

Round 11 Justin Burnshttps://pokepast.es/55e7d4018128f739
メタモン入り白バド構築。
<1試合目>
意地ガエンの叩きの高火力を生かしながら、早い段階で白バドを倒して有利にゲームを進めて勝ち。
<2試合目>
悪ウーラとカイナを軸とする攻撃的なプランを取られ、それらに対して上手く盤面操作ができずに負け。
<3試合目>
相手が再びゲームプランを切り替え、トリル+バレルの胞子を軸とするプランを仕掛けてきて、2試合目でやられた攻撃的な選出に勝つためにゴリラもガエンも選出しなかったせいで、トリル下の胞子を止めることができず、あっさり負け。
構築段階ではバレルに十分な回答を用意できたと思ったが、このレベルのトッププレイヤーが使うバレルを相手にすると負けてしまうんだなと興味深い体験をした。
仲間には「決勝でJustin Burnsと当たらなければ優勝できそうだな」と言われた。

Round 12 Kevin Millerhttps://pokepast.es/5876455a8ffd310b
DAY 1で2回当たったワイドガードザマゼンタ+Gファイヤー+ラティオス。
特筆することなし。

Round 13 Antonio Sánchezhttps://pokepast.es/a3abda6c5a6fc709
サケブシッポ+瞑想パゴス。
猫+パゴスに有利なウーラで頑張ったけど全く勝てず。
相手の鬼火ガエンに対して白バドが不利。
自分の構築のガエンが挑発を採用していない現状では、最も勝ち目がない相手はケブシッポ+瞑想パゴスだろうと思った。悪夢。
トップカットでAntonioとのマッチングを回避できたのが本当に幸運だった。

Round 14 Taran Birdeehttps://pokepast.es/6ee081ad763c5a76
壁ロンゲ+カミユイパゴス
決勝で当たった相手とほぼ同じ構築だが、イーユイの持ち物が襷ではなく隠密マントであるため、トリル展開を許されず、かなり厄介だった。
3試合目までもつれ込んで、D振り白バドが相手のテラ眼鏡破壊光線をかなり低乱数でミリ耐えしたおかげで何とか勝てた。

Round 15 Abhay Iyerhttps://pokepast.es/974a867081863760
Top 8 Shiliang Tanghttps://pokepast.es/3b910884e7544e69
どちらもカイオーガ。
根源を複数回押されたうちの何回かが外れ、運にも助けられながら勝ち

Top 4 Yan Symhttps://pokepast.es/5d00c33d34956b60
ミライドン+イーユイ。
何百回も練習した構築。
相手も安定択よりもリスクが伴う攻めた選択をしてくるし、自分も攻撃的な択をすることが大好きだから、その応酬が楽しかった。
特に3試合目の初手で手助け+稲妻ドライブに対して白バドを守るを合わせ、観客たちが沸いた瞬間が楽しかった。

DAY 3(Finals)

Finals Aurélien Soulahttps://pokepast.es/83f386c2a0bcfc33
TOP 4を終えてから、Finalsまで一晩の準備時間があった。
DAY 2では一日中水しか飲んでなかったのでお腹が空いていて、終わった後まず日本食レストランに行って食事をし、宿に帰ってからは自分が映った配信アーカイブを見返した。
そして、Aurélienが映ったアーカイブも見返し、白バドにはいつもオーロンゲ+水ウーラを投げていることを把握した。もちろんAurélienは優秀なプレイヤーであり、DAY 2までの経験を踏まえて進化し、今頃さらに強い別の先発を思いついているかもしれないが、一旦オーロンゲが先発に来ると予想した。
また、誰かにAurélienの構築を使わせて模擬戦をすることをせず、自分の脳内だけ対戦を回した。なぜなら、彼は本当にトッププレイヤーであり、他人が同じ構築を使ってもAurélienほどうまくプレイできないから、模擬戦しても意味がないと思ったからだ。
結果として決めたプランは、本大会で初めてウーラオスを選出せずに勝つというプランだった。実はかなりウーラオスを信用していて、DAY 2までウーラオスを選出しなかったことは一度もなかった。しかし、Aurélienは私が映ったアーカイブから、私がかなりウーラオスに信用していて、VSパゴスではウーラ+白バドの先発をよく投げることを簡単に把握できると思ったため、その裏をかく作戦に出た。
そして迎えた本番。解説者による優勝予想では、4人中1人だけ私が勝つと予想していて、事前予想では不利だと思われていたが、自分の中ではかなり準備できた上で決勝に臨めた。
<1試合目>
https://www.youtube.com/live/WPREQd_mU_0?si=rZGG0UP76LDDmVRW&t=30745
予想通りロンゲが先発で来たが、隣はウーラではなくSブーストカミ。おそらく私のウーラオス選出に強い駒として出されただろう。
こちらは「猫+10萬(+グラスラ)」でロンゲに壁を貼らせずに処理できる「ゴリラ+ライコ」を先発に投げ、猫+10萬をロンゲに集中した。
ロンゲは霊テラで猫騙しを透かすこともできるが、Aurélienが1ターン目にテラスを切ってくるようなプレイヤーだと知っていたので、集中を通し、有利展開を作って勝ちをもぎ取った。
<2試合目>
■1ターン目
自分:白バドは守る+ガエンはパゴスにセリフ
相手:パゴスはガエンにテラクラスタ+ロンゲは白バドにイカサマ
相手の行動は、ガエンのセリフを読んでテラクラスタを合わせ、白バドに動かれた場合の保険として抜群で刺さるイカサマ(仮に水テラされて等倍にされても次のターンパゴスをテラスさせて抜群テラクラスタを打てばよい)という思想に基づく行動である。
このターンを通じて、猫+白バドに対するロンゲ+パゴスの行動を確認した。
■2ターン目
自分:白バドはトリル+ゴリラはロンゲに猫
相手:パゴスは白バドにテラクラスタ+ロンゲ白バドに霊テライカサマ
相手の行動は、こちらがリフレクターやイカサマを嫌ってロンゲに猫騙し+テラクラスタに対して抜群を突かれないようにテラスせずに白バドを動かすことを読んだ行動である。
結果、ここで集中攻撃を受けて白バドを簡単に失ったことで、この後圧勝された。
ただ、この一見あっけない負け試合の裏で、3戦目の勝利への伏線を確実に貼った。
というのも、実際、2ターン目の霊テライカサマはかなり可能性が高い択だと見えていた。しかし、こちらには「ゴリラはパゴスに猫+白バドは水テラでイカサマを等倍にしながらランス」という択もあり、これに対して相手が同様に「パゴス動かし+ロンゲは白バドに霊テライカサマ」をする場合、水テラ白バドに大したダメージを与えることができない上に、「猫+水テラランス」でパゴスが大幅に削られ、次のターン、既にロンゲにテラスを切っているため、ゼロフォーミングでグラスフィールドを除去することもできず、先制グラスラでパゴスが倒される展開となり、一気に負けに近づく。
だから、相手はテラスを温存し、ロンゲに霊テラを切らないという択を取る可能性も高い。
既に1勝していているのでここで択負けをする余裕があり、択勝ちすれば結構有利展開になるし、択負けた場合はこの盤面におけるAurélienの選択に基づいて3戦目の勝利プランを決めることができる、と諸々を考えた上で、2ターン目で「白バドはトリル+ゴリラはロンゲに猫」を選択した。
そして、Aurélienの選択を確認した。彼のようなトッププレイヤーは非常に自信をもって論理的にプレイをしていて、論理的に強いと判断した選択肢であれば、同じ先発を2回したり、同じ行動を2回取ったりすることを気にしない。その特徴も踏まえた上で、3本目で同じ盤面になっても、相手は同じように「パゴスはテラスせずに動かす+ロンゲは白バドにイカサマ」をしてくるだろうと確信した。
<3試合目>
初手白バド+ゴリラVSロンゲ+パゴス。
盤面は2試合目の1ターン目と同様に白バド+猫VSパゴス+ロンゲの対面であり、2試合目の2ターン目と全く4体が場にいる。
パゴスはテラスを切ってこない、
ロンゲはイカサマしてくる、
猫+水テラランスは通る、
そう確信して、
脳内で思い描いた通りに、
t1:ゴリラはパゴスに猫+白バドは水テラランス
t2:パゴスのテラスによるフィールド除去に守るを合わせる+ゴリラは蜻蛉してペリ投げ
t3:ペリのワイドガードでテラクラスタを防ぐ+ランス
の展開を実行した。
そして、相手の行動は予想通りだった。
t3までに圧倒的になアドバンテージを稼げたため、その後は安定択を繰り返すだけで勝てた。

終わりに

インタビューの参考となるであろう部分のまとめは以上です。
自分が英語が苦手なこともあって、動画視聴から文章作成まで大体10時間くらいかかって大変でしたが、色々な気づきがあってよかったです。来年こそは世界大会に出たいですね。

この記事を見てくれた人にとっても何かしらの収穫があれば幸いです。

今後も自分の学習を兼ねて同じようなまとめ記事を書くことがあるかと思いますので、記事のレベルアップのためにも、「こういう情報も併せて掲示してほしい」といった要望があれば、ぜひ教えてください。

記事の最後に投げ銭機能をつけていますので、お疲れさんモンエナ代あげるよっていう心優しい方がいましたら、ぜひよろしくお願いします。

有料部分ではインタビューのおまけ部分を付けておきます。

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