【エッセイ】やってもできない

最近朝も寒くなり、ベッドから出るのが億劫になってきた。

今日も朝出勤できなかったか…。

私はスマホで時刻を確認し、やっとのことでベッドから起き上がった。仕事のことを考えると全く起きれない。他に楽しいことを考えても結局比重の高い仕事のことを考えてしまう。

私はPCの電源を入れてリモート環境にログインした。私は本日のタスクを確認し、進捗報告内容をまとめ始めた。


12:00になり、ご飯の支度をする。支度をするといっても、今朝食べ損ねたご飯をテーブルに並べて食べるだけだった。

「おっ、今日いるのか。」

定年で非常勤になった父が声をかけてきた。私が朝ご飯を食べてないことに気がついたらしく、父は

「昔は普通に起きれたのにな。まだ病気治ってないんだな。」

と言った。

「そんなんじゃ一人暮らしはまだ難しいな。」

私は先週両親に一人暮らししたいと言っていた。

「転職先はまだ見つからないのか。」

転職活動を止めた訳じゃない。私はソフトウェアエンジニアとしての適性が無いんじゃないかと考えて、他のキャリアパスを模索していた。私はダブルチェックを入れても間違えてしまう。マネージャーから

「普通間違えないよね?」

と散々言われながらやってきたが、心療内科での検査結果が返ってくる度に私は自分自身が普通じゃないと考えるようになった。周りの人が普通にやってできているから自分もできるだろうと思ったら、どうしても私にはそれができない。「やればできる」なんていうのは幻想だった。人にはできることとできないことがある。結局手持ちのカードでこの世を戦っていくしかないんだ。

父は尋ねた。

「なんかグループ企業受けるんだろう?受かるのか?」

「それはわからない。」

「早く受かれよ。病気治らないぞ?」

そうだな。腐ってないで、環境を変えるための努力はし続けないといけない。金も権力もいらない。自分ができることを見つけて社会に貢献できればそれで良い。仕事とは別に自分の好きなことをし続けられれば、死ぬ前に後悔することはないだろう。

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