【エッセイ】親の自立について

今月から一人暮らしを再開した。部署異動に伴って、会社の近くに引っ越してきた。これで一人暮らしは3回目になる。

それなのに、私が一人暮らしするたびに母が鬱っぽくなってしまう。私が実家を出てから二日後に父から「頼むから偶には帰ってきてくれ。」と連絡が来た。どうも父だけでは、私が実家を出たことに対する母の愚痴を抑えられず参ってしまったようだ。私は両親に愛されていることに感謝しているけど、これではおいそれと自立できない。困ったもんだ。私は2週間後に一旦実家に帰ると連絡した。

私は親になるというのは立派なことだと思っていた。働きながらも子供に衣食住を与えて一人前に育てるという行為こそ大人の仕事なんじゃないかと。でも結局親は育てる代わりにその子供に依存するんじゃ精神的な自立と言えるんだろうか。

私が子供の頃、両親は超えられない壁のように思えた。しかし年老いた両親の近影から、もう自分よりも精神的に強くないんだと悟ってしまった。母がまるで子供のように見えた。結局若い頃に自立できたとしても、老いたら弱くなる。老いたら誰かに頼らないと生きていけない。一人で自分を律し続けることは難しい。しかし、老化とはこんなにも精神的に老いるのか。

まあ、子供どころか結婚すらしてない私がこんなこと書いても箸にも棒にもかからない戯言に過ぎない。やはり腹を痛めながら子供を産んで育てる親が立派なことに変わりない。私は親の責務を務める人たちと自分との社会貢献度を比べれば、私なんかただの粗大ゴミでしかない。

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