【エッセイ】2022年10月ダイビングその2

前回はこちら。

今回二回目のダイビングは熱海に出かけた。1か月にダイビング2回は私の金銭事情的に滅多に行かない。しかし先月台風で行けなかったため、今月は2回行くことにした。

当日朝にJR券売機で新幹線の指定席を予約しようとしたが、すでに満席だった。私は自由席で行くことにした。

東京駅の新幹線改札前はいつもより圧倒的に混雑していた。大学生くらいの年頃のグループから家族連れ、高齢者まで幅広い層が集まっていた。

私は東京駅の改札を通り、空いてる自由席に座った。それから5分後、肩を叩かれた。振り返ってみると、外人が私にスマートフォンを見せていた。スマートフォンには乗り換え案内の画面が表示され、目的地が小田原駅になっていた。どうやら、この新幹線が小田原駅に停まるのか確認したいらしかった。私はその外人に問題ないことを告げると、外人は空いてる席を探し始めた。私たちはやっと以前の生活に戻りつつあるようだった。

私は熱海に着くと、インストラクターと会ってその人の車に乗り込み、目的地へ向かった。ダイビングスポットは駅からすぐ近くだった。目的地に到着すると、私たちはすぐ器材のセッティングを始めた。セッティングの際、インストラクターから借りたレギュレータ(タンクの空気を吸うために口に咥える器材)の出力がMAXになっていたのに気づかず、使える空気を少し無駄にしてしまった。セッティング完了後、インストラクターから今日の潜水計画を説明された。

「今日はボートダイブして沈船を見に行きます。」

私は事前連絡としてボートダイブは聞いていたが、沈船については聞いていなかったので寝耳に水だった。今日のエントリーポイントは私にとって初めてだったので、そこに何があるか知らなった。しかし、この知らせは私にとって嬉しいニュースだった。初めて海の中の沈船を肉眼で観れることにやや興奮した。

私たちはボートダイブし、ブイから垂れるロープ伝いに潜水した。潜水中、私のオクトパス(レギュレータが破損等で使用不可になったとき代わりに使う器材)口が上向きになり、そこから空気が漏れていたため、下向きになるように修正した。潜る前に空気を無駄にするミスを2回もしてしまったのが悔いに残る。

また、潜水中に一匹の小魚に出会った。小魚は私の潜水を歓迎していないのか、私のすぐ目の前でうんこした。こればかりは私にはどうしようもなかった。

ロープは沈船に紐付いていた。私はロープ上で中性浮力を維持するのが下手くそなので、沈船にたどり着いてから中性浮力を確認し、その後インストラクターを見失わないようにしつつ探索を始めた。

沈船には珊瑚に覆われており、指で少しでも触るとパキッと珊瑚が折れてしまう感触があった。私は必要以上に触らないように中性浮力を保ちながら進むよう努力した。

沈船に大きな穴が空いていた。穴の中には沢山の魚が蠢いていたが、暗くてよく見えない。インストラクターは私にここで待つように指示した。私の場合、この穴に入るにはまだ早いとのことだった。それでも私にとって沈船という未知の場所に来ただけで満足していた。

沈船の周りには様々な魚たちがいた。アジ、イナダ、サクラダイ、熱帯魚など。私が見ただけでは分からない名前の魚ばかりだった。本来は写真や動画を撮って魚を覚えていくのが良いが、まだ私は写真を取るために水中でバランスを取る自信がない。それでも魚を見ているだけで癒された。

私は今のところ、食卓に並ぶ魚を海で見ても特に食欲をそそられないことに気づいた。これは、自然界で俊敏に動き回る魚と味が私の中で一致してないからなのかもしれない。見た目と味が一致するようになったら、ダイビング中でも食欲に襲われるんだろうか。

まだ15分ほどしか潜水していないが、予想通りというべきか私のタンクのbarは100ほどしかなかった。計画水深では35分だったが、25分で私たちはボートに戻った。

ダイビングは潜るために様々なチェックを適宜行わなければならない。せっかく遊びに来たのに自分のミスで潜水できないのは勿体無い。私の経験不足はあるけれど、楽しいダイビングをするためにも、潜水する際の安全確認の観点を覚えていかないといけないと反省した。

でも、また沈船に来れるようにダイビングは続けたい。

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