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井出ちよの『もうすぐ高校生活』フルアルバム一通り聴いて

富士山ご当地アイドル3776(みななろ)こと井出ちよのが「井出ちよの」ソロ名義で初作品を披露したのが8/15新宿LOFTでの3rdワンマンLIVE。すでにアルバムの収録は終えていたようで終演後物販で4トラック入り先行12インチアナログ盤シングルが販売された、というところまで先日のエントリーで書きました。
そして伝説の昆虫採集OFF会イベント「女王陛下のMinanaro 2015夏』からジャスト1年後となる8/22(月)17:55頃〜にフルアルバム『もうすぐ高校生活』(introduction含め全10トラック)がCDより1ヶ月近く先行する形でOTOTOYでハイレゾ配信され始めました。→ http://ototoy.jp/_/default/p/65523

一聴しての印象は、コンポーザーが曲ごとで異なるにしてはアルバムの統一感がきっちり出てるな、でした。外枠を見ても3776名義の前作(2015年10月リリース)『3776を聴かない理由があるとすれば』との共通点、、、1本通ったコンセプト/テーマが明確、アルバムがサントラのようにトラック順にストーリーが繋がっている、1トラック目はナレーション入りのintroduction、、、があります。これは石田Pがアイドル・プロデュース業を手掛けるずっと以前に全国巡業で「人形劇」の仕事をやられていたようで、その時のノウハウの蓄積が劇作家的な仕事として前作同様結実したのでしょう。ワンマンLIVEも本作のミュージカル版といった趣きでした。それからアートワークも一歩進化しています。
最大の相違点は前者が石田彰Pが全曲作詞作曲、後者は複数人のコンポーザー、プレイヤーが参加している点でしょう。ただ後者(本作)のアルバム全体のプロデューサーは石田Pであり、その通りの役割でアルバムを見事に一貫性のある作品にまとめています。音楽的にはNew Waveっぽさは後退していますが決してアイドル楽曲のメインストリームというわけではなく、隅々に面白さが詰まっています。聴けば聴くほど味ジワジワ染み出してくる良いアルバムです。胸を張ってオススメ出来ます。

今そんな感想を持っている私ですが、前述のワンマンLIVEで初めて数曲を聴いての感想は
「トンガってね〜な〜。曲普通じゃん」
「いわゆるアイドルっぽさ狙ったの?うーん」
で、先行12インチを一聴しての印象は
「歌唱力も平々凡々だし、3776が全く無くて純デビュー作がこれだったら井出ちよのにハマったかどうか微妙」
、、、このレベルでした。

8/15ワンマンLIVEにおけるミュージカル仕立て構成の曲初披露から私たちに公開され始めた「井出ちよのソロ名義」プロジェクト、もうこれは石田彰Pの真骨頂ではないでしょうか。

真骨頂といえばそのコンセプトの徹底感。前作『3776を聴かない~』では、曲を通して富士登山を1合目から頂上まで行う、しかもアルバムの尺が3776秒という徹底ぶりでした。本作品はライナーをざっと見て納得。トラック#1のイントロダクションを除く9曲は、高校生活3年間・計9学期に割り振られていました(!)

『もうすぐ高校生活』収録曲

1. もうすぐ高校生活~Introduction☆ 02:45
2. ハートの五線譜 03:44☆◎<小動物系女子|高一・一学期>
3.体調管理のために 04:36★<模範的女子|高一・二学期>
4.ギャル子大ピンチ! 04:46★☆<ギャル子|高一・三学期>
5.カードリーダー 04:41★☆◎<女子力高め女子|高二・一学期>
6.台風一過 04:54<放課後バイト女子|高二・二学期>
7.授業は今日も 05:55☆<イケメン女子|高二・三学期>
8.ラジオネーム 04:08★<サブカル女子|高三・一学期>
9.部活引退の次にすること 04:52◎<スポーツ女子|高三・二学期>
10. さらば高校生活 07:07<でしゃばり女子|高三・三学期>

Total: 47:28

★=先行12インチアナログ盤収録
☆=8/15ワンマンLIVEで披露
◎=石田彰Pが曲作りに絡んでいる(編曲含む)
< >内=ライナーのアートワークで披露されている「井出ちよの九変化」の各形態

さて8/23のLOFT9でのトークイベントで、掟ポルシェ x 井出ちよのの組み合わせがあり、そこで今般のソロ名義誕生の背景が語られると思われます。楽しみですね~。まだそれを聞いていない現時点での私の妄想を書きますと、、、

・『3776を聴かない理由があるとすれば』リリース後、それほど間を置かずに今回のコンセプトが浮かんだのでは?

・前作発表後、次作につながるような新曲を披露していなかったのは、新たに作る曲をソロ名義プロジェクト用に、と決めていたためなのでは(TRASH-UPコンピ用に書き下ろした『メリークリスマス&ハッピーニューイヤー』は単発、スポットのイメージが)

・「ソロ名義にすること」と「高校生活をテーマに」のどちらが先に決まったかわかりませんが、後者=コンセプト決めがまずあり、それを形にするには「富士山ご当地アイドル」縛りがある3776ではなく、等身大の「井出ちよのソロ名義」が相応しいと判断。とほぼ同時に3776とソロ名義との差別化を図るために一旦は断念していた「3776をグループアイドルに戻す」に着手したのでは?

いろいろ書き散らかしましたが、私が一番懸念していたのはさすがに受験を控えた中学三年、活動をかなり手控えるのでは、と思っていたのですが、新プロジェクトがスタートしたとあって、これは嬉しい誤算。もちろん高校受験もがんばって欲しいのですが。

3776の新メンバー募集には正直あまり期待していません。が、期待していないくらいが丁度いいかもしれませんね。突然抜群の相性のコが現れる可能性もゼロではないですからね。

当面は井出ちよのソロ名義3776 season#3(#3.1)3776 Extended の3プロジェクトが同時進行しますね。

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