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2016年 Myベスト書籍TOP3冊

昨年は良書に恵まれました。一度読みだしたら我を忘れて必死に読んでしまう本が最低3冊ありました。2016年に出版されたうちから3冊だけピックアップするので、多少コメントも付け加えますね(音源の方はいつか・・・)。3冊に共通しているのは、度肝を抜かれる圧倒的な取材量、取材力、編集能力です。

1位「誰が音楽をタダにした?──巨大産業をぶっ潰した男たち」スティーヴン・ウィット (著), 関 美和 (翻訳)/早川書房
ここ5年で一番良かった本。もうダントツに面白い。冒頭のmp3対mp2の規格争いの場面からしてのめり込んでしまう。やはり自分が同時代を生きていたというのも大きいです。このノンフィクションは3層くらいの異なるストーリーがある地点でちゃんと交わる、、、事実は小節より奇なり、な側面もあり、ネタバレなしの状態でぜひ読んで欲しい1冊です。あとがきによると映画化が決定しているそうです。ただ、映画は原書の要素の一部分しか描けないはずなので、映画を観るかどうかにかかわらず書籍で読むことを激しくオススメします。音楽に興味がある人はハマりやすいでしょう。余談ですが、私が山手線車内でこの本を夢中で読んでいたすきに網棚に乗せていたリュックサックを置き引きされる、という盗難を経験しました。金目のものは入っていなかったこともあって3週間後に無事見つかりましたが(汗)、そのくらい夢中になって読みました。 http://amzn.to/2iE2iGo

2位「一投に賭ける 溝口和洋、最後の無頼派アスリート」上原 善広 (著)/角川書店
溝口和洋というやり投げ選手ははっきり覚えています。自分が小~中学生のころに活躍した日本トップ、世界とも競えた選手、、、その程度の認識でしたが。本書を読んでかなりのアウトローでありながら理論派であり、常識を疑うことから始めるという人生観、すべてをとって「超人」だったことがうかがえました。自分も格闘技をたしなむものとしてアスリート伝説は色々見聞きしていますが、溝口和洋にまつわるエピソードは、何というか、過剰、変態、独自性、哲学、、、最後は感動の涙です。この本はどんな本か?とうまく表現できないのがもどかしいですが、アスリートが好きな方なら絶対面白いはずです。 http://amzn.to/2hLBm31

3位「映画の奈落 完結編 北陸代理戦争事件」伊藤 彰彦 (著)/講談社+α文庫
単行本化は2014年で2016年に若干の直しも加えたうえで文庫化されました。表層のエピソード=実在のヤクザをモデルにしたヤクザ映画を作ったら対抗勢力の逆鱗に触れモデルになった親分が暗殺された、これだけでも十分ドラマティックなのですが、東映ヤクザ映画を取り巻く歴史と当時の状況、高田宏治といういち脚本家の執念、その他色んな人物の様々な情念が絡み合い、よりスケールの大きい1冊に仕上がっています。著者による気の遠くなるような取材量、取材力に脱帽。映画「北陸代理戦争」を観ていなくても問題なく読めます。私もいつか観ようと思いつつ、まだ観ていません・・・。 http://amzn.to/2iLdj5X

番外「吉田豪の空手★バカ一代」吉田 豪 (著)/白夜書房
4位というのと違うけど面白い本でした。http://amzn.to/2hOLoUt

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