道を譲ろうとしたばかりに
近所のスーパーへ買い物に行く途中、川沿いの狭い道を歩いていた。
私は道の右端を歩いていたのだが、向こうから道の反対側、私から見ると左端、を老婦人がゆっくりと歩いてきた。更にその老婦人の後ろからこっちに向かってくる自転車が見えた。自転車は私が歩いている側を走ってくる。自転車がそのままスムーズに通れるようにと思い、私は道の左側に寄った。すると、老婦人は私の動きに呼応してそれまで私がいた右側に寄った。そこにちょうど自転車が走ってきて老婦人にぶつかりそうになった。
私としては自転車に道を譲ろうと思って動いたのだが、老婦人は後ろから自転車が来ていることに気づいていなかったので私を避けるために移動した。事故にならなくて良かった。しかしなんだか後味悪い。
自転車の方が素早く動けるわけだから、私が敢えて道を譲ったりしなければ自転車が勝手に路線変更をしただろう。或いはこちらが路線変更した際に「後ろから自転車が来てます。」と老婦人にお声がけすべきだったのかもしれない。
今回は誰も怪我をすることなく、一瞬の出来事だったので、今頃はあの老婦人もサイクリストもあんな出来事があった事を忘れているだろう。
良かれと思ってとった行動が人を傷つけてしまう事がある。
同じように誰かの善行が意図せずして私に災いをもたらすことがあるかもしれない。
スーパーで納豆の粒の大きさと値段をチェックしながらそんな事を思った。
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