UMIが空に還ったおはなし
ある日、突然
インスピレーションが降りてきてそれは、強くわたしの中に刻まれた
「もし、また赤ちゃんが来てくれる事があったらUMIって名前つけたいな」
私たちは、生まれる前に自分で名前を決めて来て、赤ちゃんがお母さんやお父さんに囁いてるって話があるけど、まさにそんな感じだったのかもしれない
今年40歳になって、子ども3人、長男はあと2年で高校卒業するし、新しいわんこを迎えて犬2匹になった我が家に新たに「赤ちゃん」を迎えようなんてことは、まったく考えもしない出来事だった
それからUMIの妊娠がわかるまで時間はあまりかからなかった
すぐに私たち家族とUMIとの短い生活が始まった
早速、妊娠の洗礼のツワリが始まる
あらゆる人工的な匂いがNGになって、洗濯、食器洗い、歯磨きもシャワーも苦痛の日々
食べ物はトマト系は唯一口に出来たくらい
ツワリはキツくとも新しい命を授かった喜び、未来への想像が膨らむ日々
弱音を吐く日もあったけど…
週明けに病院へ診察に行く週末に突如始まった出血
だけど、この時のわたしはあまり心配していなかった
3人のこどもたちもちゃんと生まれてきたし
何よりUMIが名前を決めてきたんだから生まれてこないわけがないって思いがあった
ツワリも続いてたってのあったかもしれない
だけど、病院でモニターに映るベイビーを見た瞬間すぐに悟った
ドクターがいろんな角度から心臓の動きを探している
そしてドクターの口から伝えられた
妊娠9週目の出来事だった
これからの選択肢を淡々と説明される
自然にベイビーが出てくるのを待つのか、薬で促すのか、手術をするのかの3つだった
どうするか?聞かれるも、頭が追いつかない
何も答えられないまま旦那の顔を見た瞬間涙で何も見えなくなった
UMIは空に還った
はずなのに、ツワリも変わらずあるし、胸も張って痛い
わたしの身体がこの事実を認めずにいるようで
魂になったUMIよりもまだお腹の中にいるUMIがわたしの現実だった
だけど、わたしたち家族が待ち望んでいた奇跡も思い描いてた未来も一瞬のうちに全て消えてしまった
ベイビーは欲しくないと昔、言っていたリネルがベッドに横たわるわたしに「おやすみ、マミー。おやすみ、ベイビー。」ってお腹にKISSしてくてた翌日の出来事だった
でもね
少し時間が経って言える事は、やっぱりこの妊娠は奇跡だったし、一生のうちにしたらすごく短い間だったけど、わたし達家族に幸せをくれたことは真実でUMIがいた事を共有出来たことはかけがえのないことだったってこと
そして、まだ見ぬ未来の心配をしながら生きてしまうわたしたちに今をしっかり味わって生きることの大切さを教えてくれたと感じてる
わたしたちが生まれてきたことがどれほど奇跡なのか、人生は一瞬のうちに過ぎていってしまう
わかってはいたはずなのに忘れてしまいがちなこと教えに来てくれたんだと思う
もし同じ経験をした人や、まだ悲しみに中にいる人がいるのならば
少しでも苦しみが和らぎますように
宿ってくれてありがとう
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