見出し画像

10のアプリケーション処理パターン

アプリケーション処理にはさまざまなパターンがありますが、以下に10の典型的な処理パターンを紹介します。

1. リクエスト・レスポンス (Request-Response)

クライアントがサーバーにリクエストを送り、サーバーがそれに対するレスポンスを返すというパターンです。Webアプリケーションで一般的に使用されます。

  • : HTTPリクエスト、REST API

2. イベント駆動 (Event-Driven)

イベントが発生すると、それに応じて処理がトリガーされるパターンです。リアクティブプログラミングや分散システムでよく見られます。

  • : メッセージキュー (RabbitMQ、Amazon SQS)、イベントバス、Webhooks

3. ストリーム処理 (Stream Processing)

データが連続的に流れてくる場合に、リアルタイムで処理を行うパターンです。大規模なデータ処理やリアルタイム分析に使用されます。

  • : Apache Kafka、Amazon Kinesis

4. バッチ処理 (Batch Processing)

大量のデータを一括して処理するパターンです。定期的な処理やデータ集計に適しています。

  • : Apache Hadoop、AWS Batch

5. パブリッシュ・サブスクライブ (Publish-Subscribe)

データを発行するパブリッシャーと、それを購読するサブスクライバーが存在するパターンです。メッセージの配信に使用されます。

  • : Apache Kafka、Amazon SNS、Google Pub/Sub

6. マイクロサービス (Microservices)

アプリケーションを複数の独立したサービスに分割するパターンです。各サービスは小さく、特定の機能を提供し、他のサービスと通信します。

  • : サービス間通信にRESTやgRPCを使用

7. CQRS (Command Query Responsibility Segregation)

コマンド(状態を変更する操作)とクエリ(データを読み取る操作)を分離するパターンです。システムのスケーラビリティと性能向上に寄与します。

  • : データベース設計における読み取りと書き込みの分離

8. サーキットブレーカー (Circuit Breaker)

障害が発生した際に、システム全体に影響が広がらないようにするためのパターンです。障害発生時にリクエストを遮断し、リトライ戦略を組み合わせることが一般的です。

  • : Netflix Hystrix、Resilience4j

9. オーケストレーション (Orchestration)

複数のサービスやタスクを管理し、連携して処理を進めるパターンです。ワークフロー管理に適しています。

  • : Apache Airflow、AWS Step Functions

10. コレオグラフィー (Choreography)

各サービスが他のサービスと直接通信し、全体のフローを管理するパターンです。分散システムでの柔軟な連携に適しています。

  • : マイクロサービスアーキテクチャでのイベント駆動設計

これらのパターンは、アプリケーションの要件や環境に応じて適切に選択され、組み合わせて使用されることが多いです。

また通信プロトコル別に典型的な処理パターンを分類してみます。

HTTP/HTTPS

  • リクエスト・レスポンス (Request-Response): クライアントがリクエストを送信し、サーバーがレスポンスを返す。Webアプリケーションで一般的。

    • : REST API、GraphQL

WebSockets

  • リアルタイム通信 (Real-Time Communication): サーバーとクライアント間で継続的な双方向通信が可能。

    • : チャットアプリケーション、オンラインゲーム

MQTT

  • パブリッシュ・サブスクライブ (Publish-Subscribe): IoTデバイス間での軽量メッセージングプロトコル。

    • : センサーデータの収集と配信

AMQP

  • メッセージキュー (Message Queue): 分散システムやマイクロサービス間でのメッセージのやり取り。

    • : RabbitMQ、Azure Service Bus

SMTP (Simple Mail Transfer Protocol)

  • リクエスト・レスポンス (Request-Response): メール送信の際にクライアントがメールサーバーにリクエストを送り、サーバーがレスポンスを返す。このやり取りを経てメールが転送されます。

    • : メールの送信、受信

FTP/SFTP

  • ファイル転送 (File Transfer): ファイルのアップロードやダウンロードを行うプロトコル。

    • : ファイルのバックアップ、データの移行

gRPC

  • リクエスト・レスポンス (Request-Response): プロトコルバッファを使用した高性能なRPC通信。

    • : マイクロサービス間通信

SOAP

  • リクエスト・レスポンス (Request-Response): XMLベースのプロトコルで、Webサービス間のデータ交換に使用。

    • : エンタープライズシステム間のデータ連携

XMPP

  • リアルタイム通信 (Real-Time Communication): メッセージングやプレゼンス情報の交換に使用。

    • : インスタントメッセージング、オンラインステータス

Kafka (プロトコル独自)

  • ストリーム処理 (Stream Processing): リアルタイムでのデータストリームの処理。

    • : ログ解析、リアルタイムデータ分析

CoAP (Constrained Application Protocol)

  • リクエスト・レスポンス (Request-Response): リソースが限られたデバイス間での通信に適したプロトコル。

    • : IoTデバイスの通信

以上プロトコル別アプリ処理パターンでした。

おもしろきこともなき世を面白く 議論メシ4期生http://gironmeshi.net/ メンタリストDaiGo弟子 強みほがらかさと発散思考 外資系企業でインフラエンジニア