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NPO法人森ノオト設立10周年

2013年1月7日、森ノオトはNPOになりました。
それから10年、2023年1月7日、NPOという冠をもった法人という「人」が、地域に愛されて満10歳の誕生日を迎えたことになります。

子どもが成長していくこと自体が大変だった昔は「お七夜」「初宮参り」「お食い初め」「七五三」「十三詣り」など、節目節目のお祝いがありました。
現代は社会が多様になり課題が複雑化し、経済の規模が大きくなり、法人が生きながらえていくことが大変な時代です。だからこそ、法人が10年続いてきた、ということを心から祝いたい、そんな気持ちでいます。


「森ノオト」という名のついた、森林保全をするわけじゃないこの団体。NPO法人にする時に、「森のような組織にしたい」という願いを込めて絵を描きました。
法人設立前の3年(森ノオト創刊の2009年末〜2012年)は「種まき」、設立後最初の3年(2013〜2015年)は「仕組みづくり、組織づくり」、次の3年(2016〜2018年)は「人づくり、場所すくり」、次の3年(2019〜2021年)は「森づくり」。「森のように自由に循環する」と書いています。
この「循環」という言葉は森ノオトではおりにふれて使います。最近、組織における「循環」を考える時に、人の入れ替わりについて思考を巡らせ、そこに「個人」と「法人」の違いがあるのだな、とおぼろげながら実感しています。

この絵に描いていなかった「その先の3年」の1年目。10年目の森ノオトは、予想もできなかったくらいに大きく枝葉を伸ばして、根っこもしっかり伸びて、幹が太くなった1年でした。


大磯での全スタッフミーティング。間違いなく組織の新しい1ページ。

新しいメンバーを迎えて、組織の土台が強くなりました。
大雨の「あおばを食べる収穫祭」では、雨が大好きになるくらい地域の人の温かさと根っこの太さを感じました。
12月8日、大磯での「全スタッフミーティング」。森ノオトという森に集まるメンバーが言葉をギフトしあい、それぞれが組織を語る言葉を持つ、いい時間でした。ああ、なんて素敵な組織なんだろう、心底そう思いました。
年末に、ライター卒業生のメンバーを交えたお茶会に参加しました。それぞれの場所で、豊かに、小さな森が育まれていることを感じて、「森ノオトやっててよかったな」と感じて1年を終えました。

雨が大好きになった収穫祭。やってよかった!

2022年はまた、「広報」という文脈で他の団体をサポートすることに注力した1年でもありました。といっても森ノオトは組織支援の専門家ではなく、私たちが「広報」を通していかに他者と関わり、組織が育っていったのか、その経験値を素直に開示していったようなものです。そこから普遍性を体系化して伝える、そこから生まれた重要なキーワードをひろって深める、ということを繰り返しました。団体と会うごとに学びを得て、支援する/されるの垣根なく、地域という大きな輪の中の役割の一つとして、ローカルメディアがあることを思い知らされました。

私が担当した団体に伝えたのは、「人は入れ替わっていいんだよ」ということ。人だって、毎日呼吸して、体の中の組織が細胞が入れ替わっているんだから。組織だって循環していっていい。
でも、入れ替わるためには前提がある。それを動かす骨肉といった「器」や、そこに信号を送る脳が健康であること。健康な体を動かしていくために必要なものってなんだろう、それを組織になぞらえていくと、やるべきことが見えてくる気がします。

私にもらった言葉のギフト(手前)

2023年の森ノオト、目には見えない地味な部分を強化します。カラダは大きくなったけど、まだまだ未熟だった脳みそが、昨年、強くなりました。浅い呼吸ですぐに息切れしていたけれど、これからは大きく呼吸できるように。
そうして、「森ノオト」という組織を通っていく人が増えますように。
「森ノオト」を通して、地域の素敵な人に、たくさんの人が出会えますように。
あちらこちらで小さな「森」ができていきますように。


「編集」という言葉を深めていったように、
「組織」という言葉を深めていきたい。
組織には、「組み立てる」「共通の目標をもって、役割や機能をもって協働していく集団」「生命体を構成する単位の一つ」という3つの意味があります。
ああ、どっちにも、集めて編む、組む織る、っていう文字がある。

私はこの森ノオトという組織の中で、一つの役割を与えられた個人として、自分の持つ機能を最大限に発揮する1年にしたいと思います。
私が描けなかったその先の「次の3年」を走ったあと2年後に、どんな景色が見えているのかな。
10年、一生懸命に生きてきた森ノオトという組織、ハタチになる時にはどんなふうに成長しているのかな。

感慨深い、七草粥の朝でした。

寄付で支えるローカルメディア「次の10年へ」というフレーズが気に入っています。森ノオトへのバースデードネーションはこちら。


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