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奈良名物、柿の葉寿司の食べ比べてみた

 奈良県で食べられている柿の葉寿司。他にも、和歌山県、石川県南部の加賀地方、鳥取県南東部の智頭地方でも食べられています。
 紅葉目当てで秋の奈良を訪れたときに、お店によって柿の葉寿司の個性があると感じました。1年近く熟成させ、食欲の秋の今、開封します。奈良県の柿の葉寿司について歴史とともに食べ比べました。

奈良県の柿の葉寿司の歴史

 紀伊半島南端の熊野灘で捕れたサバを奈良まで運ぶとき、冷蔵技術が当時なかったため、サバを塩漬けにして運んでました。塩漬けすることによって腐敗の原因となる微生物の発生を防ぎます。その後、塩漬けしたサバを薄く切って、寿司飯の上に乗せ、柿の葉に包み、箱詰めして重石を置いて1日置くことによって柿の葉寿司の完成です。
 柿の葉で包む理由は、柿の葉に虫がつかないことに注目し、保存性があると思われていたためです。科学の発展した今、柿の葉に含まれるタンニンに抗菌作用が多く含まれているのがわかりました。科学の発展してないときに、先人は食品の保存法を日頃の観察から見抜くという素晴らしい知恵です。また、柿の葉の香りが魚の臭み消しにもなります。柿の葉を広げて、葉を持ってそのまま食べると、柿の葉の香りが先に広がり、魚臭さを感じにくくしますし、手も汚れずに食べることができます。
 当時の吉野では、柿の葉寿司は、ハレの日のごちそうとして食べられていました。今では、ピクニックなどお弁当としても活躍し、ネタもサバだけではなく、サケなど、バラエティ豊富になっています。

今回訪問したお店

ひょうたろう(奈良県吉野町)
柿の葉すし本舗たなか(奈良県奈良市)
ゐさざ 中谷本舗(奈良県上北山村)

ひょうたろう

 奈良県の桜の名所、吉野山。吉水神社、金峯山寺など吉野観光の玄関口、吉野山ロープウェイ吉野山駅から徒歩10分のところにお店があります。木箱に入っている柿の葉寿司。作った次の日が食べ頃。できたては、シャリがふわふわで、ネタが浮いていて、塩味を感じます。一日寝かせることによって、シャリとネタが馴染んでまろやかな味わいと締まった食感になります。塩が利いていて、シャリも甘みがなく、ネタの味が活きています。昔ながらの柿の葉すしを食べたい方にオススメです。秋限定で柿の葉が鮮やかな朱色に染まる柿の葉寿司も登場。通販も受け付けており、下記リンクから購入可能。人気で品切れの可能性もありますので事前に予約することをオススメします。

営業時間 9:00~16:00(売切次第終了)
定休日  月曜日(祝日の場合、翌営業日)
アクセス 吉野山ロープウェイ吉野山駅から徒歩5分

柿の葉すし本舗たなか

 近鉄百貨店など地元のデパートだけではなく京王百貨店など都内のデパートでも売られています。ネタはサバ、サケではなく、タイ、サンマなどバラエティ豊富。サンマは秋限定で、味は濃いめです。寿司飯にお酢が利いている。ネタは塩味薄め。濃い味が好きな方向けです。

柿の葉すし本舗たなか なら本店
営業時間 9:00~19:30(売切次第終了)
定休日  不定休
アクセス 近鉄奈良駅から徒歩すぐ

ゐさざ 中谷本舗

 奈良県南東部の山奥にある村。たなか同様、デパートなどで売られており、ネタのバラエティ豊富。サバ、サケだけではなくアジ、タイもあり。シャリもネタも控えめで薄いと感じる場合、醤油につけて食べます。素材を楽しみたい方向けです。季節限定のネタもあります。

ゐさざ 中谷本舗 近鉄奈良駅売店
営業時間 10:00~18:00(売切次第終了)
定休日  年中無休
アクセス 近鉄奈良駅から徒歩すぐ

 昔ながらの味からバラエティ豊富なネタなど柿の葉寿司にもさまざまなお店の個性を感じることができました。同じものでも、お店によって個性が出るので奥深い世界です。

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