2023阪神ジュベナイルフィリーズ(GⅠ)

先週のチャンピオンズCはレモンポップが春秋制覇でしたね。

初のコーナー一周、大外枠、更に距離延長と超えるべきハードルが多かったですが、スタート切るや内に切れ込んでハナに立ち、そのまま逃げ切り。
能力が高ければ春秋制覇なんてできないわけですからそれはそれでいいのですが、競りかける馬がいなかったわけで恵まれた部分も大きかった点も否めませんね。
今回の一戦で距離延長が大丈夫とは早計で、本質的には1ターンマイルでこその馬で、来年のフェブラリーSはまず鉄板でしょうが、その後のローテはどうするか。
1人気レモンポップこそ勝ったものの2~3着に人気薄が入って大波乱、ウィルソンテソーロは嵌った2着ですが、ドゥラエレーデはダート路線で今後買えそう。
ドバイでデルマソトガケの2着に入った馬で、3歳ダート路線はミックファイアともども高レベルなメンバー揃いなのは間違いないでしょう。
一方、肝心の◎クラウンプライドはコリアカップから15㎏増という時点で嫌な予感、好位で進めたものの失速し、国内で初めて掲示板外す大敗。
明らかに厩舎の調整失敗による敗戦で、次走きっちり絞ってきたら巻き返しはあってもおかしくないでしょうが、いまの厩舎力で大丈夫なのか。
片や春秋ダート王誕生に加えて今回の香港国際競走で二頭送り出す厩舎、片や昨年と比べて現在勝利数が半分の厩舎、厩舎力の違いと言ったらなんですが、その明暗がくっきり分かれた今回のチャンピオンズCでした。

【阪神ジュベナイルフィリーズ】

さて、今週から2歳限定GⅠが続くわけですが、最初は牝馬限定のこの一戦。
翌年のチューリップ賞と桜花賞、同じコースでの開催なのでこの結果次第で桜花賞路線の行方がはっきりしそう。
因みに、現在の阪神芝外回りコースで施行されるようになった2006年以降、この2歳GⅠを制した17頭中、桜花賞馬はたった4頭のみ。
ブエナビスタ
アパパネ
ソダシ
リバティアイランド
4頭中ソダシを除く3頭が牝馬クラシック二冠を制しているわけですが、他の13頭は桜花賞で敗戦あるいは不参戦だったわけで、如何に2歳GⅠを制することが消耗度大きいかをうかがえますね。
昨年のリバティアイランドは牝馬三冠を制し、ジャパンカップもあのイクイノックスの2着でしたが、今年はリバティアイランド級が出てくるのか。
人気になりそうなポンドガールやチェルヴィニアが不在の今年は難解な一戦なのは間違いないでしょう。

◎⑦アスコリピチェーノ

本命はデビューから2戦2勝、マイル重賞の新潟2歳S勝ちから臨戦のアスコリピチェーノ
中間は天栄から直接栗東入りして調整、一週前では6F=79.3と好時計をマーク、最終追いでも手控えながらも速い時計をマークしているように、勝てば初GⅠ勝利という厩舎の意気込みを感じさせます。
鞍上は前走に引き続き北村宏だが、当初は新馬勝ちの鞍上ルメールがチェルヴィニア回避で手が空いたことで騎乗という話があったほどで、それくらいの評価の高さとみます(結局ルメールは赤松賞勝ちのステレンボッシュに騎乗)。
ルメール騎乗なら間違いなく1~2人気が予想されるだけに、鞍上だけで評価を下げるようなら狙っておきたい。
4枠⑦番も好枠、近3年と異なり今年の阪神は開幕2週目だけに内目あるいは先行優位が予想されるだけに、後は初の右回りをクリアできるなら、決め手を活かした前走の競馬で戴冠の期待ができます。

人気のサフィラは全兄が朝日杯覇者サリオス、半姉にも有馬記念2着馬サラキアと現役のサリエラという超良血。
3戦して1勝も、新馬戦3着は不利によるもので、前走アルテミスSでもチェルヴィニアの2着ですからね。
今年種牡馬入りして176頭集めた兄サリオスの種牡馬価値を高めるうえでノーザンが勝負掛かりなのは間違いなく、結果次第で来年のクラシックの中心になるでしょうから、あとはデビューから減り続けている馬体重の回復具合と決して有利と言えない外寄りの枠でしょう。
その分を差し引いての対抗評価とします。

逆転候補は2頭。
キャットファイトは今回回避したポンドガールの新馬戦で6着だった馬で、そのデビュー戦も出遅れによるもので度外視、未勝利勝ちから臨む前走アスター賞が圧巻で、1分33秒1は中山芝マイルの2歳レコードで、2着以下を5馬身引き離す圧巻の内容で、ポンドガール組のレベルの高さを証明するに十分といえますね。
デビューから一貫して騎乗の大野も昨年ドルチェモアで朝日杯を制しているように当舞台でマイナスになることはならず、昨年に続く2歳GⅠタイトルも十分あり得ます。
コラソンビートもポンドガール組で3着だった馬、そのポンドガールと2着馬チェルヴィニアが揃って回避したことで最先着馬の出走となりますが、ダリア賞に引き続き前走の京王杯2歳Sがレコード勝ちだったように本質的に1400mがベストのタイプ。
相次ぐ有力馬の回避でメンバーが軽くなったことでマイルの舞台でも対応可能で、乗り方ひとつで浮上あっても不思議ではないでしょう。


【結論】
◎⑦アスコリピチェーノ
〇⑭サフィラ
▲③キャットファイト
▲⑩コラソンビート
△⑥ステレンボッシュ
△⑯ルシフェル
注⑤スプリングノヴァ
注⑫シカゴスティング
注⑮ナナオ

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