2023スプリンターズS(GⅠ)

秋GⅠ開幕戦はスプリント王決定戦。
絶対的存在が不在のスプリント路線、特に昨年から今年の春にかけてスプリントGⅠは波乱の連続でした。

2022 高松宮記念
1着 ナランフレグ 8人気
2着 ロータスランド 5人気
3着 キルロード 17人気

2022 スプリンターズS
1着 ジャンダルム 8人気
2着 ウインマーベル 7人気
3着 ナランフレグ 5人気

2023 高松宮記念
1着 ファストフォース 12人気
2着 ナランフレグ 2人気
3着 トゥラヴェスーラ 13人気

太字は今回のスプリンターズS出走

上記で馬券になった9頭中、3人気以内は今年の高松宮記念2着のナムラクレア一頭のみで、3人気以内はほぼ総崩れ、人気薄が上位を占める結果が続いています。
そして、今回のスプリンターズSですが、出走メンバー16頭には昨年覇者ジャンダルム、今春の宮記念覇者ファストフォースが揃って引退で不在、昨年の宮記念覇者で当レース3着に入ったナランフレグこそいますが、すでに7歳で昨年と比べて勢いが落ちている現状とあっては、今回も新チャンピオン誕生の可能性は濃厚。

しかし、中山開催の過去8年の優勝馬の顔ぶれを見ると、全馬に当年の芝マイル以下での重賞勝利があり、格下馬が勝ち切るのは困難なあたり、レベル低下のスプリント路線とはいえGⅠの格は下がっていないと言えます。

近8年優勝馬の当年芝マイル以下重賞実績と主な勝ち鞍
2015 ストレイトガール [1‐0‐0‐2] ヴィクトリアマイル
2016 レッドファルクス [1‐0‐0‐0] CBC賞
2017 レッドファルクス [1‐0‐2‐0] 京王杯SC
2018 ファインニードル [3‐0‐0‐1] 高松宮記念
2019 タワーオブロンドン [2‐1‐1‐1] セントウルS
2020 グランアレグリア [1‐1‐0‐0] 安田記念
2021 ピクシーナイト [1‐2‐0‐2] シンザン記念
2022 ジャンダルム [1‐0‐0‐3] オーシャンS

更に馬券内に入った24頭まで広げると21頭が当年の芝マイル重賞勝ち馬で、例外の3頭にも重賞連対かOP勝ちがありました。

今年の出走馬で重賞連対・OP勝ちがないのは以下の4頭で、これらは馬券から除外できそうです。

③ピクシーナイト
④ナランフレグ
⑧メイケイエール
⑫ドルチェモア

以上を踏まえたうえで、今年のスプリンターズSの予想に入ります。

◎⑥ママコチャ

全姉がソダシで注目を集めている点で人気の一角に入っているが、血統的にスプリント適性は高いとみてママコチャが本命。
そのソダシの全妹ということでクロフネ産駒でありますが、当レースでのクロフネ産駒の成績は[2‐1‐0‐3]で、うち牝馬に限定すれば[2‐1‐0‐1]と2勝を挙げており(スリーブレスナイトとカレンチャン)、近親にはマイル以下重賞で5勝挙げており今回も出走してくるメイケイエールならば、芝千二こそ前走の北九州記念2着のみですが、2走前の芝千四リステッド安土城Sを2着以下を3馬身千切って圧勝しているように短距離適性は高いと見ます。
北九州記念2着からの臨戦だが、その前走が重賞未勝利の身で斤量55.5㎏と牡馬換算では57㎏の該当し、重賞勝ちがありながら57㎏で収まったジャスパークローネと比べたら明らかに見込まれたもの。
内を通って逃げ粘った勝ち馬と対照的に好位から外を回りながら勝ち馬とコンマ1は斤量面を踏まえれば勝ちに等しい2着と言ってよく、前走後は早くから鞍上川田を確保した点を考慮しても勝負度合いは高く、重賞未勝利と実績こそは見劣りこそしますが、重賞連対とOP勝ち実績という点で好走条件と合致しており、勝ち馬が入れ代わり立ち代わりと混迷を極める短距離路線の新星誕生もあり得るとみています。

▲①ナムラクレア

スプリント重賞4勝で宮記念2着と実績最上位のナムラクレア
本来ならこの馬から入るのが筋でしょう。
最内①番枠に入りましたが、同じ最内枠だった桜花賞でも距離が長かったマイル戦で巧く立ち回って3着に入ったように、鞍上の立ち回り次第で勝ち負けが見込めると見ています。
しかし、2着だったその宮記念が不良馬場、前走圧勝だったキーンランドCも洋芝の重馬場だったように、本質的には力を要する馬場でこそ本領発揮するタイプで、実際に重~不良馬場では[2‐1‐0‐0]。
秋開幕の中山芝は時計が出る野芝コースであり、例年良馬場で1分7秒台は当たり前で、流れ次第で1分7秒前半が予想される一戦ならば、5着に取りこぼした昨年の二の舞もあり得ると見ます。

▲⑨アグリ

前哨セントウルSではそれまでの先行~好位策から一転して後方からの競馬、上がり32秒4を繰り出して2着に入ったアグリ
4連勝で初重賞の阪急杯を制して臨んだ宮記念こそ7着に敗れたものの、不良馬場に加えて先行馬に流れが不利だった一戦で勝ち馬からコンマ6差に踏みとどまっていた点を考慮すれば、知力は高いとみていいでしょう。
香港遠征(5着)を経て前哨戦を叩いての今回は上昇が見込める一戦で、芝戦にこそまだ勝利がないが、鞍上の騎乗次第で上位食い込みは十分あり得るとみます。

★⑩マッドクール

前走CBC賞9着凡走で人気落ちしそうなマッドクールが大穴。
そもそも4連勝で臨んだシルクロードSでは1人気に押されたほどで重賞級の評判が高かった一頭。
3着に敗れたとはいえ、先着した2頭は次走の宮記念でワンツーを決めており、その2頭からコンマ1差で粘っている点を踏まえれば、今回の面子でも互角以上と見ています。
実際に当舞台のリステッド春雷Sでは後の函館SS勝ち馬キミワクイーンを下しており、前走のCBC賞にしても58.5㎏は重賞未勝利にしては見込まれたもので、一息入れて立て直して臨む今回は2~3着の穴で押さえたい。

△⑬ジャスパークローネ

ママコチャを評価するなら、それを下したジャスパークローネも評価しなければならないでしょう。
3歳時の葵S(14着)から長期休養を挟んで4歳明けから6戦、夏も函館SS→CBC賞→北九州記念と転戦としている点を踏まえれば、余力という点で勝ち切るまではどうかでしょう。
脚質面から外目の枠も必ずしもプラスとは言えませんが、連勝の勢いを考慮すれば押さえは必要と見るのが妥当でしょう。

【結論】
◎⑥ママコチャ
▲①ナムラクレア
▲⑨アグリ
△⑬ジャスパークローネ
★⑩マッドクール

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