2023帝王賞(JpnⅠ)

上半期のダート王道路線の総決算ともいえる一戦。
ウシュバデソーロこそ不在だが、今年の中央勢7頭は強力なメンバー。
近5年で中央勢=5‐4‐4‐21に対して地方勢=0‐1‐1‐9と中央勢が断然優位、地方勢の馬券内2回も元中央GⅠ馬のノンコノユメで、2010年フリオーソを最後に地方勢の優勝馬が出ていません。
今年の地方勢に抜けた存在が不在ならば、中央勢の争いとみるのが妥当。
中でも昨年の覇者メイショウハリオと、一昨年の覇者テーオーケインズが実績的に最上位でしょう。

メイショウハリオは昨年の東京大賞典3着、今年に入ってフェブラリーS3着を経て前走かしわ記念優勝からの臨戦。
普通に考えるならこの馬から入るべきと思われますが、創設してから連覇が一度もないのがこの帝王賞。
昨年もテーオーケインズが連覇に失敗、同舞台の東京大賞典4連覇を果たしたあのオメガパフュームでさえ帝王賞に関しては優勝が一度のみと、連続優勝が難しい一戦でもあります(但し、隔年優勝の例はあり)。
そして、一見有利と見えるかしわ記念1着からの臨戦過程も実は必ずしも好ステップとはいえず、近5年で同1着馬は[1‐0‐0‐2]で、勝ったのがその時点で中央GⅠ2勝だったゴールドドリームで、ワイドファラオ(2020年4着)とカジノフォンテン(2021年10着)が馬券外に負けているローテでもあります。
マイルから一気に2ハロン延長し、しかも左回りの船橋から右回りの大井に替わることもあり、余程総合力がなければ連勝が難しいローテで、中央GⅠでは前述のフェブラリーS3着が最高のメイショウハリオにとっては今回ハードルが高い一戦とみます。

一方、一昨年の覇者テーオーケインズは昨年の連覇失敗の雪辱を果たす一戦。
連覇こそない帝王賞ですが、隔年優勝は過去にフリオーソとホッコータルマエの2例があり、もし優勝経験馬で可能性があるとすればこちらだろうと思います。
ドバイワールドC4着からの臨戦過程で海外帰りがどうかという不安が出てきますが、近5年で前走海外だった馬は[1‐1‐1‐1]で、さほど減点材料にはなり得ません。
但し、昨年のJBCクラシック勝ちを最後に勝利から遠ざかっていることから、衰えがあるのではという懸念。
そのJBCクラシックにしても相手関係を考えれば勝って当然のメンバー構成で、今回は当時と比べてメンバーレベルが上がる一戦。
そして、今年は最内枠の1枠1番で、8枠8番と外枠に入って4着と取りこぼした昨年から見れば好転のように見えるが、実は近5年で最内枠は[0‐1‐0‐4]と未勝利
過去10年に広げても[1‐1‐0‐8]で、勝ったのが2015年のホッコータルマエのみ。
ホッコータルマエは前年にチャンピオンズC覇者で交流GⅠ8勝の実績馬でしたから(因みにこの一戦で隔年優勝)、今回のテーオーケインズにとって極端な枠に入ったことでレース運びが難しくなるとみます。

以上を踏まえると、本命は優勝経験馬2頭以外の別の馬。
一昨年のテーオーケインズと昨年のメイショウハリオ、この2頭に共通しているのはそれまでGⅠ実績がなく、近況好調の勢いで頂点に立った上がり馬だったこと。
今年もこの傾向を踏まえたうえでの、帝王賞の本命馬です。

◎⑧プロミストウォリア

本命はプロミストウォリア、一昨年のテーオーケインズと昨年のメイショウハリオに続き、上がり馬が頂点に立つと見ます。
6歳ながら全成績[6‐1‐0‐1]と8戦しかしておらず、唯一の馬券外も4着と底を見せていません。
その4着を境に目下5連勝中で、2走前の平安S、前走のアンタレスSと重賞連勝の勢いは前述2頭に割って入るには十分。
近5年の前走クラス別成績を見ると、

中央重賞=3-2-2-8
海外重賞=1-1-1-1
ダートグレード重賞=1‐1‐2‐13
南関東重賞=0‐1‐0‐15
他=0‐0‐0‐13

と、実は中央重賞からの臨戦からの好走が多く、特に目立つのが前哨戦的性格の平安SアンタレスSからの臨戦馬で、

平安S=2‐2‐0‐7
アンタレスS=1‐0‐1‐0

この2レースを合わせた着順別成績を見ると

3着以内=3‐2‐1‐3
4着以下=0‐0‐0‐4

で、馬券になっていているのは3着以内に入った馬のみ。
今年の該当馬は平安S2着のハギノアレグリアスとアンタレスS1着のプロミストウォリアのみ。

ハギノアレグリアス大外枠に入ったことが不安材料で、近5年で大外枠に入った馬は[1‐0‐2‐2]で、勝ったのは中央GⅠ2勝馬のゴールドドリームのみ。よほどの実績馬でなければ厳しい枠で、重賞勝ちが2走前の名古屋大賞典のみでは心もとなく、よくて3着までとみるのが妥当。

一方、プロミストウォリアはアンタレスS1着からの臨戦で、このパターンでは一昨年のテーオーケインズが優勝、昨年もオメガパフュームが3着と好相性のローテ。
今開催の大井は軽い馬場で前に行く馬が止まらない傾向、有力馬が差し馬中心となれば、この馬の前残りは濃厚と見ます。
肝心の枠は7枠9番ですが、馬番別では
一桁=5-3-2-35
二桁=0-2-3-15
なのでむしろ許容範囲、内を見ながら前目でレース運びをするにはむしろ好都合と見ます。

思えば、同厩舎の先輩インティは5連勝の勢いでフェブラリーSを制しており、今回も同様の形でプロミストウォリアの戴冠に期待したい。

印は以下の通り。

【結論】
◎⑧プロミストウォリア
▲①テーオーケインズ
▲④メイショウハリオ
△②クラウンプライド
△⑤ノットゥルノ
△⑩ジュンライトボルト

前述の優勝経験馬2頭が強敵で、押さえはドバイ帰りのチャンピオンズC覇者ジュンライトボルトと4歳2頭(クラウンプライドノットゥルノ)。
ジュンライトボルトは二桁馬番、4歳2頭は前走国内で凡走という点が割引、よくて2~3着までとみます。
ハギノは大外に入った分、今回見送らざるを得ません。

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