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セキセイインコ

セキセイインコ(Melopsittacus undulatus)は、鳥綱インコ目インコ科セキセイインコ属に分類される鳥で、本種のみでセキセイインコ属を構成します。原種はオーストラリア出身で、アメリカや日本に移入〜繁殖・飼育されて来ました。和名の語源は日本に最初に来たセキセイインコの背が黄色と青だったことから漢字では背黄青鸚哥(せきせいいんこ)となりました。

野生のセキセイインコ原種は、黄色の顔に緑色の体、頭から背中と翼にかけて黒のしま模様が入っている1種類しか存在しません。稀に青色や白色のセキセイインコが誕生することもありますが、自然界では目立ってしまうので生き残るのは難しいようです。ペットショップで見かける青色や黄色のセキセイインコは原種から色素が抜けたものを交配し作られた品種です。

特徴

●大きさ:19~23cm
●値段:約4,000~15,000円
●寿命:約5~10年
●気温:28~30℃(冬はヒーター必須)


お世話

●毎日:餌・飲み水・青菜の交換、敷材の交換、スキンシップ
●2〜3日ごと:補助食品(ボレー粉・イカの甲羅など)の交換
●1週間ごと:ケージの洗浄
●3ヶ月~半年ごと:動物病院での健康診断


食べ物(成鳥)

●粒餌・シード食(主食)
アワやヒエ、キビなどの実をブレンドした混合食。
栄養補助食を併用して使用。栄養的には殻付きのものがおすすめ。
●ペレット(総合栄養食/主食)
人工物のため食べてくれないことも多々あり。
●青菜・野菜(補助栄養食)
粒餌の場合に使用。春菊や水菜など。種類によっては中毒を引き起こすものや病気の原因になるものもあるので与える種類・量にはご注意を。
●サプリメント(補助栄養食)
粒餌の場合に(不足しがちなカルシウムやミネラルを補うために)使用
●絶対NGな食べ物
アボカド・チョコレート・ネギ類・じゃがいも・ほうれん草など幾つかの葉野菜・白米・小麦粉食品。中でもアボカドはインコ類にとって最も危険な食べ物で「インコを飼うならアボカドを食べるな」と言われるほど。誤飲はもちろん飼い主の手に付着していたり呼気や調理中の蒸気に成分が含まれているだけでも中毒症状が起こった例も。


カラーバリエーション

セキセイインコの色の仕組みは、メラニンなどの色素が含まれる割合によって変わります。原種に含まれる緑色の色素を基準に色を作っているので、色のバリエーションは大きく分けて、グリーン系、ブルー系、イエロー&ブルー系、全身1色の単色系に分かれます。

珍しい色ではグレーやファロー(黒の模様が茶色っぽい)などもいますがペットショップではあまり見かけません。もし売っていても他のインコより高額な値段がつけられていたりします。ちなみに原種に赤色の色素は含まれていないので赤色のセキセイインコはいません。


品種と色の呼び方

品種の呼び方は愛好家や専門家によって多少の違いがあります。一般的には「イエローフェイス・オパーリン・バイオレット」などのように品種+色で呼びます。現在のセキセイインコはいろんな品種を掛け合わせて、いろんな品種が混ざり合っているので「絶対にコレだ」と言い切れないこともあります。(1羽のインコでも「オパーリン」と「パイド」など、二つ以上の品種の特徴が出ることもあります。)


ノーマル(並セキセイインコ)

ノーマル(並みセキセイインコ)は後頭部から背中にかけて黒いしま模様があり羽にも黒いさざなみ模様があります。カラーバリエーションはイエロー×グリーンとホワイト×ブルーの組み合わせが一般的。あまり見かけないけれどグレーやイエローフェイスのノーマルもいます。原種に近いため丈夫で飼いやすいと言われていますが最近はあまりペットショップで見かけません。価格は1,000〜3,000円くらいで一般的です。

オパーリン

オパーリンはノーマルにある黒い縞模様が頭部から背中にかけて抜けています。翼のさざなみ模様もなくなっているものもありますが、残っている場合、後ろ姿を見たときにV字に模様がなくなっているのが特徴です。背中は胸と同じ色が出ます。

レインボー

一般的にレインボーと呼ばれている品種はイエローフェイスのオパーリンのことを言います。背中や羽のしま模様が薄く全体的に淡い色のものを「パステルカラーレインボー」と呼び人気の品種です。

パイド

パイドとは「色抜け」という意味です。羽やお腹など部分的に色が抜けています。頭の色が黄色ならお腹も黄色く色が抜けており頭が白ならお腹も白色の色抜けがあります。

ハルクイン

レセシブパイド(劣性遺伝のパイド)とも呼ばれ、背中と羽の黒模様がまばらに抜け、お腹の下の方に青や緑の色が残ります。大人になってもアイリスリングが出ないのが特徴。黄色のハルクインは「黄ハル」白いハルクインは「白ハル」などと呼ばれます。イエローフェイスのハルクインは「4色ハルクイン」と呼ばれ、少し珍しい品種です。ペットショップではあまり見かけません。

アルビノ

アルビノはもともとメラニンの欠如による遺伝子疾患がある個体でしたが、現在は品種として確立されています。色素が欠乏しているので全身真っ白で目の色素もないので赤い目をしているのが特徴です。他のセキセイインコと同様、日光浴は必要ですが目が弱いので直射日光が当たらないように気をつけます。黒目のアルビノは「ホワイトブラックアイ」と呼び、珍しい品種です。

ルチノー

ルチノーは全身が黄色で赤目です。アルビノ同様メラニンの欠如からきており黄色の色素だけが残った品種です。赤目は強い光に弱いので、こちらも直射日光には注意です。黒い目のルチノーは「イエローブラックアイ」という品種になります。全身がクリーム色だと「クレミノ」という品種になります。

ウイング

背中や羽のしま模様が薄くなっている品種。グリーン系のウイングは「イエローウイング」ブルー系のウイングは「ホワイトウイング」と呼びます。


スパングル

羽のしま模様が細く縁取るような模様になっている品種。模様がスパンコールに似ていることから「スパングル」と呼ばれています。

ファロー

ファローとは「淡褐色」のこと。褐色は茶色っぽい色なので淡い(うすい)茶色のことです。本来セキセイインコにある黒い模様が茶色がかった灰色をしています。ファローもアルビノと同じように色素が欠損しているので全体的に色が薄く赤い目をしています。

セルフ

背中や羽のしま模様が、黒ではなく地の色と同じ品種。




ここまで紹介したセキセイのようにカラーバリエーションの違いではなく形状や見た目が異なるセキセイが2種類ありますので、そちらも紹介します。

羽衣セキセイ

日本で誕生した品種。頭や背中の羽が巻き毛になっています。普通のセキセイインコのように、オパーリン、パイド、スパングルなどの品種がありますが、まだそれほどバリーエーションは多くないようです。

ジャンボセキセイ

ジャンボセキセイインコは、その名の通りひと回り大きなセキセイインコです。普通のセキセイインコの体長は20センチ程度ですが、ジャンボセキセイインコは23センチほどあります。見た目の違いは、おでこが張り出していて、目が毛に埋もれているように見えます。立ち姿も堂々としていて性格はおっとりしている子が多いようです。


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