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【感想】読むとまた見たくなる!フラ・フラダンスを通していわきを知る18のワード

アロハ!ネコツキです!今回はフラ・フラダンスいわき市の再現解像度の高さを伝えたくnoteにまとめました。いわき市が舞台の映画なんだから再現度高いに決まってんじゃんと思いの方も多くいると思いますが背景美術だけではなくセリフやプロップのチョイスにもこだわりを感じたので再視聴する時に注目ポイントにするなどしてお役立てください。(以下複数のネタバレを含みます)

1.スパリゾートハワイアンズ 
2.フラガール

舞台であるスパリゾートハワイアンズは福島県いわき市に実在する温泉を利用した6つのテーマパーク、ホテル、ゴルフ場などで構成された大型レジャー施設。そしてそこで働く実在するダンシングチームがフラガールです。

フラ・フラダンスで描かれている常磐興産の社員として入社すると同時に、常磐音楽舞踊学院に入学するシステムも実際のフラガールが経験しているもの。劇中で使用されている楽曲や振付、ステージ衣装もほぼ実際にフラガール達が着ているものを再現しています。

その誕生の経緯は2006年公開の「映画フラガール」でご存知の方も多いはず。1965年、常磐炭鉱閉山の危機を救うために町おこし事業として立ち上げた常磐ハワイアンセンター(スパリゾートハワイアンズの旧名)。元炭鉱夫の男たちがヤシの木を植え、娘たちはフラダンスを学びステージに立つ…。常磐炭鉱時代から築かれた「一山一家…ヤマ(職場)で働くすべての人間が家族であり、常に助け合って生きていく」の魂は、フラ・フラダンスの世界でも脈々と受け継がれているのです。

もう一つ忘れてはいけないエピソードは東日本大震災の際行った「フラガール全国きずなキャラバン」です。劇中でもカンカンが入社式の時に触れていましたね。震災当時、半年の休業を余儀なくされたハワイアンズ。震災復興への願いを込めて行った全国キャラバンです。そのの様子はドキュメンタリー映画「がんばっぺ フラガール! 〜フクシマに生きる。彼女たちのいま〜」として公開されました。

3.CoCoネェさん

フラ・フラダンスで重要なキャラクターとして登場するCoCoネェさんは2015年に50周年を記念して誕生したハワイアンズの実在するキャラクター。

劇中では震災前から存在することになっています。(この旨をtwitterで呟いたら呟いたら水島監督にいいねもらったので多分言っちゃ駄目なやつなんだと思うけど書いときます)

アクアマリンふくしまで日羽ちゃん達が踊る「CoCoフラ~幸せはCoCoよ~」も実在する演目の一つです。

4.アイナふくしま 
5.フラガール ~虹を~

実際のショーでも使われている劇中歌。

前半のレッスンで使われる「アイナふくしま」は2013年フラガールとファイヤーナイフダンサー達一人ひとりが、故郷である福島への想いを出しあった言葉を歌詞にし福島への願いを込めて作ったハワイアンズのオリジナル曲。アイナはハワイ語で「ふるさと」を意味しています。

フラガール~虹を~」は上記でも触れた映画「フラガール」のテーマソング。フラ・フラダンスではクライマックスでもあるあやめ先輩の引退ステージで使われた歌です。配給が違うので使用されないだろうと思っていただけにこの曲が流れた時めちゃくちゃ感動してしまいした。

6.フラガールズ甲子園

フラダンス甲子園の優勝経験者であるカンカン。フラダンス甲子園のモデルになったのはフラガールズ甲子園と呼ばれる全国規模の高校生フラダンス競技大会です。

2011年3月23日にいわき市で第1回フラガールズ甲子園が開催されるはずでしたが、東日本大震災の影響により中止…ですが参加予定の高校生たちの要望により同年9月4日に秋葉原で開催されました。

あれから10年、コロナ禍の現在は通常通りの大会は行えないものの、オンラインで開催するなど工夫をこらしています。

7.フラ女将

しおんちゃんが憧れるフラ女将はいわき湯本温泉の現役女将たちが着物でフラを踊る実在する町おこしです。

同じくいわきを舞台にしたTVアニメ・フライングベイビーズでもDVDのジャケットがフラ女将監修フラ女将カレーのパッケージのパロディになっているなど、リスペクトが熱いです。

劇中のイメージでは温泉のすぐそばで踊っていましたが実際はイベントステージなどで踊っています。ちなみにフラ女将のダンス指導を行っているのはフラガール二代目リーダーの方です。

8.ファイヤーナイフダンスチーム・シバオラ

フラ・フラダンスでは話の本筋に絡まないものの存在感を放っていたコージ・レックス(CV.木村昴)くん。彼らの踊るファイヤーナイフダンスが日羽ちゃんのドライブシーンとシンクロする演出にはドキドキさせられましたね。彼らのモデルはフラガールと同じ舞台に立つファイヤーナイフダンスチーム・シバオラです。

ハワイアンズでのファイヤーナイフダンスの歴史も古く、1972年ポリネシアンショーの中の一つのパートとして登場しました。2016年4月1日にシバオラとしてチームを発足。日本で唯一のファイヤーナイフダンスチームです。ちなみにシバオラはサモア語で「強い踊り」を意味しています。

9.末続駅

実家が久之浜にある日羽ちゃんの最寄り駅は末続駅(すえつぎえき)。実在する無人駅です。

久之浜はいわきの中でも東日本大震災の津波のダメージが大きく、8ヶ月の間運転を休止していました。

他にも要所要所のシーンにいわき駅や湯本駅が登場。この2つの駅は他のいわきを舞台にしたアニメでも頻繁に登場しています。

10.アクアマリンふくしま

日羽ちゃん達がイベントで訪れたアクアマリンふくしまは小名浜に位置する東北最大級の環境水族館。シーラカンス研究やユーラシアカワウソの繁殖、劇中でも来ていた三角形の潮目の大水槽が有名ですね。

オハナちゃんが海を眺めて故郷に思いを馳せたサンセット・ピアパークもアクアマリンふくしまのすぐそばにあります。

東日本大震災では津波によって1階全体が水没。合わせてろ過装置を動かす燃料や生物達の餌の調達難などにより海洋生物200万匹が犠牲になるなど甚大な被害が出ました。その後マリンピア日本海をはじめたくさんの協力を経て4ヶ月後に再オープンの運びとなったのです。

アクアマリンふくしま
サンセット・ピアパーク

11.Jヴィレッジ

いついろディライトのライブ会場であるJヴィレッジは楢葉町・広野町に位置する日本サッカー界初のナショナルトレーニングセンターです。正確にはいわき市ではないのですが、波乱の歴史を歩んできた施設なので記しておきます。

Jヴィレッジは東日本大震災に伴う福島第一原発事故の対応拠点として2013年まで使用され、ほとんどのピッチは資材置き場や駐車場・プレハブが置かれすっかり形が変わってしまいました。全面芝生を張り替えるなどして2019年4月の全面営業再開までに8年の時を要しました。

2021年には東京オリンピック聖火ランナーのスタート地点として抜擢され震災復興の象徴に。2020年にはももいろクローバーZの単独コンサート開催…の予定でしたがコロナ禍で延期。2022年の開催に向けて頑張っています。

12.いわき市石炭・化石館 ほるる

劇中では入社式で1~2カットほど映った模擬坑道で当時の石炭採掘の様子が展示されている施設がいわき市石炭・化石館 ほるるです。

前述したハワイアンズのルーツでもある常磐炭鉱の歴史と市内で発見されたフタバスズキリュウをはじめとする貴重な化石が見られる博物館です。

13.いわき回廊美術館

日羽ちゃんたちのドライブの目的地だった場所がいわき回廊美術館です。

現代芸術家・蔡國強(ツァイ・グオチャン)によってデザインが手掛けられ、2013年にオープンした屋外美術館。美術館として開かれている一帯に桜を植樹するいわき万本桜プロジェクトとの共同制作であり、震災復興の願いが込められている施設です。ツリーブランコも実在します。

ちなみに同じくいわきを舞台にしたアニメ映画・薄暮に登場する下片寄地域もこの周辺にあります。

14.マルト浅貝店

日羽ちゃんがバレンタインチョコを買っていたのは湯本駅裏にあるマルト浅貝店。マルト浅貝店が登場するのはフラ・フラダンスだけ!

ちなみにマルトのロゴカラーはハワイの自然から着想を得ているそうなので不思議な縁を感じますね。

マルト浅貝店

15.RED&BLUE CAFEのパンケーキ

劇中日羽ちゃんと同級生達が食べているパンケーキは2021年J3に昇格したばかりの地元サッカーチーム・いわきFCのクラブハウス、いわきFCパーク内にあるRED & BLUE CAFEで食べられる名物メニュー。市内のファミリーマートでも冷凍されて売ってるほどの人気商品です!

またいわきFCのスポンサーであるアンダーアーマーは日羽ちゃんが私服によく取り入れているのでジャージやシューズに注目してみましょう。

16.凍み餅

お正月、日羽ちゃんの実家で振る舞われた凍み餅。餅を軒先などに吊るして寒風に晒し、氷結、乾燥させて作る保存食です(軒先で干されている描写、ありましたね!)。東北地方の農家に伝わる伝統食でいわきでも実際に食べられています。

17.河京の喜多方ラーメン

日羽ちゃんが寮で食べていたラーメン、それが河京の喜多方ラーメンです。

生麺茹でてるなと思ったら見覚えのある黄色いパッケージがドン!と出てきたので興奮しました。あと入社式前、お土産屋さんのシーンでも陳列されていたのが確認できました。

いわきの商品ではないですが県内の大きめのスーパーやお土産屋で手に入れることができるので不自然な描写ではないです。ちなみにオンラインショップでも買えます。

18.BNPいわき

最後は制作スタジオのご紹介。スタッフロールを見ればわかりますが本作の作画はBNP(バンダイナムコピクチャーズ)いわきスタジオが請け負っています。

その名の通りこのスタジオはいわきに本社を構えるアニメ制作会社。元々スタジオダブという名前で活動していましたが、2019年バンダイナムコピクチャーズに経営権を譲渡し現在の名前になっています。主にサンライズ(BNP)作品や東映アニメーション作品の作画拠点の一翼を担っています。

まとめ

いかがでしたか?他にも鈴懸さんの回想に登場する温泉神社やマリンタワー、日羽ちゃんの部屋に飾ってあるフラおじさんなどいわきネタが随所に隠されています。フラ・フラダンスをきっかけに是非いわきに、スパリゾートハワイアンズに来てくださいね!

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