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#1 英文テクニカルライティングの書き方

僕は、アメリカ理系大学院で博士号(材料工学)をとりました。日本で修士号を取り社会人として3年半働いてからの留学です。自分がやりたい研究が思う存分でき、楽しかったのですが研究成果を学術投稿論文にまとめるのに苦労しました。

最初の論文は大変で、学会誌に投稿するまでに指導教官から原稿を何十回も直されました。修正箇所は見違えるほど良くなりましたが、文法が間違っていたわけではなく修正理由がよくわからなかったため自分で原稿を直すことができず困ってました。

僕の指導教官は学生と一緒に原稿を修正する方針だったのですが、多忙のため一度に多くの時間はとってもらえません。よって、論文を仕上げるまで時間がかかっており、これでは卒業(通常3本ほど学術論文が必要)が遅れると悩んでいたのです。

そうした中で、大学の工学部が提供しているテクニカルライティングの授業を取ることにしました。講師はClaude Reichard博士という方で素晴らしい授業内容でした。僕の原稿の修正理由が理論的に理解できたのです。博士には今でも感謝しています。

これが転機となり、その後は論文作成も順調に進み、難産だった最初の論文も無事学会誌に掲載されました(教授に「投稿してよいよ」と言われたときは本当にうれしかった)。

次回から、テクニカルライティングについて学び、考え、まとめていることを少しずつ紹介していきます。学術論文向きの内容が中心となります。特に、次のようなことに疑問のある方のお役に立てればと願っています。

・どうやって文章の流れをよくするの?
・受動態と能動態の使い分け
・Weの使い方。そもそもWeって使ってよいの?
・学術論文で時制が現在、過去、現在完了と変わる理由
・イントロの書き方。目的を書く場所は?
・要約の書き方
・等々

最後になりますが、僕のつたない原稿を我慢づよく直し続けてくれた指導教官にはとても感謝しています。指導教官が原稿を一気に直した方がよほど楽だったはずです。時間をかけて僕に考える機会をくれたのです。教育者としても一流の方でした。

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