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【意味の沁み】雑記.20240503

・今月から、アイドルマスターシリーズの新ブランドにしてスマホゲーム最新作である『学園アイドルマスター』(通称学マス)の楽曲MVの公開が始まった。

・学マスには9人のアイドルが登場し、今回は各人のいわゆるソロ曲が順次公開される形である。MVといってもゲーム内のライブ映像ではなく(そっちもすごそうだけど)、しっかりとフル尺で制作された正真正銘の映像作品という感じの代物だ。
今までのアイマスでは「ゲーム内でショートバージョンが公開→CDでフルバージョンが初めて聴ける」がスタンダードだったので一線を画している。今の時代に合わせているというようにも思える。

・現時点で公開されているものだけでもとにかく全てのクオリティが高い。特に映像は「こんなに力入れてるなんて聞いてないですけど!?」というのもあって圧倒されっぱなしだ。

・サムネの絵は月村手毬さんの『Luna say maybe』が映像、曲ともにあまりにも素晴らしかったので描きました。冒頭の「あのね。」がフィルターで霞んでいく様子を通して本音を隠しているのを表すアイデアが特に好き。


・すごく個人的な話になってしまうが、自分は5年ほど前にアイマスにハマるまで、歌詞の意味というものをそんなに意識していなかった。僕は物心つく頃までゲーム音楽(インスト)しか聴いていなかったというのもあるし、自分が歌モノにどっぷり浸かるきっかけとなったサカナクションが、歌詞の意味と同じぐらい歌詞の音の響きを重要視しているバンドであることも少なからず影響しているかもしれない。
そんな感情を失った怪物だった僕に「歌詞が刺さる」という感覚を与えてくれたのがアイドルマスターだった。

・なぜ刺さったのかを説明するのは難しいが、色々考えると「キャラクターという強い存在がその曲を背負う者として機能している」ことが一つの理由だと思う。
まずキャラクターのことを知り、その人の性格や信条を理解し、頭の中で「この人はこういう人」という印象を抱く(それは事実とズレていることもある)。この段階はダ・ヴィンチ・恐山さんがこの動画で言う"顕"と、程度は違えど多分同義だと思う。それを経てその人が歌った曲を聴けば、何もバックボーンがない状態で流れ込んでくる歌詞に比べ圧倒的に言葉の意味が頭に入ってくるようになるという感じだ。なんなら感受性に染み入ってくる感覚すらある。

・また、これも個人的にだが、より深く考えると出てくる問題として「別にその歌詞はキャラクター本人から出てきた者ではないんじゃないか?(劇中設定的にも普通に作詞家が書いてるだろ)」というのがある。感情がそのまま歌になる『少女☆歌劇 レヴュースタァライト』や、歌っているキャラが歌詞を書いている『ひなビタ♪』にはない問題だ。
これに関しては、劇中のプロデューサーがアイドルについて深く理解し、その人間像に関して作詞家の人にしっかり伝えたのだろうと勝手に納得している。これはマジの現実でもそうだと思うので。
それに、そうして完成した曲を歌うことで、本人のアイドルとしてのキャラ付けがそっちに寄っていくなんてことも十分あり得るだろう。少々話が飛躍しすぎかも。キャラクターの実在性について考え続けるオタクなのでこういう思考が頭をぐるぐる回っている。

・アイマスが他のアイドルコンテンツと違うのは、プレイヤーが「プロデューサーという立場であることだ。それが歌詞に反映されていることが少なからずあるのも面白い。主に「君」や「あなた」の使い方に顕著で、基本的にはファンを指している(ファンに向けて歌ってるので)が、プロデューサーを指していると考えると意味が変わってくることも多い。反面、「これどう考えてもプロデューサーのことだろ!!」という感じのもあるが、それはそれでアリ。

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