最近やったゲームの感想
最近、ゲームをたくさんやっている。意識的にという訳ではないのだが、今まではなんとなくゲームをプレイすることを重く捉えすぎていて、消化しなければいけないタスクみたいに考えていたせいでのびのび遊べていなかったのかもしれない。あと『大逆転裁判1&2』があまりにも大ボリュームすぎたというのもある。実際、ここ最近プレイしたゲームは比較的小粒なものが多い。以下、クリアしたゲームのネタバレなしの軽〜い感想を書く。どれも書こうと思えば数千字ぐらい書けそうな良作ばかりだったけど、それをやると疲れるので。
『There is no game』
クリック謎解きゲー。しかしストーリーは超斬新で、とある事情でゲームでなくなってしまった「ゲームそのもの」と会話しながら、色んなゲームの世界を旅しつつ物語が進んでいく。相棒と一緒にいろんなところを巡っていく感じが楽しい。
謎解き部分もひらめきを試されるところが多く面白かった。捻りすぎててわからなかったところも割とあったが、ヒント機能が充実していてありがたかった。ちゃんとこういう配慮があるのはいい判断だなと思った。
『Webbed』
蜘蛛が主人公の2D探索アクション。プレイし始めたのは結構前で、どこに進めばいいのか多少わかりづらく積んでしまっていたが、ようやくクリア。攻略をちょっと見てしまった。まあめちゃくちゃ面白いゲーム。僕は全体として見ればシナリオ重視の作品をよく遊ぶが、純粋なゲームとしてはアクションパズルおよびアスレチック性の強いアクションが特に好きだ。そんな僕の好みにどストライクなゲームだったといっていい。蜘蛛の糸を使ったターザン的アクションや物理パズルがとにかく楽しくてしょうがない。グラフィックもすごく丁寧な仕事を感じた。斜めドットを許さないピクセルパーフェクトのリアルな虫たちはこだわりなくしては作れないだろう。
『Firewatch』
一人称視点の探索ゲーという形ではあるが、本作の真髄はシナリオだ。主人公は森林火災監視員となった男で、本作の登場人物はトランシーバー越しに話す上司のみ。そんな状況で彼らはとある出来事に巻き込まれていくこととなる。
レビューにもそういった書き込みが多いが、一本の映画を見るような感じでプレイする作品。グラフィックも美しく、森をたった一人で歩くある種の爽快感もしっかりある。また、上司との会話パターンはかなりの量があり、生半可な覚悟では全てを聞き切ることはまずできないほど。具体的には、森の中の無数のオブジェクトそれぞれに二人の会話が割り振られているのだ(主人公が「〇〇を見つけた。」と言うのがきっかけで始まる会話が大量に用意されている)。テレビゲームとして見れば少し評価は下がるかもしれないが、一本の作品としては一定の完成度が感じられる作品である。「セールで安くなってたら買って損なし!」みたいな作品かも。
『FILMECHANISM』
「記録」と「復元」を駆使して立ち向かうアクションパズル。そう、僕が大好きなアクションパズルである。他の同類作品では『ラビ×ラビ』『引ク押ス』『ELECHEAD』などが挙げられるが、本作はそれらに肩を並べられるような極めて高い完成度を持った作品だと思う。まず、基本となるゲームシステムが斬新かつシンプルで誰にでもわかるものでありながら、活用の幅はものすごく広いという絶妙なものになっていて、それが本作の率直な面白さを確固たるものにしている。そしてステージ数が多い。多すぎて今もなお全然クリアできてない。難易度は3段階用意されていて、「やりたかったら難しい方もやってね」というスタイルなのだが、一番簡単な難易度以外はマジで難しい。それでもその簡単な難易度は頑張れば誰でもクリアできるぐらいにはなってるし、ヒントも充実しているので、ゲームバランスの崩壊という訳ではない。にしても難しすぎるんだよな、HELLが……。
『Inscryption』
なかなか出会えないレベルの超絶おもろゲーム。何を言ってもある程度のネタバレにはなってしまうが、そんなに語りすぎないように書く。まず基本のゲームシステム(カードゲーム)がよくできている。言わばただカードゲームをやってるだけなのに普通に時間を忘れて気づいたら3時間ぐらいやってるみたいなことが起こるのがすごい。リプレイ性が高いのもあるし、ゲームデザインがうまいんだろうな〜と思う。ストーリーもとにかく面白い。意外性という意味では『There is no game』と重なるところもあるが、全く異質のものである。その意外性のあるストーリーにゲームの部分(システム、グラフィックなど)がめちゃくちゃ密接に寄り添ってるのが何よりもこのゲームの凄いところと言えるかもしれない。実は桜井政博さんが名前を挙げてたからというミーハーな動機でやったんだけど、本当にとんでもない作品だった。
『MOTHER3』
MOTHER好きを名乗るならいつかは通らなければいけない道をとうとう通った。結論から言えば素晴らしい作品には違いなかったと思う。MOTHER1、2よりもシナリオに比重が置かれ、一つの島という小さな舞台で重いストーリーが展開されるのがやはり最大の特徴と言えるが、「こんなのMOTHERじゃない」という人もいるという前評判の割には、根本にあるものは今までと全然変わっていなくて、「やっぱりMOTHERだな」と感じるところが大部分を占めていた。やっぱり糸井重里の作家性みたいなものが文面だけでないところに滲み出ている。それでも、家族というテーマを暗く深く掘り下げた、ヒナワとフリント、そしてリュカとクラウスの物語や、前作から登場しているポーキーのあまりにも救いのない最期など、より心に突き刺さるような描写が増えていたのは感じられるところである。
でも、タネヒネリ島の幻覚描写は最悪というほかなかった。長い間会ってない知り合いが酷い暴言を吐いてくるとか、それマジのバッドトリップじゃんね。
「ポストのなかにはなにもはいっていなかった。・・・100ぴきのネズミのしたいいがいは。」
とか、文章を用いた嫌がらせでしかない。どうかと思う。ムーンサイド要素を求めていたといえばそれはそうなんだけど、ただ嫌さをパワーアップすればいいというもんでもないよな。
『Subway Midnight』
地下鉄をモチーフとした、手書き風グラフィックと3Dを組み合わせたアートスタイルが素敵すぎるホラーゲーム。
『Firewatch』にも増して「作品」感の強い作品と言っていいと思う。謎解きやアクション要素もあるにはあるが、世界観やキャラクター、グラフィックを堪能するために遊ぶという側面がとても強い。でもこういう作品があってもいいなとは思うし、否定してる訳では全然ない。
もうとにかくグラフィックが良すぎる。『パラッパラッパー』かあるいはペーパーマリオシリーズ的な、3D空間上に平面のキャラがいるという表現はもっと可能性がありそうだし開拓されてもいいのにな〜とは思っていたのだが、本作はそれのある種の正解を示したと言っていいかもしれない。
以上です。まだまだ積みゲーは無くなることを知らない……。次は『十三騎兵防衛圏』、『Outer Wilds』、『NEEDY GIRL OVERDOSE』などをやりたい。
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