Apple Silicon M1が世の中を変える時(6) 〜 垂直統合モデル 〜

Appleは垂直統合モデルと言われています。そして、今、Appleの成功モデルを真似したいので、多くの企業は垂直統合モデルを模索しています。

垂直統合モデルをやっている企業はAppleだけではありません。日本の自動車会社は垂直統合モデルです。

例えば、新車を設計しようとします。自動車メーカーは設計時にエンジン、トランスミッション、ボディのスタイル、バッテリー(ハイブリッドや電気自動車の場合は主要部品となる)などをどう組み合わせて新車を作るか設計しなければなりません。この時に系列の部品会社がパワーを発揮します。ボディのスタイルはエンジンルームの大きさと関係するため主要部品と設計を共有しなければなりません。

ここまでは私の想像なので、自動車メーカーの関係者の方で間違っているよ。という方おられましたらご指摘ください。

Appleの場合は、TSMC(Taiwan Semiconductor Manufacturing Co., Ltd.の略)が自動車会社の系列に当たると考えていいのではないでしょうか?

Appleは以前、サムスンのARMチップを使っていたことは知られていますが、サムスンは自社でAppleと競合するスマホを作っていますので、そちらでもARMチップを使います。つまり日本の自動車産業でいうところの系列にはなりません。その為、AppleはARMの自社設計を決めて、TSMCで製造する流れになったものと思われます。

次にパソコン(PC)は水平分散モデルと言われています。CPUはIntelやAMD、ハードディスクはHDDベンダーやSSDベンダー、メモリも市販しているメモリがほぼ使える。そしてOSはWindowsです。ここでいうパソコンはWindowsパソコンです。

パソコンの場合は仕様が結構決まっています。いわゆる、標準化というやつです。車も「標準化できるではないか?」と思われますが実際には部品の共通化というのはパソコンほどはうまくいっていないよいうです。

自動車の製造については今回のテーマではないので以下の本を参考にしてください。私がバイブルとして使っている本です。自動車業界の2回のイノベーションについて書かれています。1回目がフォードによるマスプロダクション。そして2回目はトヨタによるリーンプロダクションです。“The Machine that changed the world”(世界を変えた機械)は私が32才の時に読んだのですが、ずっとソフトウェア開発の参考になると思い何回も読み返しています。

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自動車は垂直統合でパソコンは水平分散型ですが、AppleのMacは垂直統合というのがここまでの説明です。ちょっと長くなったので続きは次回にします。

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