「陽気なキャラではない」「話がぎこちない」人は、化学系企業の生産技術職への就職を断念した方がよいのか?
こんにちは、ダイ(@techconsul)です。
今回、化学系企業への就職を希望している電気系就活生から、DMにて質問がきました。
この回答は、わたしが似たような境遇の方にもシェアしたいと思い、質問者様にツイッターのDMではなくnoteで回答する旨と質問のスクショを張り付けることを打診し、OKもらいました。
DMはこちらです。
まずはじめに、電気系で化学系企業の生産技術職を希望していらっしゃるとのことで、素直にうれしいですね。会社は同じになるとは限りませんけど、同志ですからね。
そして、生産技術職の内容でこのわたしに問い合わせしてくれたことも嬉しい限りです。
というのも、実はわたし、Peing質問箱を設置したのですが、1週間閑古鳥が鳴きっぱなしだったので、周知自体をやめたという経緯があります。(下に復活させておきました)
手前味噌ですが、化学系企業の生産技術職であれば、グローバルに見てもわたしはそこそこのポジションにいるという自負もありますから、よくぞ聞いてくださいましたと思っています。
では、前置きはこれくらいにして質問に回答していきましょう。
①現在からでも生産技術のプロとして仕事ができるほどに、対人能力を鍛えていくことが可能なのか
「陽気なキャラ」ではないことと「話がぎこちない」ことは、生産技術職のプロとしてやっていくのに必須スキルではないですね。
というのも、それぞれコミュニケーションスキルとトークスキルに関連があるわけですが、生産技術職限定ではなく全職種に対してです。
陽気なキャラである、話をするのがうまい(色々な意味で解釈できますが)は、ないに越したことはないですよと、そんな風に考えていただければ。
陽気なキャラは、いきすぎると『口だけ技術者』にもなりえます。努力で変われるものでもありません。それは気にしなくてよいです。
※すみません、わたしの部下にやたらとテンションだけは高いんだけど、口だけが先行してしまう君がいたもので・・・。
作業員と仲良くすること、これ自体は結構重要なファクターです。
不安に思うのもわからなくないですけど・・・。人間得体の知れないものに不安を感じるものなので、このnoteを読んでいただいて、「そんなもんか!」って思っていただければいいですね。
話しのスキルについては、現場にて工場スタッフや運転員と技術的なやりとりをしていれば、自然に身に付きます。
だって、自分が考えたアイデアを何としても工場に導入しようとするなら、関係者を絶対に説得してやろうと思うじゃないですか。
”話がきごちないから”という理由で、他の誰かに自分の提案を伝えてもらうなんてことできますか?最初はぎこちないかもしれませんが、これはうまくなろうと前向きに努力していれば必ずうまくなるので、問題ないです。
人とコミュニケーションを取るのが苦手な人は単にその経験数が少ないだけだと思っていますので。
現に全く絡んだことのない(Twtitterでフォローしていただいていますが、)わたしにDMを丁寧に送ることができているではないですか。
むしろ、これ。
胆力
これ、大事ですよ。生産技術職は。
スッキリ回答としては、仕事に情熱があれば対人能力を鍛えることは可能です。ただし、生産技術のプロになれるかは対人能力だけでは決まらない
です。
②に移ります。
②あるいは生産技術を諦めて研究開発設計職を目指すべきなのか
・・・って、現時点で諦める必要はまったくないと思います。その理由はもう理解していただけましたよね。
陽気なキャラ→別に必須な資質ではない
話がぎこちない→前向きに取り組むという前提で、解消できる
からですね。
仮にですよ、対人能力がないので生産技術職をやっていけませんよって指摘し、そして研究開発職を目指すとしても、それはうまくいきませんよ。
だって、研究開発職だって対人スキル必要ですから笑
この辺、わりと勘違いされやすいのですが、研究開発職だからって黙々と一人で研究活動できるわけではありません。
ミーティングだってしますし、他の方に協力を仰ぐこともあります。
研究開発職=対人スキルがないことを免除されているってことにはなりません。こんな思いは捨てましょう。
こちらの記事は、部署間の違いもまとめています。有料ですけど、生産技術職の部分は無料なのでぜひ読んでみてください。
バックグランウンドとして記載して下さった生産技術職の志望理由に対するコメント
①海外の機会があるということ
そうですね。生産技術職は、製造、研究、設計の技術職の中で最も海外に派遣されやすいという感覚がわたしにはあります。わたしが海外拠点を生産技術職として転々としていることもありますが。
だだし、化学系企業といってもピンキリですし、海外展開に前向きな企業もあれば、国内オンリーの企業もありますけど。
大企業であれば間違いなくグローバル化していますので、海外拠点はほぽ確実にあります。
海外を志望する理由は質問からは見えませんが、収入面で優遇されるという点もひとつのメリットです。外資系のように高くはないですが、さほど悪くありません。希望するに十分な理由と思います。
②現実問題(コスト面や日々の問題解決)を考えることに興味がある
なかなか生産技術職向きの思考と思います。
2年ちょっと修士で研究したくらいで研究職に就けなかったらこの世の終わりだーみたいに嘆く就活アカウントもよく見る中で、非常に好感が持てます。
どこの部署でもコスト削減は考えているわけではありますが、日々の、直近の問題解決は製造ないしは生産技術に多いですね。
研究開発は課題に対してのマイルストーンが長いことや、あるVisionを達成するためにかなり達成困難な課題に立ち向かう部署性質があるため、Practicableな世界から少し離れるケースはあります。
生産技術職は、解決する課題に大きさにもよりますけど、起案から実際にBenefitとして現れるまでの期間が短いのも魅力的です。
ある提案をした結果、半年後には年間数千万円の利益が出るようになったなんてことも生産技術職あるあるです。
③専攻(電気系)を生(活)かせる職であると思う
なんとここまで来て、このバックグラウンドが一番のネックになる予感がします(笑)
化学系企業の技術職は、たいていの場合、化学、化学工学系と機械、電気系に分かれて採用活動が行われます。
なぜなら、化学、化学工学系と機械、化学、化学工学系と電気系は同じ土俵で比較できないからです。特に電気系は企業側のニーズが高いです。
そりゃそうですよね。純粋に電気系で飯を食っていきたいと思う人は、電気系企業、IT企業に就職したいでしょうから、化学系企業なんて志望しません。
ですから、よほどポテンシャルが低くない限り採用される可能性が高いです。化学、化学工学系と比較すると、学歴をあまり気にしていない印象です。
(学歴については、ここではあまり言及するつもりはないのですが、総合化学メーカーともなると、そこそこの学歴がないと採用されないようです。ESでも・・・・。あ、明記するのは控えます。)
ですが、ですがです。
電気系出身の方が、化学系企業の生産技術職を希望するとなると、ESの時点で電気系であることは使わずに、化学・化学工学系でエントリーする必要がありますね。(人事ではないので参考程度に)
そして、ご自分の生産技術職への熱い想いを面接官に伝えることが必要かと。
わたしは完全に化学系出身で、化学工学という学問は学生自体逃げ回っていたくらいです。が、生産技術職に放り込まれ、化学工学をベースに仕事をしていくことになります。
修士で勉強することなんて高々2年と短いので、入社後に少し頑張れば生粋の化工系にすぐに追いつきます。
とにかくESを電気系でしないこと、これはしっかり頭に入れておいてください。
化学系企業に限らず、いまやどこの企業も環境問題解決に取り組んでいます。世界的な規模でサーキュラーエコノミーのプロジェクトが進んでいるからですね。
化学系企業は材料レベルで、エネルギーレベルでこれらの課題に奮闘していますし、生産技術職となったら、かなり近いところで直接的に貢献できるものと思います。
学会発表や質問応答のできは、生産技術職をやっていくうえであまり関係ないので安心してください。質問に答えられなかったとしても、後に問題になることなんてないですし、答えられるといってもその回答が妥当かはわからないですし。
結構、書きましたね。そろそろ終えます。
最後にわたしの回答を質問者様用としてまとめておきます。
コミュニケーション能力の有無で進路を迷われているようですが、あまり関係ありません。ただ、メンタルは強くないといけませんね。
電気系でも生産技術職にどうしてもなりたい旨、しっかり面接官に伝えてください。電気の知識があるというのは強みになりますからね。
では、就活ご健闘祈ります。
そして、質問者様はもちろんのこと、他の人も読んでくれて参考になることを祈ります。
質問箱、ここには設置しておきます。内容によっては回答します。
いつもありがとうございます^^