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HBM3標準について

JEDECがHBM3標準を発表 📢 (ARLINGTON, Va., USA January 27, 2022)

HBM3標準の発表 JEDECは、次世代のHigh Bandwidth Memory(HBM)DRAM標準であるJESD238 HBM3を発表した。HBM3は、より高い帯域幅、低消費電力、高密度を実現し、グラフィックス処理や高性能コンピューティングなどでの市場成功に不可欠である。

HBM3の主な特徴 🌟

高いデータレート HBM2のアーキテクチャを拡張し、ピンあたりのデータレートを最大6.4 Gb/sに倍増させた。これにより、デバイスあたり最大819 GB/sの帯域幅を実現。

チャンネル数の増加 独立チャンネル数を8から16に倍増。各チャンネルに2つの擬似チャンネルを持たせることで、実質32チャンネルをサポート。

スタックの多様化 4-high、8-high、12-highのTSVスタックをサポートし、将来的には16-highスタックにも対応可能。

広範な密度サポート 各メモリ層8Gbから32Gbまでの密度に基づき、デバイス密度は4GBから64GBまでカバー。初期のHBM3デバイスは16Gbメモリ層に基づく。

高い信頼性 RAS(信頼性、可用性、保守性)の市場ニーズに対応するため、シンボルベースのECC(誤り訂正コード)やリアルタイムエラー報告機能を導入。

エネルギー効率の向上 ホストインターフェイスで低スイング(0.4V)のシグナリングと、1.1Vの動作電圧を採用し、エネルギー効率を向上。

業界のサポートと反応 🌐

NVIDIAの見解 「HBM3は、巨大なメモリ帯域幅と容量を必要とする新しいアプリケーションを可能にする」とNVIDIAのBarry Wagner氏が述べた。

Micronの見解 「HBM3は、より高い性能と信頼性、低エネルギー消費を実現し、業界の新たな性能基準を打ち立てる」とMicronのMark Montierth氏が語った。

Samsungの見解 「AI、グラフィックス処理、機械学習の急速な拡大がHBM3標準の必要性を高めている」とSamsungのKyung-Soo Ha氏がコメント。

SK hynixの見解 「HBM3は最高の帯域幅とエネルギー効率を提供し、堅牢なECCスキームにより強化されている」とSK hynixのUksong Kang氏が述べた。

Synopsysの見解 「SynopsysのHBM3 IPと検証ソリューションは、ハイパフォーマンスSoCへの新しいインターフェイスの統合を加速する」とSynopsysのJohn Koeter氏がコメント。

JEDECについて 🏢

JEDECは、マイクロエレクトロニクス業界の標準開発のリーダーであり、300以上のメンバー企業からなる。全ての標準はJEDECのウェブサイトからダウンロード可能である。詳細はJEDECのウェブサイトを参照。


参考文献


HBM2とHBM3の主な違い 🌟

データレート 📊

  • HBM2: ピンあたり最大2.0 Gb/sから3.2 Gb/sのデータレート。

  • HBM3: ピンあたり最大6.4 Gb/sのデータレートを達成し、デバイスあたり最大819 GB/sの帯域幅を提供。

チャンネル数 🌐

  • HBM2: 8つの独立したチャンネルを持つ。

  • HBM3: 独立チャンネル数を16に倍増し、各チャンネルに2つの擬似チャンネルを持たせることで、実質32チャンネルをサポート。

スタックの高さ 🏗️

  • HBM2: 4-high、8-high、12-highのTSV(Through-Silicon Via)スタックをサポート。

  • HBM3: 4-high、8-high、12-highのTSVスタックに加え、将来的には16-highスタックにも対応可能。

メモリ密度 🧩

  • HBM2: 各メモリ層の密度は4Gbから16Gb。

  • HBM3: 各メモリ層の密度は8Gbから32Gb。デバイス密度は4GB(8Gb 4-high)から64GB(32Gb 16-high)までカバー。

エラー訂正コード(ECC) 🔍

  • HBM2: 基本的なECC機能をサポート。

  • HBM3: 強化されたシンボルベースのECCを導入し、リアルタイムエラー報告と透明性を提供。

消費電力 🔋

  • HBM2: 標準的な動作電圧。

  • HBM3: エネルギー効率の向上のため、低スイング(0.4V)のシグナリングと1.1Vの動作電圧を採用。

具体的な改良点

高帯域幅

HBM3は、HBM2に比べてピンあたりのデータレートを倍増し、デバイス全体での帯域幅を大幅に向上させている。これにより、より高速なデータ転送が可能となり、AIトレーニングや高性能コンピューティングなどの用途での性能向上が期待できる。

独立チャンネルの増加

HBM2の8チャンネルに対し、HBM3は16チャンネルを持ち、さらに各チャンネルに2つの擬似チャンネルを持たせることで、実質32チャンネルを実現している。これにより、並列処理能力が向上し、複雑なデータ処理が効率化される。

スタックの高さと密度の拡大

HBM3は、スタックの高さと各メモリ層の密度を向上させることで、より高いメモリ容量を提供している。これは、大規模データセットの処理や高解像度グラフィックスのレンダリングにおいて重要である。

信頼性とエネルギー効率の向上

HBM3は、強化されたECC機能やエネルギー効率の向上により、システムの信頼性とパフォーマンスを向上させている。これにより、高い信頼性が求められるデータセンターやHPC環境において、優れたパフォーマンスを発揮できる。

まとめ

HBM3は、HBM2と比較して多くの点で改良されており、特に高帯域幅、独立チャンネル数、メモリ密度、信頼性、エネルギー効率の面で優れている。これにより、次世代の高性能コンピューティングやAIトレーニング、グラフィックス処理などの用途での使用が期待されている。

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