【特集】生成AIを活用し月間約69時間の作業時間削減に成功!キラメックスが目指すこととは?
こんにちは。テックアカデミーを運営するキラメックス株式会社の代表取締役社長の樋口です。
今回のテックアカデミー公式noteは、テックアカデミーを運営するキラメックス株式会社(以下「当社」)での生成AI活用事例についてまとめました。
前回の記事にもあった通り、テックアカデミーでは、言語モデルの本質や生成AIに指示するためのプロンプトについて学べる「はじめてのプロンプトエンジニアリングコース」というコースを2023年6月12日から開講しています。
私たちは皆さんが生成AIについて学ぶことができる機会を提供するだけではなく、「ChatGPT」「GPT-4」などをはじめとした生成AIを日々の業務においても活用しています。
全スタッフが高頻度で利用。実際に月69時間分の削減を達成した3つの事例
取り組みを開始してまだ数ヶ月ですが、既にカスタマーサポートチームで月間約69時間の工数削減に繋がるなどの成果が出ていますので、当社の生成AI活用事例について3つご紹介したいと思います。
①全スタッフ約100名が業務で生成AIを活用できる環境を整備
当社では2023年3月からOpenAI社が開発した「GPT-4」のAPIを活用したSlackbotを作成し、当社全スタッフ約100名が業務でGPT-4を使える環境を整備しています。Slackbotは、社内のチャットツールであるSlackで質問や指示文を入力すると、数分以内に入力した内容に対する回答が返ってくるというものです。当社では1ヶ月の間に合計900回以上(2023年6月21日時点)このSlackbotが活用されており、多くの人が利用していることがわかっています。
Slackのチャンネルに参加しているスタッフ全員に、質問者や質問内容、回答がリアルタイムで表示されるため、自身の業務での活用方法をイメージしやすくなっています。最近では生成AIへの指示文(プロンプト)を工夫し、回答の正答率や質を上げる動きも見られます。
また社内での生成AI活用を促進するため、生成AIに関する学びや実践を共有するLT大会を実施しております。エンジニアだけでなく、マーケター、デザイナー、営業、カスタマーサポートなどあらゆる職種の人が発表し、知見を共有し合っています。
②問い合わせへの自動返信文の作成・添削で約69時間の工数削減
テックアカデミーでは受講に関するWebの問い合わせが毎日約30〜50件ほどあり、当社のカスタマーサポートのスタッフが全て確認、返信対応を行っています。
2023年5月からは生成AIの基盤である大規模言語モデル(LLM)の活用を開始し、時間がかかる返信文の作成をサポートする取り組みを試験的に開始しました。具体的には、Webサイトからの問い合わせ通知を受けると、生成AIが自動で返信文を作成するというものです。問い合わせが届いてから数分以内に自動で返信文を作成するため、カスタマーサポートでは生成AIの返信文の内容を参考に、返信文を作成する流れに変更しました。
また返信文の作成だけでなく、返信文の添削においてもSlackbotを活用し、上長による内容確認などの対応工数が軽減されました。その結果、カスタマーサポートのチーム全体で約69時間の工数削減に繋がり、工数削減に繋がった時間を受講生のサポートなど満足度向上のための業務に充てることができるようになりました。
カスタマーサポート以外にも、各部署が多様な場面で生成AIを活用しています。
③ユナイテッドグループ全社員がプロンプトエンジニアリングについて理解し、日々の業務内で活用
テックアカデミーの「はじめてのプロンプトエンジニアリングコース」を用いた社内研修を2023年6月から開始しています。当社だけでなく親会社のユナイテッド株式会社をはじめ、ユナイテッドグループ全社員が生成AIの概念を理解し、業務で活用できるようになるためのスキルを身につけています。
並行して、テックアカデミーの現役エンジニアのメンターであり、著書『ChatGPTプロンプト逆引き!API活用ガイド』を執筆をしている太田和樹氏によるオンライン研修も行っています。
いきなり生成AIを使ってと言われても、使い方がわからなければ難しいです。必要不可欠なスキルセットと考え、全社員が自分ごと化できるようなサポートも会社全体として行っています。
”変化はコントロールできない。できるのは変化の先頭に立つことだけである”
いかがでしたでしょうか。
当社では今後も、業務における生産性向上や、テックアカデミーにおける学習体験などの場面においても積極的に生成AIの活用を広げていきたいと考えています。
という言葉をご存知でしょうか。
これは現代経営学やマネジメントの発明者と称されるピーター・ドラッカー(1909~2005)の言葉で、今まさに起こりつつあるAIによる社会の変化のきざしに強く響きます。
ChatGPT等の生成AIは、世界を、私たちの仕事や暮らしを大きく変えようとしています。近い将来、AIが多くのルーティン業務を代替し、職業を転換する人も出てくるでしょう。
一方、その変化の波に乗れたAIを「使いこなせる」人材は、これまで以上に多くの成長機会を得て、引く手あまたとなる労働市場が生まれる可能性があります。
その変化を見据えた人材になれるか、育てられるか
ドラッカーが指摘するように「AIによる変化の先頭に立つ」ことができる成長機会を作り、意思ある人、ビジネスパーソン、成長を志す企業の善進を後押しすることだと考えます。なぜなら、今後数年の間に「AIを使いこなせる人材になれるか」で、人や企業の、その先の成長が大きく左右されると考えるからです。
当社は押し寄せるAIの変化の先頭に立ちたいと考える多くの人や企業の背中を押し、日本のデジタル化と生産性改善に貢献し続けたいと考えています。
今回の記事をきっかけに、ぜひ生成AI活用について個人として、企業として興味を持ち、取り組まれる方が増えることを期待しています。何か相談がありましたらお気軽にお問い合わせください。
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