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【特集】テックアカデミーの新コース「はじめてのプロンプトエンジニアリングコース」は、なぜ「ChatGPTの使い方コース」ではなかったのか。

こんにちは。テックアカデミーでマーケティングを担当しております福田です。
今回のテックアカデミー公式noteは、2023年4月17日にリリースした、「はじめてのプロンプトエンジニアリングコース」についての特集です。

このコースを見た際、「なぜChatGPTの使い方コースではないのか?」「プロンプトエンジニアリングって何?」と思った方が多いのではないでしょうか。なぜ聞き覚えのない「プロンプトエンジニアリング」をメインとしたコース名にしたのか。今回はコース開発の立案・推進を自ら中心に行なった、当社社長の樋口の話を聞きながら紐解きます。

※この記事を読むと、生成AI、プロンプト、GPTの関係性と重要性が理解いただける内容となっています。ぜひご一読ください。

まだ一過性のもの、エンジニアが使うものと思って自分ごと化されていない

ーー聞かない日は無いChatGPTのニュースですが、実際に使われた方はその凄さに震撼しているかと思います。しかし、自分ごと化できている人はまだ部分的かなとも感じますがいかがでしょうか。

樋口:「エンジニアや、デジタルが仕事で不可欠な、新進気鋭の人だけ使っているもの」「ニュースで名前を聞いたくらい」「定期的に出てきては消える面白いBOTサービスくらいの位置付け」と思い、使ってないという方もまだまだ多いのではないでしょうか。それは、正しく理解されていないからではないかと考えます。

コースの開発と中心となったキラメックス株式会社代表取締役の樋口

樋口:ChatGPTは生成AI(ジェネレーティブAI)の一つで、入力テキストなどから高品質なアウトプットを生成できることで注目を集めるAI技術です。画像、文章、音声、プログラムコード、データなど、様々な領域で活用が進んでいます。ChatGPT(GPT-4)は大規模言語モデルと呼ばれるモデルを、アプリケーションを通じて誰でも簡単に使えるようにしたわけです。このテクノロジーは一過性のものではなく、間違いなくスタンダードになります。

ーーなるほど。ChatGPTのアプリケーションが引き金となって生成AIに関心が集まったものの、部分的な解釈に止まっているということですね。

言語モデルと、プロンプトエンジニアリングと、ChatGPTの関係性は?

ーーそんな中、今回「はじめてのプロンプトエンジニアリングコース」という名称のコースをリリースしたわけですが、冒頭の通りなぜ「ChatGPTの使い方コース」じゃないのか、を深掘りしたいです。そのためにはそもそも、ChatGPT、プロンプトエンジニアリング、言語モデルとは何かを理解しておく必要があります。聞きなれない言葉で難しいので、わかりやすく教えてください。

樋口:理解をしやすくするために「海外に旅行をするため、もしくはビジネスで活躍するために海外の方とコミュニケーションを取って目的が達成できるようになりたい」というシーンを想像してみてください。
この際、いきなり会話をはじめるのではなく、まずその方や現地の言語を学習してから会話、実践に進むかと思います。例えばその対象が英語圏の方としますと、

英語圏の人とコミュニケーションを取るための流れ
1.国の言語を理解する(英単語、定型文、構文を学ぶ)

2.会話の仕方を学ぶ(単語や文章のコンテキストを学ぶ)
3.実践(海外に行って楽しむ、ビジネスで活躍する)

という流れになるでしょう。これに昨今の生成AI(代表がChatGPT)を当てはめてみますと、「生成AI君とうまくコミュニケーションをとって期待の成果を出したい」という目的のために、

生成AIを使いこなして期待の成果を出すための流れ
1.国の言語を理解する(生成AIが使う言語を理解する=大規模言語モデルを学ぶ)

2.会話の仕方を学ぶ(期待の結果を出してくれる命令の仕方を学ぶ=プロンプトエンジニアリング)
3.実践(生成AIを使いこなし自身の業務に生かして生産性を高める)

ということになります。単語も知らず、会話の仕方も知らず、とりあえずChatGPTに命令して「期待の結果が出なかった」という方も多いのではないでしょうか。それもそのはずです、生成AI君と会話をするための準備をしてなかったのですから。

英会話と生成AIの関係性

ーーなるほど、プロンプトは会話のお作法のようなもの。プロンプトエンジニアリングは、どのように伝えると相手がどうアクションをしてくれるか、ということですね。そして、会話のお作法を知るには、根本の言語理解は当然必要です。
ChatGPTの使い方コースではないのは、そもそもプロンプトエンジニアリングの対象はChatGPTに限定されませんし、言語モデルそのものを学びながらプロンプトエンジニアリングを実践できるコースにすることが重要であることを理解しました。いわば「使い方講座」ではなく、「コミュニケーション講座」に近しいですね。

新コースが「ChatGPTの使い方コース」ではない 3つの理由

エンジニア以外でも活用しなければ格差は広がっていく一方になる。そのためにコースが必要だと考えた

ーー続いて、このコースの必要性について教えてください。

樋口:ChatGPTのHOW TOは多く出てきています。技術が広がっていくのは良いことですが、表面的な利用にとどまり、みんな同じアウトプットになってしまっています。もっとGPTは賢く(質を高めて)アウトプットができるのに、プロンプト(指示)が同じ、もしくは不十分なんです。もっと便利な、自分に合った使い方ができる道具であり、みなさんそれぞれで出したい価値が違うはずなのに、HOW TOをただ実行するだけになってしまっています。これでは、「あれ、思っていたアウトプットと違ったぞ。」となって、結局使えないのか。と誤った感想を持ってしまうことにもなりかねません。

またChatGPTだけではなく、言語モデル・生成AI自体を有効に活用していかなければなりません。ChatGPTは生成AIの一部ですから。

今後、利用できている人、活用できている人の差は指数関数的に開いていくでしょう。言語モデル・プロンプトを理解した上で使うと、もっと自分に合った使い方、便利な活用方法がわかるからです。同じ時間をかけても生産性が全く異なってきます。

ーーそれは、果たしてエンジニア以外にも言えることなのでしょうか?

樋口:はい、もちろんです。もちろんエンジニアに必要なことは間違いないですが、今回非技術職にフォーカスしたのは、より必要性が高いからです。
AIの発達により「技術を使う人になるのか、技術に使われる人になるのか」という、どっち側にいくかの別れ道と言えます。例えば、AIを活用して今の業務の生産性を高めることができれば技術を使う側ですし、AIよりも人間がやったほうが安い仕事は人間がやるようになります。

以下に各職種の適応例をまとめましたが、あらゆる職種で活用できますよね。単なる簡略化ではなく、簡略化によって生まれた時間で更なるブラッシュアップに時間を使えるわけです。これができる人とできない人、あなただったらどちらを評価するでしょうか。

職種別の活用例

樋口:このテクノロジーが出てきて、誰でも使える状態になったことで、活用できた方は格差は一時的には縮まります。しかし、前述の通り、しっかりと身につけなければ、一回縮まった格差はまた広がっていくでしょう。また、今回は特にその開いてしまった格差がもう縮まらないのではという可能性が高いです。今回の格差を縮めたタイミングで、また格差が開かないようにする必要があるのです。
どのように技術を自分の実現したい世界に活かすのかを考えなければなりません。自己実現をしやすい社会を作るいいタイミングであり、教育事業者として、技術の民主化を適切に浸透させる役割があります。
そのために、非エンジニア層に対して特に注力したコースとしました。

福田の補足:コース内容を「ちょっと出し」します。言語モデル、プロンプトエンジニアリングの基礎理解から応用まで行います。最終課題では、ご自身の業務において活用できるところを自身で課題化し、実践するという一石二鳥の内容となっています。

1.言語モデルとプロンプトについて概念を理解
2.プロンプトエンジニアリングの技術を理解
3.実際のプロンプトエンジニアリングのやり方を理解
4.より良く活用できる方法を理解
5.よくある誤解や間違いから正しい内容を理解
6.自身の業務で使えそうなところを考えGPTなどを活用し実戦

※実際のLesson構成とは異なります
※内容が一部変更になる場合がございます

企業は「ChatGPTはセキュリティが脆弱だから」といって生成AIに取り組まない場合、確実に置いていかれる

ーーこれは何も個人ではなく、企業全体で取り組むべき課題であると感じます。

樋口:その通りです。個人単位でも、生産性の高い人と低い人の差がでてくるでしょう。企業として、その格差をなくす努力が必要になります。
また企業単位でいうと、まだセキュリティリスクは解決しきれてないですが、それは色々な技術が生まれた時に発生するよくある問題の一つ。徐々に解決されていきますから、生成AIによってあらゆる仕事は変わっていくという認識・危機感を持ち、対応していくことが必要です。

周りを見た時に、生成AIを活用している企業が競合になっていくでしょう。実現可能なことは理解しておく、予測しておくことが大事です。それによって、今後の法人としての歩み方は変わってきます。どのような危機がありそうなのか、そこに対しどのように活用できるのかの整理も含めて、ぜひご相談ください。コース設計も含めてご相談にのります。

全企業、全国民が一般教養として学んでいくべき。自己実現の人と機会を最大化するキラメックスの使命そのもの

ーー最後に「はじめてのプロンプトエンジニアリングコース」にかける思いをお聞かせください。

樋口:よく言われている話の受け売りですが、テクノロジーの浸透が日本は顕著に進んでいません。多くの人がすごいと思えたこのタイミングで、事業や自分に取り込んでいくということに積極的に取り組まないと、世界にどんどん引き離されてしまいます。
日本の未来を考えた時に、この技術を持っているか否かで、運命が変わるようなタイミングであると考えます。それくらい大事なタイミングです。全企業、全国民がリテラシー、教養として学んでいくべきです。
今回のコースは、「自己実現の人と機会を最大化する」というキラメックスの使命そのものであると考えており、たくさんの方が本コースをきっかけとして自身や企業の業務改革に取り組んでいただきたいです。

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