機関の揉め事

先日の燃料補給中の出来事。
油屋が本船(自分の船)に来ていたので甲板部(運転する部署)の人間も機関部(エンジンの整備部署)の手伝いをしていた。
僕が一番機関場に近い場所で作業を手伝っていたところ、機関長が一等機関士(略、一機)の事を本人に聞こえるような声量でdisり始めた。
機関長は普段から一機への不満が溜まっていたのだろう。
僕らのような部署違いの人間が来たので周知したかったのかな。

機関長のリリック(概要)

・一機は仕事をしない
・機関長が作業していても一機は逃げる
・一機はモノを片付けない
・作業軍手だって使えばそこら辺に置いて散らかりっぱなし
・いつもそれを片付けているのは機関長
・今とて一機の足元に落ちている軍手は一機が以前散らかしたままのモノである

一機の返答

アンタ(機関長)はいつもそうやってオラの悪口ばかりいう!
そんな事ならオラはもう機関場を手伝わない。
もう仕事を辞める。泣

とのこと。
事実を突きつけた機関長に対して感情で反論した一機である。
百歩譲って機関長の言い方に棘があったかもしれないが
『優しく云ってください』
なんてのは対等な立場の人間が放てる願望。
僕からは
『油屋さん来てるから後でやりぃや』
とだけなだめておいたところ、数時間後会社から僕の所にこの内容についての問い合わせがあった。

近頃の一機は何かあれば船長を通さずに会社へ連絡している。
僕が一機に辟易していて相手をしていないからそうなるのだが。
会社の意見としては
『一機に辞められると困るから一ヶ月後転船(異動)させる』
とのこと。
転船があれば、ロケット鉛筆のように他の枠が抜けたり入ったりと波紋が生じるのだが、その辺の助言を僕からは控えておいた。
勝手にしやがれという気持ちが強かった。
それでも自分の船で発生した問題であるので、会社に許可をとって求人だけ出しておいた。

僕の意見としては
『来るもの拒まず去るもの追わず』
である。辞めたくなった人間を雇った所で入社当時のやる気が蘇る事はないと思う。
ましてや一機の『辞める騒動』は仏の顔も超えて三度以上起きている
それならば人を探す努力をした方が楽だと思うのだ。
と、国土交通省へ求人を出しながら思い、
『会社に属したからって社長と同意見になる必要はないよな』
と考察した。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?