船の検査(前半)

5/20(月)〜5/26(日)

丘(車)でいうところの車検、海(船)で言うところの中間検査が本日より始まった。
大阪の造船所にて今月一杯かけてエンジン等をバラしては検査をして、また組み立てるのだ。

それに伴う登場人物が下記になる(例・ドラえもん)
・船長
船の操縦者。雇われ部長のようなもの(ジャイアン)
・機関長
船のエンジニア。雇われ2大部長といったところ(ジャイアン2)
・船員
雇われ部員(のび太)
・社長
船の持ち主(スネ夫)
・工務監督
会社側に属する、船をよく知る者(スネ夫の父)
・ドックの担当者
船の検査・修理をする人達(出来杉くん)

検査を行う過程で船の修理もついでに行われる。
それらをドックオーダーと呼び、船長率いる船員達がそれらを提出する。
その内容は必要不可欠なものから福利厚生まで様々で、もちろんお金を伴うモノである。
それゆえに会社側は全てを引き受けるわけにはいかない。
それらを査定するのが工務監督の役目だったりする。

ウチの会社の工務監督は、元専務だった祖父の弟が勤めていたのだが、この度高齢により退職しなさった。
その結果監督が不在となっており、ドック側からは初日から
『今回監督への連絡はどうすればよいですか』
との問い合わせがあった。
取り急ぎで
『船長(自分)までお願いします』
との返答をしておいた。

翌日社長にその内容を伝えたところ煮え切らぬ返事であった。
要約すれば、社長は事務員から工務監督を立てようとしているわけだが、常識からして脱線もよいところである。
ドックの専務から工務監督について言わせれば
『工務監督は船の経験者から出すべきところですが、元船長よりかは元(機関長とは言わずとも)機関員の方が良いですよね...』
といった見解で、そのどちらにも属していない事務員から工務監督を出そうなど言語道断である。

社長のこういった愚行には慣れたものだったが、改めて呆れてしまった。
結果的には現状通り船長兼工務監督といった具合で自分が務める事になった。
ドックの担当者からは
『船長しながら監督もするって変わってるというか、大変ですね』
などとも言われ、まだ許容範囲ではあるものの怒りは宿っている。

そうまでして会社に残っている理由

昔、新聞で丸紅の専務がその役職に成った理由を綴っており、心に残っている一節がある。
『私の傲慢な性格ゆえだと思うが、専務に任命された時に【そうだろうな】と思った。
周りを見た時に他の登場人物は考えられなかった』
と言うような事を綴っていた。
自分の過去の例を挙げても、航海士から船長になった時は同様の事を思っていたし、心の中で次なる役員は自分以外にいないという自負がある。

ここまで傾いた会社の役員になってどうすんねん、ではあるのだが、先代を愛する者として踏ん張り処は今かなァと思う。
それに耐えうる僕の忍耐と、社長の愚行が争った後の勝者が将来的な自分の立ち位置かと思っている。
毎日のように継続/退職とで葛藤している。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?