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[技術史]織機から始まったコンピューターの歴史3

最終的に、バベッジの解析エンジンが実際に製作されることはなかったものの、パンチカードに打ち込まれた命令を処理するプログラム制御式計算機の構想は生き続けました。1889年、アメリカの技術者ハーマン・ホレリスは、電車で車掌が切符に穴を開ける様子を見てひらめき、アメリカ国勢調査局のために、パンチカードをもとにしたタビュレーティング・マシン(作表機)を作り上げます。1880年に行われた国勢調査では、集計を終えるのに7年以上かかり、その後も人口が増え続けていたことから、集計作業を機械化する必要がありました。
「ホレリス・デスク」と呼ばれた作表機は、パンチカードの穴を読み取るカードリーダーと、調査結果を集計する歯車機構、集計結果を表示する大型の表示板で構成されていました。
 ホレリスの発明により、7年以上かかっていた国勢調査の集計作業は数ヶ月に短縮されました。最初は集計のみの処理でしたが、ホレリスはさらに開発を進め、会計や在庫管理、輸送などの業務にも対応できる機械を発明します。彼のおこした会社は、やがてインターナショナル・ビジネス・マシンズ社(IBM)となります。
 
 
『参考資料』
https://www.census.gov/history/www/innovations/technology/the_hollerith_tabulator.html
 

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