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【技術史】超々ジュラルミン

太平洋戦争では、日本の戦闘機『ゼロ戦』は一度敵の背後を取ったら最後、確実に撃墜する恐ろしいスペックの戦闘機として連合国から恐れられていた。

このゼロ戦の翼の素材には当時、住友伸銅所の五十嵐勇が開発した軽くて強い最先端合金〝超々ジュラルミン“が使われた。
アルミニウムのうち純度99%以上のものが純アルミニウム、他の金属を加えて性質を改善したものがアルミニウム合金です。数あるアルミニウム合金の中でジュラルミンだけに別名が付けられました。
1906年、ドイツの冶金学者アルフレート•ビルムは、銃の薬きょうに使う新素材を研究する中で、アルミニウムに銅とマグネシウムを加えた合金を作り、焼き入れ直後からの時間経過とともに硬度が上がる現象を発見した。さらにマンガンを加えるなど改良を加えたアルミニウム合金としてジュラルミンが世の中に浸透した。
その後、世界各国で合金開発が盛んに行われたが、頭一つ飛び出したのが日本の、五十嵐が作った超々ジュラルミンだった。五十嵐は、硬度を高めるために添加された銅が応力腐食割れ(一定の力や環境が原因で破損する現象)しやすい課題がありました。亜鉛を加えることで課題を軽減し、微量のクロムを加えることでさらに強度を高めることに成功したのです。

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