【建築観察】犬矢来
街中の建築・構造物は素材、機能、地形、気候風土に合わせた物作りの集まりであり、観察するのがとても楽しい。
外壁の足元に設置された「犬矢来」。外壁の下端は地面からの湿気を吸ったり、水はねがあったりして建築の中でも傷みやすい部分である。その対処方法として耐久性のある素材を用いる方法もあるが、犬矢来の意味は「弱い部分だけ守る」という方法。外壁の中にも部位によって、影響を受ける外的要因や要求される性能に差があり、万遍なく全体のスペックを上げるとオーバースペックになる。犬矢来は弱い部分を適切にカバーしている。