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金属の硬さ

金属の表面を硬くするという発想は、メソポタミア時代のヒッタイトの刀剣や、中国戦国時代の浸炭表面硬化刀剣など、古くから存在します。武器はすぐに折れるようでは使い物になりません。表面を硬化すると、しなやかだけれど表面は硬くて、 切れ味が良い武器になります。こうした技術は、戦艦の舷側や戦車の装甲のような防御兵器にも使われています。

現代では、自動車のボディとくにドアには、 デント性が求められます。デント性とは、尖ったものがぶつかっ ても凹まない性質をいいます。自動車のドアは、走行中に飛ん できてた小石などで凹みができてしまいます。しかし、分厚い鋼板を使うと、車体重量が重くなり、燃費が悪くなります。そこで薄い鋼板でも凹まないよう、強度つまり硬さを上げる工夫がされました。しかし、かっこいい車は流線型で折れ込み などの意匠が施されますが、高強度鋼をプレス加工して作るの は至難の技です。そこで、プレス加工時は強度が小さく複雑形状に加工ができ、組み上げた後は焼き付け塗装の時の熱で硬化 する鋼材、BH鋼板が開発されました。こうして日本の自動車から、ドアの凹みが消えていきました。

『参考資料』

https://www.jfe-steel.co.jp/products/usuita/c31.html

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