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冬こそ楽しめる新札幌ダンジョン

 北海道に地縁のない人には「何のこっちゃ」という話になりますが、札幌の副都心とも呼ばれる「新札幌」は大人も迷子になる場所です。「サンピアザ」「デュオ1」「デュオ2」「カテプリ」「イオン」の各商業施設が隣接し、地上と地下の通路が迷路のように入り組んださまを「新札幌ダンジョン」と呼ぶ人も。11月末には新たな商業施設「BiVi新さっぽろ」がオープンし、さらに迷宮化が進みました。


 新札幌ではコロナ禍に着々と再開発が進められてきました。2021年には、隣接する江別市の札幌学院大学が、市青少年科学館横に新札幌キャンパスを開学。広々としたカフェテリアは一般の人にも開放されています。




 札幌学院大周辺と、JRの線路の反対側に位置する「BiVi」周辺は、2エリアを合わせて「マールク新さっぽろ」との街区名がつけられました。老朽化した市営住宅の跡地など約5・5ヘクタールを総事業費550億円をかけて開発。ホテルやマンション、医療施設などが順次造られました。


 再開発の集大成となった「BiVi」は地上4階建て。2階は渡り廊下でJR新札幌駅と、地下は地下鉄の新さっぽろ駅とそれぞれ直結しています。駅名がJRは漢字なのに対し、地下鉄はひらがな混じりというのが、そもそも分かりにくいですね。
 施設2階の屋内型公園「BiVi PARK」は、青空が映し出された吹き抜けのPARKビジョンの下、人工芝でくつろぐ学生や親子連れでにぎわっていました。外が雪景色であることを忘れる非日常空間を味わえます。


 ここから渡り廊下で歩を進めると、渡ホテルやマンション、医療施設にたどり着けます。札幌に暮らし始めて30年以上になりますが、方向感覚は完全に失われました笑。
 「BiVi」の完成で新札幌の再開発は終了とのことですが、気になる点もありました。青少年科学館や隣接するサンピアザ水族館、さらにJR新札幌駅に直結する「味の名店街」などは、昭和の面影を残したままなのです。ゆくゆくは、これらのリニューアルを含めた再開発も必要になるでしょう。



 ただ、ダンジョンの奥行きを増した新札幌は、寒い冬こそ楽しめる場所です。屋外に出ることなく1日を過ごせるスポットとしては、北海道内では札幌中心部と双璧をなす地位に上り詰めたと言えるでしょう。

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