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案外美味いのかもしれない

何処で聞いたのか思い出せないお話。

山間部に在る某神道系宗教の本部施設には大人が何人も入れる位大きな壺が祀られているという。
普段は施設の奥まったところに祭壇が組まれており、四方を締め縄で囲まれて安置されているそうだ。

この壺の用途なのだが、信徒や祭司が何かの折に祈祷をおこなう際に祓幣(はらいぬさ)で対象の場・人・物を祓い清めるのだが、単に散らすのではなく具体的にその壺へ向けて打ち飛ばすイメージを持って行うのだという。

日本各地から本部の壺に向けて祓ったモノが日々飛んでくるので、本部ではそれらを壺に溜め、定期的に祀り鎮めているらしい。

こうして何かが溜まった壺は、毎年陰暦の大晦日に数人がかりで祭壇から下ろされ、本部施設の傍に流れる川へ運ばれて、稲藁の束子でキレイに擦り清められる。
キレイにした壺は再び祭壇へ祀られ、また一年の役目を果たすのだという。

さて・・・壺に溜まっていたモノはどこへいったのだろう?

その川ではよく肥えた美味しい川魚が獲れる事でも有名であり、また川の水が流れ込む内湾では特色ある海産物が豊富に獲れるので、今も昔も水揚げ高でかなり潤っているそうだ。

それが答えにならないだろうか。

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