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真っ白

あいつが最初から私のことを好きじゃなかったのなら、なんだったんだよ私の3年間は。返してくれよ。考えてみれば、私は別に、あいつのなにかが好きだった訳じゃなかったのかもしれない。それでも好きだった。救ってくれようとするところ、意外とどうでもいいことを気にしちゃうところ、頭が良いこと、そういうの含めて全部。多分はじめから恋愛的なものではなかったとしても、私は本当にあいつのことが好きだった、と思う。いや、今でも、まだ割と。でもあいつは違った。それだけの話。冷静になればよく分かるよ、というか私が本当に人を好きになって分かるようになったよ。告白したのはあいつのクセに、ずっと友達みたいだった。でも考えてみれば、私は友達みたいな関係を望んではいた。じゃあなにが言いたいんだ?私はあいつになにを求めていたんだ?ただ好きでいてもらいたかった?好きでいてもらえなかったことが悔しいのかもしれない。どうして?私はわからない。わからない。好きじゃないなら、なんで彼女ができたって言ったとき、複雑だなんて言ったの?なんであのとき、救ってあげたいなんて言ったの?なんであのとき、なんであのとき、なんであのとき、なんで?というか私はあいつのことが恋愛的に好きだったのか?あの子を好きなのと、あいつを好きなのは、なにか違う?あいつのことを忘れかけている気がして、どんな感情をもっていたか思い出せない。じゃあ私はあの子のことも恋愛的に好きじゃないのか?こうやってひとをまた傷つける。あいつのことを考えても心臓はぎゅっとならないから、多分今の考えはただの妄想。そう、全部妄想。私が今みてるものも、もってる感情も、全て妄想。そうならいいな。そうなら、私はもう少し楽に生きられるのに。妄想や幻覚を抑える薬、全然効いてないじゃん。嘘つきだね、嘘つきだね。でも今晩はっきりさせることができて、本当によかった。私たちの関係性は、きっとこれからも変わらないよ。一生友達でいてくれますか、一生の重みを知っているのか?知らないけど一生という言葉を使った私に、一生が呪いをかけてくれればいい。私をずっと、縛り付けてくれればいい。馬鹿みたいだね。でもあいつから肯定の返事が返ってきたから本当によかった。これで一生友達でいられるね。これからも私の傍にいてほしい、いるべきだ、君は。君は私のなんだったの?私は君のなんだったのかな。知らないままでいようね。いつか、いつかそれを教えてくれる日が来るまで。私は、君のことが本当に好きだったよ。でもね、私は本当に大切な人ができたから、私はあの子を守れるような立派な人間になるよ。それを君が傍でみていてくれるのなら、ちょっとだけ救ってくれるのなら、それ以上望むことはないよ、君は本当に大切な友達だ。君を失ったら私はもうどうしようもなくなるだろうから、ここにいてくれてほんとうによかった。本当にありがとう。本当に今まで、ありがとう。これからも、どうか、ずっと傍にいてね。


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