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分からないこと

とにかく今バンドマンになりたくて仕方がなくて、ライブの熱が覚めてないだけだろと言われたらそれまでなのだけど、とにかくバンドマンになるために頑張る気力に満ち溢れている。馬鹿なこと言ってんなって思ったなら同感。いつそう思ったんですか、と聞かれれば、まあそれはMåneskinのライブの最中で、もっと言えばオープニングのDON'T WANNA SLEEPのダミアーノの第一声のときにはもう、バンドマンにならなくてはいけないと思っていたし、大雑把に言えば、今。でも昨日までそんなことを全く思わなかったかと訊ねられればそれは否で、とにかく、今この瞬間に私は――あえて「私は」と言わせてほしいのだけれど――バンドマンになりたいと思っている。
舞台の上に立つ人が羨ましくて、本当に羨ましくて、挨拶のときに突然歌い出したスニョンも、涙目になりながら悔しかった過去の話をするジフンさんも、綺麗な声で漫才をするあの子も、TIMEZONEのギターを弾いていたトーマスも、心臓に響くベースを奏でるヴィクトリアも、本当にみんなが羨ましかった。羨ましいなんていう言葉を使うべきなんじゃないんだろうことは分かっている。それでも羨ましかった。そして、いつだって離れたところから眺めているだけなのが、本当に悔しかった。別に注目を浴びたいわけじゃなくて、好きなことをちゃんとやれているのが、本当に羨ましいし、それをやろうとする勇気がない自分が、悔しい。そういうこと。そう、この間ベルーナドームでSEVENTEENを見たときも、本当は音楽をやる人になりたい、と思った。スニョンがScreen timeを歌い始めたとき、観客みんながあの人に集中していたあの瞬間、本当にスニョンの才能が羨ましかった。その位置に立てたら、どれだけ幸せだろうかと、少しだけ泣いた。
簡単じゃないことくらい、百も承知している。それでも音楽をやりたい。音楽が好きだ。聞いたことがありゃ分かるけど、ギターも歌も下手くそで、他人に見せられたもんじゃないけど、それでも真っ直ぐに音楽に向き合って、音楽と共に生きていきたい。そう思っている。好きなものが嫌いになるかもしれない、それでも音楽をやりたい。私は本気だ。どうせなにをやったところで簡単には死なないのだから、死ぬ気でやれば良い。才能がないならそれが霞むほど努力をすれば良い。私は本気だから。このまま拗らせて大人になってしまう前に、当たって砕けたい。そんな過去もあったなって笑い飛ばすことができないくらいに、本気でやってやる。だから、将来の夢はって聞かれたらこれからはバンドマンって答えるし、ギターと歌を本気で練習する。バンドマンになるには仲間を集めなきゃいけないし、仲間になってもらうには上手いやつじゃないと誰も来てくれないし。まずは、卒ライで、伶さんってやっぱギター上手いよねって言われることを目標にする。大学で本気でバンドをやって、って馬鹿らしいよね。まあどうせあれだろうけど頑張ってよねって感じ?    でも、馬鹿にしか夢は見れないって、今さっき友人が言ってた言葉を信じたい。
誰かに希望を与える歌を書きたいとか、そんな大層なことは言えないけれど、まずはただ、悔しい思いをしたくないから、自分のために頑張りたい。もう後悔したくないよ。本当に、後悔したくない。あのときから3回夏が通りすぎていって、もうそろそろ次に向けて動き出さないといけないんだって、そんな季節が来てる。冬が始まったよ、私の人生も、ちゃんと始めないと。

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