見出し画像

・・・・・・・・09

09-かしこいかかし
※あらすじメモは無料です。後ろの個人的な感想が有料になってます。
{◎オズの魔法使いの続編…あらすじメモ}
※これから読む方でネタバレしたくない方は、読まないでください…。

※『魔法がいっぱい!』『05-オズへの道』を先に読んでおくと、モー国の描写や、ちょっぴり大人になったボタン・ブライトなど更に楽しめると思います。
※『海の精霊』『空の島』の訳本は、ありません(※あらすじを知りたい方はウィキペディア英語版を翻訳して読んで見てください)ですが…知らなくても読めます。


■■■ある小さな港町に住む少女「トロット」と元漁師ビル船長。ビル船長はトロットが生まれた頃に片足をなくし、それからは漁師として海に出るのをやめて、大家さんの娘さんであるトロットをわが子同然に愛情をかけて、世界の様々な事を教えた。トロットと船長は時々、冒険に出るがその度に無事帰るので船長は「この子は精霊の守護を受けた子なのだろう」と思うのだった…ある時、穏やかな海にボードでこぎ出した2人は大うずしおに飲み込まれてしまう◆気がつくと明るくキレイな岩の洞窟に流れ着いていた。また、赤いトサカ、大きな口ばし、4枚の翼、回るプロペラの尾、細い首と細長い4本足の「オーク」という鳥に似た生き物も流れ着く。3人で岩の洞窟の出口を探してさまよい、洞窟の出口が高いところに出口を見つけるとオークが2人を体に乗せて脱出する◆そこは果物や木の実がたくさん熟した小さな島で、たったひとりの住人「ヒカン」だけがいた。しかし彼はトロットたちの粗探しばかりするので落ち着かない…オークが、うすむらさき色の木の実で小さくなり、濃いむらさき色の実で元に戻るのを見たトロットたちは、自分たちが小さくなって帽子に乗り、オークに運んでもらう事で島を脱出する◆次に着いたのは「モー国」(※ボーム氏『魔法がいっぱい』の国。国中がお菓子で出来ている)で2人はポップコーンの雪を食べていた迷子の「ボタン・ブライト」と再会する(※『空の島』で彼らは1度会っている。オズシリーズ05巻登場)ポップコーンを食べていた3羽の鳥に濃いむらさき色の実で体を大きくして、3人は更に遠くへ旅立つ。大山脈の手前に来ると、美しい街が見えるので降りるとトロットたちはオークと3羽の鳥と別れる◆この「ジンクスランド」はオズ国の一部だが、大山脈と大きな亀裂で隔てられているため、オズマ姫ではなく意地悪な「ザンコック王」に統治されていた。庭師の若者「ポム」は先代アラブル国王の王子で、父親はザンコックの悪だくみで沼の底に閉じ込められてしまった。ザンコックの姪「グロリア姫」は気立てが良く優しい姫でポムと相思相愛だが、叔父のザンコックは姫を自分の忠実な家臣「ギョロジー大臣」と政略結婚させようとしていた…◆ザンコックは義足のビル船長が子ども2人を連れて砂漠を越えたと聞いて強い魔法使いにちがいないと怯える。オズ国はクワドリング国の魔女グリンダとオズの魔法使い以外が魔法を使う事を禁止していたが、ザンコックは老婆「バッチン」が魔法を使う事を許していて彼女にビル船長を「バッタ」に変えてしまうよう命令する◆船長が行方不明になりトロットとボタン・ブライトは城を追い出されポムの小屋に身を寄せる。翌日、トロットとポムはザンコック王がグロリア姫を魔女バッチンの家に連れ込むのを目撃し、窓から様子を伺う。グロリア姫はバッチンに魔法をかけられて「誰も愛さない氷の心」にされてしまうのだった…◆一方、クワドリング国の良い魔女グリンダは、東にあるこのジンクスランドのザンコック王の振る舞いを全て「魔法の本」で見ていた。丁度クワドリング国へ訪問していた「かかし」にトロットたちの救済へ遣わす。かかしは、まずグリンダから渡された魔法の錠剤でクモを大きくして丈夫な吊り橋をかけさせ大きな亀裂を渡り、無限に伸びるロープを山頂に伸ばして大山脈を越える◆森の中で迷子になったボタン・ブライトは、トロットたちを心配して戻ってきたオークたちと再会し、空を飛んで森を抜ける。トロットとポムは、城へ帰ろうとするグロリア姫を追いかけてると、後ろから2人を捕まえようと魔女バッチンが追ってくる。ともろこし畑で隠れていると、畑にじっと立って魔女をやり過ごす「かかし」と出会う。また義足のバッタがトロットの肩にやって来て、それがビル船長だと気づいたトロットは泣くのだった◆かかしは、ザンコックを玉座から引きずり下ろすために知恵を出す。まず、ポムは庭師だったので怪しまれず王宮に入れるので、ザンコックと謁見して、かかしに降伏するよう迫る。しかしザンコックは聞き入れるどころかポムを殴って城から追い出してしまう。礼儀知らずのザンコックに、かかしは今度は容赦なしに城に単独で乗り込む。しかしザンコックに逆らえない兵士たちに捕まってしまう。ザンコックは反逆の見せしめに、かかしを火あぶりの公開処刑にするよう命令する。まさに火が薪につけられそうになった時、ボタン・ブライトとオークたちの群れが押し寄せて、かかしを炎から守り、オークは群れになって、ザンコックとギョロジー大臣に押し寄せて捕まえてしまうのだった。こうしてザンコックの統治は終わり、ジンクスランドの民たちは自由を喜び、かかしに王冠を与えるのだった◆かかしは、オークたちに魔女バッチンを探し出すようお願いする。すると間もなく森に隠れていたバッチンを見つけ出して大きな鉤爪で捕まえ、かかしが座る玉座の前に連れてこられる。ポムはグロリア姫を城に連れてきていたので、かかしは、グロリア姫の氷の心の魔法と、ビル船長の変身魔法をとくよう言いつける。しかしバッチンは「魔法でお前たちみんな、みにくい動物に変えてやる!」と脅すので、かかしは素早く小箱を取り出し粉をバッチンに振りかける。それはグリンダが護身用にかかしに持たせたものだった。バッチンは少しずつ身体が縮んでいくので、大慌てでグロリア姫とビル船長の魔法をといたのだった。かかしが、ようやく解毒薬を振りかけるがバッチンは半分しか元に戻らない。この粉には魔法を忘れる効力もあり、バッチンは2度と魔法が使えなくなる◆ポムは王子の地位を取り戻し、ザンコックはザイニーンと改名してポムが庭師を退職したので彼が庭師となった。心を取り戻したグロリア姫に、かかしは冠を渡す。トロットたちは、なぜポムではないのかたずねると、実はポムの父親アラブル王がグロリア姫の父ナサケ王から王位を奪っており、グロリア姫がジンクスランドの正統な継承者だった。しかしグロリア姫は女王になってから間もなく、ポム王子を伴侶にしたので2人でジンクスランドを治めたそうだ…◆かかしと、トロットたちは、故郷に戻る途中のオークたちの背に乗ってクワドリング国へ向かう。オークたちの故郷からクワドリングまでは歩いて旅をする。途中、トロットたちは宿や食べ物がなくて困ったり、かかしがルビーの滝にあやまって落ちたりしたが、その度に「魔法の絵画」を見ていたオズの魔法使いが、無人だが居心地の良い宿、美味しいごちそう、刈りたての柔らかい新しいわらの束を用意して、遠方から魔法で彼らを助けるのだった。クワドリング国には、ひと足早く「魔法の絵画」で彼らを見守っていたドロシーとベッツィが来ていて彼らを迎えに来てくれる◆こうしてトロットたちはエメラルドの都に無事にたどり着き、オズマ姫から新たな住人として迎え入れられたのだった。しかしボタン・ブライトだけは、いつも同じところに留まらず、度々どこかにふらりと出かけては迷子になるのだった…(おわり)


■■■{◎トロットと片足ビル船長は、元は「06話-エメラルドの都」でオズシリーズを一度完結させた後、作者ボーム氏が新しい構想で描いた『海の精霊』、『空の島』(未訳)の主人公でした(ボタン・ブライトは05巻からの再登場。「空の島」にも登場していたそうです)…

ここから先は

666字

¥ 100

期間限定 PayPay支払いすると抽選でお得に!

{◎すてきな じょうほう ありがとうございます。Thank you.Your support will be used for research.}