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【ゲートボール】神化編黒キリコミラー

神化編のトップメタの黒入り【エンペラー・キリコ】。筆者にとっては初めて権利戦で優勝させてくれた思い出深いデッキ。

このデッキの生い立ち

《エンペラー・キリコ》の登場は神化編1弾であり、デッキとして成立したのもそこになる。
登場当初はやはりそのコスト8・進化クリーチャーという重さがネックとなり、「派手で面白いデッキ」止まりで、構築も洗練されてはいなかった。

しかしその年の秋、《星域》登場と主流デッキの殿堂入りに伴う弱体化で【エンペラー・キリコ】は一躍トップメタに躍り出る。

そこで最初に人気を集めたのは黒抜きのドラゴン主体の【キリコ】、通称【ドラキリ】。
《エンペラー・キリコ》から《ロマネスク》や大型ドラゴンを踏み倒し、《バジュラズテラ》《ヴァルキリアス》に繋げてフィニッシュというド派手なデッキだ。
《ロマネスク》は《母なる》呪文と相性が良く、《アマテラス》が《母なる》を非常に上手く扱えるカードであるためカード間がよく噛み合っている。その後に登場した《クロス・NEX》との相性の良さもあり、最強デッキと謳われた。

だが、すぐに研究がはじまりメタゲームの情勢も変わってくる。
デッキが強いということはそれだけ対策されやすいということでもある。【キリコ】はサーチ・リクルート・呪文詠唱・クリーチャー踏み倒しとあらゆるメタがまんべんなく刺さるコンボデッキ故に、《マグナム》や《メスタポ》を採用し【キリコ】にメタを貼ったコントロールデッキが増え始めたのはかなり苦しい変化だった。
それから、ミラーではとにかく《キリコ》を先に立てることが至上命題であり、それをいかに安定して素早く行うかが重要であるということが改めてわかった。ハンデスはトップの強い【キリコ】には時間稼ぎにしかならないが、速度比べになりやすいミラーならばそれでも十分な妨害になる。
こうした中、【ドラキリ】は《キリコ》着地後の詰めこそ強力ではあるものの、中盤までに盤面や相手の手札に干渉する手段に乏しいために脆さが目立ち、徐々に数を減らしていった。

代わりにトップメタに浮上したのが、今回紹介する赤抜きのグッドスタッフ気味に組まれた【黒キリコ】である。
《ハンゾウ》《ローズ》でメタクリ・ビート耐性を付け《トリプルマウス》《キング》とミラーに強い組み合わせを搭載している、環境に適応した型だ。
その分《キリコ》を出した後の爆発力は【ドラキリ】に劣るが、どのみちゲームの早い段階ならばクリーチャーを3体踏み倒した時点でほぼ勝ち(超次元前のカードプールなので)。
当時のDRやEMエリア大会で圧倒的な使用率を誇り強烈なガンメタを受けたが、それでも入賞数はダントツだった。

vault大会でも幾度となく入賞を果たし、ピーク時には【黒キリコ】が6日連続優勝。さしずめキリコの黒い冬といった様相。

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※白青黒のナイトは【ハイドロ】、緑と青のアース・ドラゴンは【扉キリコ】。

デッキレシピ例

EM地区大会=34弾時点。35弾では【キリコ】に入りうるのは《クレスト・EVOチャージャー》くらいしかないのでどちらでも良い。

関東OP B3位型

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ハッシュ:【f924fe0d895cc5aa6a8a008812bc165c】

HIRO氏が使用し関東OPのBブロック3位に入賞したもの。
当時のテンプレとほぼ同一だが、2コスブーストを6にした代わりに《宝箱》2というのが結構珍しい。

九州OP 1位型

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ハッシュ:【03d898ef3580429c966bf0da483033d3】

キム・ヨナ氏が使用し九州大会を制したもの。キングセットを抜いてミラーよりビートを厚く見た構築。随所に尖った部分が見られ、当時は斬新なレシピという印象を受けた。

採用カード:確定枠

《エンペラー・キリコ》

言わずとしれたフィニッシャー。場に出すと自身の他のクリーチャーをすべて山に返し、3体が出てくるまで山を捲って踏み倒す。巨大でド派手なSRということで、結構複雑な効果をしてるわりに大人から子供まで多くの人気を集めた。
進化元がサイバーorオリジンという点が素晴らしく、既存のサイバーロードに加えて実質1コストで汎用性の高い《ソルハバキ》や呪文回収の《ファル・レーゼ》、そして《星域》をリクルートできる《アマテラス》といった優秀なオリジンを種に出来る。
この時期の【黒キリコ】ではワンショットに拘るのではなく莫大なアドバンテージを稼ぎ出すフィニッシャーという立ち位置。
手出しすることは多くなく、手札に来たらマナ置きして構わないが、メタコンに《メスタポ》や《クイーン》を立てられていると手札から出したいので2枚目以降はそちらを意識してキープするプレイングもある。大抵はハンデスで落とされるので無駄だが。
たくさん見えていると嬉しいが単体で仕事をしないのとスペースの都合でほとんどの人は3。

《蒼狼の始祖アマテラス》

デッキの根幹を担う、メインエンジンであり主力コンボパーツであり進化元でもあるカード。派手なイラストのプロモもHなカードのH.C.も胸のでかいスーパーデッキ版もそれぞれ根強い人気がある。
【アマテラスコン】とも言えるデッキ構成となっており、リクルートするのは《サイバー・ブレイン》などのドロソ、《魂と記憶の盾》による除去、ランデスの《マナ・クライシス》、ハンデスの《バレット・バイス》、《宝箱》によるサーチ、速攻メタの《エンフォーサー》、そしてもちろん、場に生物が一体でもいれば《星域》からの《キリコ》。当然《キリコ》からこちらが捲れても強力。
このカードの存在により【キリコ】は当時としては異様なトップデックの強さを誇った。
《メスタポ》で止まるが、それでも場に出せば進化元になるためプレッシャーを与えられる。
難点として、このカードを軸にする以上デッキ全体の構造が《キング》に非常に弱くなる、という点が挙げられる。現代プレイヤーには軽量呪文中心のデッキなのに《キング》すら退かせないのか、と思われるかもしれないが、戦国編~神化編あたりは《リーフストーム》も《吸い込む》も《母なる大地》(《アマテ》登場直後にプレ殿)も《父なる大地》もない軽量除去の質がデュエマ史上稀に見るほど劣悪なカードプールであるため仕方ない(だからこそ《アマテ》をリリースしたのだと思われるが)。

《フェアリー・ライフ》
《鼓動する石版》
《時空の庭園》

初動ブースト。多くの場合は合計6〜8枚程度採用される。
《ライフ》4は確定で、2コストブーストかさ増しのために《石版》《庭園》が積まれる。
《庭園》と散らすか《石版》に絞るかは人によって異なり、《時空の庭園》は一応《キリコ》の下にクリーチャーを送ってバウンス耐性を付けたり自分の《エナスパ》で戻したり出来るが、実質おまけ。《石版》のパンプもクリーチャー比率的にほぼおまけなので、《墳墓》対策をどれだけ重く見るか次第。

《黙示賢者ソルハバキ》

進化元。
実質1マナで出せる上、《セイレーン・コンチェルト》を内蔵しており幅広いデッキで採用された。【キリコ】系でもマナを擬似的に手札としても扱えるようになり、《アマテラス》と共にトップの強さを支える。多くの場合2枚。
《オチャッピィ》+《ソルハバキ》で実質的な墓地回収をしつつ場に《星域》の種を並べられ、7マナで《ソルハバキ》→《アマテラス》→《星域》《キリコ》はE1も使われる定番の流れ。
9マナから回収→《キリコ》として《メスタポ》や呪文メタを無理やり残り越えるプレイも可能。
ミラーでは手札を枯らせておくか《ローズ》を貼って即死を防げるようにしたい。

《黙示聖者ファル・レーゼ》

進化元。
2t目2コストブースト→3t目《ファル・レーゼ》→4t目2コストブースト→5t《アマテラス》《星域》《キリコ》と綺麗に繋がる。
《デ・バウラ》《サルヴァティ》に種族以外勝る点がなさそうだが、盾を殴れるパワー2000であるため《ローズ》を解除しにいけるのが地味に嬉しい。
【ドラキリ】に比べてコンボ色が薄めのデッキであり、《キリコ》までをスムーズに繋げやすいが《キリコ》から複数捲れてもあまり嬉しくないカードなので1枚。

《サイバー・ブレイン》

6マナ時《アマテラス》から唱える最有力候補。当時殿堂。
このカードがあるために序盤から手札を枯らせながらブーストするゲームプランが成り立っていた。
場に《キリコ》の種を残しつつ3枚ドローというのは当時としては破格の動きで、盾落ち以外なら大体嬉しいカード。

《母なる紋章》
《母なる星域》

所謂《母なる》系呪文。《アマテラス》から唱えることが多いが、勿論手打ち出来ればなお強い。
《紋章》は進化・非進化共に踏み倒せるため用途が幅広く、単に場のクリーチャーを使いまわしたり《ソルハバキ》などをフィニッシャーに変換したりも出来るが、《アマテラス》を出し直せば《アマテラス》→《星域》と打つことが可能で、色が合うなら進化クリーチャーも出せる。《キリコ》から捲れた《アマテラス》で場の《キリコ》を出し直すこともでき、《サイブレ》同様盾落ち以外なら嬉しい。
《母なる星域》は種の色を問わない代わりに進化クリーチャー専用。《紋章》のように場の《キリコ》を出し直すことは出来ないものの、マナにもう1枚《キリコ》があればそちらを重ねて出せる。《アマテラス》から撃ちたいので出来るだけ山に残っていてほしいが、手札に複数来ても仕方ないこととスペースの問題で2枚に削られやすい。
ちなみに、《星域》プロモは33弾マークが付いているが発売されたのは《キリコ》殿堂入り後であるためバージョンを合わせる人は注意が必要。

《不滅の精霊パーフェクト・ギャラクシー》
《光神龍スペル・デル・フィン》

《キリコ》で踏み倒すフィニッシャー枠。
《ギャラクシー》は場持ちの良い高パワーというだけでも十分強力だが、《キリコ》を出し入れしても山に帰らないので頭数が増えるのが優秀。当時殿堂した後なので1枚しか入れられない。
《デル・フィン》はフィニッシュを安全に行うという一点で頭一つ抜けており、《アマテラス》と同時に捲れたらそのまま《ソード》GOでお手軽フィニッシュ出来る。
これも出来れば山に残っていてほしいが、手札に複数来ても嫌なのと枠がないため1枚にする人が多かった。

《魂と記憶の盾》

軽量除去。最近殿堂解除されたが当時は殿堂。
《アマテラス》から打てる、色が強い、そして何より《メスタポ》への明確な回答になる。
《メスタポ》が場にいたら《アマテラス》から打てないので、大抵これ以外の対策も積まれる。
自分のシノビを埋めることもある。

採用カード:採用率が高いもの

《神秘の宝箱》

マナサーチ呪文。まず《キリコ》、そちらがあれば《キング》をサーチすることが多い。
《キリコ》《アマテラス》が複数積めるので基本1枚だが、【黒キリコ】はこれから《トリプルマウス》に繋げると次ターン《アマテ》or《星域》で《キリコ》か《キング》の好きな方を出すことが出来、そうでなくとも色事故が減らせて便利なので増量しても良い。
ただしこれが初動だと当然一歩出遅れるため、後手番を重視するなら2コストブーストの枚数を確保したい。

《マナ・クライシス》

ランデス呪文。ブーストから手打ちしても《アマテラス》から打っても強い。
マナからキーパーツを落としつつテンポを遅らせることが出来るため、ミラーでは非常に強力で【M・ロマノフ】対策にもなる。締めで打ってもNSラインを崩せたり返しの行動を制約できたりと強力。
ミラーが強く意識され始めたあたりから積まれ始めた記憶がある。速攻に対してはあまり役に立たないが、それでもトリガーがついてる分いくらかマシ。
同系では後手番だとこれが無いと先後の有利差をひっくり返しにくい(先手番でも打てるが、最速《アマテラス》から打つとリソースが少なくハンデスや《ローズ》で動きが鈍りやすい)。
大抵1枚だが雑に強いので増やしてもいい。
今500円くらいするけど当時もそのくらいだったような気がする。いい加減再録しろって10年以上前から言い続けてる(オタク特有の誇張表現ではない)。

《ローズ・キャッスル》

相手を-1000する城。
たった3コストでありながら刺さる範囲が非常に広く、この時代の黒入りデッキでは積み得状態みたいになっていた。【速攻】系や【メタネクラ】のウィニーを消したり、ミラーの種を潰したり、【ランデス】系の《トリッパー》や【ライゾウ】の《コッコ・ルピア》を焼いたり。
そして何より破壊が効かない《メスタポ》を消し続けられる点が非常に優れている。2000以上でワンパンされたら解除されてしまうが、それでも1ターン+盾1枚は貰えるし、2000以上が立っていなければ更に猶予がある。
できれば3枚欲しいところだが、枠の関係で減らされていることが多い。

《爆進エナジー・スパイラル》

ドローとバウンスを選べる汎用性の高い呪文。
ちょっと重い《ライト》or《スパゲ》としても使ってもいいが、爆進ダブルにより場に進化がいれば両方を選べるため、《キリコ》から《アマテラス》が捲れてこれを唱えるとバウンス+2ドロー出来てなかなか高性能。状況によっては自分の《ハンゾウ》を戻して防御を固めるようなプレイングもある。そして、《キング》を退かせる数少ない手段。やはり、ドロースペルが盤面に触る機能を備えているのはいつの時代も強力。
まあ《吸い込む》が登場したら要らない子になるんですけどね。

《ノーブル・エンフォーサー》

伝家の宝刀、定番の【速攻】・【ビートダウン】対策。実際にはこれだけでは対策にならないことが多いが。
《アマテラス》から打てるという一点だけで採用価値が高い。立てれば【黒緑速攻】は一気に減速するが、【青単速攻】はほとんど影響がない局面もそこそこ。《エンフォ》+《ローズ》で【Mロマ】は打つ手がほとんどなくなる。
リクルートしようと思ってクロスギア宣言したら盾に埋まってて苦笑というのもよくある話。

《バレット・バイス》

ハンデス呪文。ナイトマジックにより《アマテ》から打てば2ハンデス。2対1交換しながら場に《キリコ》の種が残るインチキムーブになる。
6マナ前後なら(ミラーでなくとも)手札が2枚以下というケースはザラであるため、しばしば全ハンデスに化ける。
《アマテラス》で打ちたいので山に残っていてほしいが、手札に来てもあまり嬉しくないのとスペースの関係で1枚に削られる場合が多い。
その強力さから【ドラキリ】でもタッチで積まれていたりする。

《ダイヤモンド・ソード》

味方の召喚酔いを解きつつ、攻撃ロックをすり抜けるカード。文明的にSAが入らないうえ、ウィニーでフィニッシュすることがしばしばで自身の《エンフォーサー》が邪魔になることがある【黒キリコ】では頻繁に採用される。
初手に来てもマナ置きしておいて後で《キリコ》から捲れた《ハバキ》から回収→即打ちという選択肢も取れたり。
【黒緑速攻】なんかが相手のときには処理が間に合わないことも多々あるので、1枚入れておくと即6点揃いイージーウィン出来るようになる。
ほぼフィニッシュでしか使わないが、《アマテ》が《ローズ》を強引に割に行ける択になるほか、【ドレーンM】の《ガブリエラ》は取り巻きがいれば貫通できるのを覚えておくとプレイングの幅が広がる。

《ブレイン・チャージャー》
《エナジー・ライト》

潤滑油。
《ブレチャ》は2→4→6を重視する【ドラキリ】では定番だったが、6コストのパワカが《アマテラス》のみの【黒キリコ】では安定を取って小回りの効く《エナジー・ライト》が優先されることも多い。

《腐敗無頼トリプルマウス》

ハンデス兼《キング》の進化元。
ミラーマッチではテンポアドを取りつつハンデスで妨害出来るため非常に有効。
《アマテ》《キリコ》にも綺麗に繋がり、《キリコ》から捲れてもそこそこ強いので《キング》不採用型でも採用されやすかった。緑・黒と色基盤としても優秀。
進化を考えると3枚くらい欲しくなるが、《キング》は出ればラッキーくらいの感覚なので2枚に抑えられやすい。2枚でも普通に出せるし。あとはやっぱり枠がない。
なお、当時の裁定では《デル・フィン》が場にいるときにこれを出すと相手の手札を見ながら捨てる札を選べた。

《聖鎧亜キング・アルカディアス》

《デル・フィン》と揃えればロック完成!だが、実際はそんなにうまく行かないのでどちらかが立てられれば御の字。
それよりも《宝箱》でサーチすると不足しやすい白・黒マナが一発で補えるのと、《キング》に致命的に弱い【キリコ】に対して先出しして勝勢に持っていけることの方が重要。
上でも書いたがこの時代の軽量呪文で《キング》を除去できるものはバウンス以外にほぼないし、多色クリーチャーも盤面に触れられるものは少ない。
【キリコ】というデッキがあまりに《キング》に弱いので《氷結ハンマー》や《リアルとデスの大逆転》を入れようとするプレイヤーもいたとか。後者は《クイーン》も除去できるしそんなに悪くないような気も。
結局、メタカードは一定枚数積まないと実戦で機能しにくい上、早い段階でこれを立ててくるのは他ならぬ【キリコ】であり、そうしたデッキには《キング》だけ除去出来る札に枠を割いても効果が薄いので、カード単体の対策は割り切って同系デッキメタへ的を絞られやすかった。

《威牙の幻ハンゾウ》

戦国編~神化編最強の汎用シノビ。防御札でありながら《キリコ》から捲れても強く、増え始めた《マグナム》への回答になる。上手いこといけば《デル・フィン》も焼けたりする。
除去耐性を持つためフィニッシャーにもなり、同系で場の種を焼きながら一方的に種を残せるのも強い。とりあえず立てておいてトップ《アマテラス》待ちの戦術も取れる。
キルターンがやや遅く手札を引かせてくれる【青単】対策には比較的有効だが、【黒緑】にはまず間に合わない。
3枚欲しくなるが枠の関係で…

《天真妖精オチャッピィ》

墓地からマナに回収する。
ハンデスやランデス・場からの破壊で墓地に落ちた進化クリを拾う役割を持つ。ハンデスと破壊はあまり意識しないので《マナクラ》《メタル》あたりのランデス対策が一番か。
この枠は《キリコ》から捲れず《アマテ》から打てる《リバチャ》を選択する人もいたが、緑マナになること、ささやかな速攻対策になることからこちらを使う人のほうが多かった。

採用カード:人によって採用可否が分かれるもの

《パクリオ》

ピーピングハンデス。
【4Cキング】よろしくトリガーを埋めてもロックしてから殴れば盾から捲れようが同じ。2コスブーストから繋げるカードとしては最高で進化元にもなるが、《キリコ》で捲れたときはフィニッシュ間近なのでその段階で盾に埋めるのはあまり強くない。
その点からあえて《解体人形ジェニー》を採用する人もいた。

《斬隠オロチ》

《転プロ》もどき内蔵で進化元になるシノビ。
味方に打つ場合は《ギャラクシー》を対象にしてクリーチャーを増やしたりハズレクリを別のクリーチャーに変えたり。
相手に打つ場合は防御札としてだけでなく、厄介なメタクリ、特に《ハンゾウ》で処理が難しい《メスタポ》《クイーン》を一発で除去出来る。大抵、別のメタクリが出てきたりハンデスクリが出てきて《アマテラス》が抜かれたりするが。

《ディメンジョン・ゲート》
《クリスタル・メモリー》

サーチカード。
コンボパーツをサーチしたり、《キリコ》展開中に《アマテラス》から《ファル・レーゼ》サーチして《紋章》拾って《デル・フィン》や《ギャラクシー》踏み倒したり。
シノビを積むので防御札としても機能する。
【速攻】にトリガーしたときには《ローズ》《エンフォーサー》をサーチしたくなるし、《クリメモ》→《星域》としたい場面もあるので《クリメモ》の方が強そうだが、手打ちの際に軽くて《パクリオ》に繋げやすく緑マナになる《ディメゲ》が強い場面もあり一長一短。

《天使と悪魔の墳墓》

同名破壊・ランデス。
環境的に通りが良く、ミラーでも割と刺さる場面はある。
自分の首を締めることになりかねないということでもあるが、そういう状況なら打たなければいいだけ。

《英知と追撃の宝剣》

殿堂入りカード。
《アマテラス》から唱えられない点や軽量のメタクリには通りが悪い点から採用されにくいが、序盤からマナを伸ばすデッキであり、単純にカードパワーが高くテンポアドを取るという点でも夫妻ロックを解除出来る点でも優秀。

《薔薇の使者》

《キリコ》の進化元になる、マナを8まで伸ばせる、《星域》の種にすると踏み倒し先を固定できるなど相性抜群で色が緑単色なのも嬉しい。が、6マナ払って相手に干渉できないカードを投入するスペースが見つけられない。


全体的に《アマテラス》から打つ呪文の選択肢を増やす目的で1枚挿しが多くなる傾向にある。《キリコ》の性質的にも枚数配分を1枚変えるだけでデッキの動きがまるで違ってきたりするので、色々試してみると面白い。
あとは、《アマテラス》や《キリコ》とのシナジーがないカードは採用されにくいため、あえてぶち込むと刺さりやすかったりする。《デーモン・ハンド》や《サーファー》など。

ちなみにE1で大流行した《スロチェ》は当時は未発掘だったため、使っている人は自分の知る限り一人もいなかった。まだワンショットキルに特化した構築ではなかったこともあるが。

基本的な回し方

マナブーストからスタートし、ドローと妨害を絡めつつ《アマテラス》に繋ぐ。《アマテラス》から打つのは、進化クリーチャーが出せる状況なら《星域》。他に1体でもクリーチャーがいて7マナが溜まっていれば《アマテラス》→《星域》(or《紋章》)→《キリコ》まで繋がる。ミラーの場合、《トリプルマウス》が既に場におりマナに《キング》が見えているならそちらを優先した方が良いケースが多い。
そうでないときは、自分のリソース量と相談しながらドローソース・妨害札などから状況に応じたものをリクルートする。

E1の【NXキリコ】は《N》と《エクス》の圧倒的なリソース拡充能力、《永遠リュウ》の制圧能力により無理をしてでも早出しした方が強かったが、この時期の【キリコ】は必ずしもそうとは限らないため、《キリコ》を出すまでのゲームメイクが重要。

《キリコ》からのソリティア
一見複雑そうだがある程度パターンが固定化されており、昨今のループデッキより遥かに簡単である。
しかし【ドラキリ】に比べて踏み倒すクリーチャーの質で劣るため、極力アドバンテージの最大化に努め勝利を確実なものにしたい。
基本的には
・《スペル・デル・フィン》
・《パーフェクト・ギャラクシー》
・《キング・アルカディアス》
の3枚のどれか、あるいは複数を並べることを目標としながらも、各クリーチャーのcipでアドバンテージを稼いでいく。
また、《ローズ》が貼られていなければ《ソード》で最低でも即時6点は揃うため、それを念頭に置きプレイする。

一度目の《キリコ》で《デル・フィン》が見えなかった場合、《キング》が出せる状況ならそちらを、そうでなければ《紋章》or《星域》で《キリコ》を出し直す形を目指す。
1回ターンを返して《キリコ》が除去されたとしても、リソースさえ確保できていれば翌ターン以降も再度《キリコ》のソリティアを開始出来るため、いかに《キリコ》を出せる状況にするかが肝心。

ミラーでは6マナまではお互いアドバンテージを取り合う昔ながらの楽しいデュエマだが、もう1マナ伸びるとトップ《アマテラス》でドボンの恐怖のゲームが始まる。
とはいえ、《キリコ》がマナに見えており手札か盤面にカードがあるような状況でなければトップ《アマテラス》だろうが即死はないので、《キリコ》が出せない時も諦めずコントロールしていきたい。
安易にパワー1000を立てない、《アマテ》で打つカードや《宝箱》で置くカードを決めるときは山の残り枚数(特にフィニッシャー、《ファル・レーゼ》、《紋章》)を見ながら判断する、《バレット・バイス》は手打ちも視野、などプレイングの細かい要素はあるが、このあたりは自分で回して理解していくほうが良いだろう。

構築の上ではミラーで腐りやすい、あるいはミラー以外で全く使えないカードを積まれにくいのが美しい(せいぜい《エンフォーサー》くらい)。【黒キリコ】自体、【キリコ】ミラーが意識されて流行したものだから当然な気もするが。
突き詰めて考えると最終的には坊主めくりに行き着くが、それは他のミラーも大して変わらないのでご愛嬌ということで。

この手のゲートボールデッキは殿堂レギュレーションで使えなかったり売れなかったりで組むのに抵抗が生まれやすい。しかし、万が一《アマテラス》《キリコ》《キング》が殿堂降格(解除)されたら暴騰すると思われるので遊び感覚で1つくらい作ってみてもいいと思うよ、うん。

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