殿堂ゼロ 零龍ギャスカ
※この記事は「《零龍》の4枚採用可能」「同じ儀4回では卍誕できない」「卍誕回数は合計4回まで」という裁定が下りる前提で考察されています。
概要
《零龍》の情報解禁と共に彗星のごとく現れ、現実的な確率で最速2t目に卍誕して2キルできるということで話題を集めたコンボデッキ。《怨念怪人ギャスカ》で手札を全て捨ててターン終了時に《手札の儀》リンク、次ターンで自クリを破壊しつつ《ドレッド・ブラッド》等を2体蘇生して《復活の儀》《墓地の儀》《破壊の儀》を達成し卍誕、が理想的な動きになる。
卍誕抜きにしても既存の速攻デッキに比べて2キル・3キルの要求値が格段に低い。
速さと継戦能力を兼ね備えたデッキとして環境入りし、それと同時にまた幾多のデッキが人権を失った。
早速デッキレシピの解説に移る前に、それぞれの儀の効果を掲載しておく。
未発売ということもあり勘違いして覚えているプレイヤーも多く見られるが、使いこなす・対策を立てる上で非常に重要になってくるため一通り再確認しておくべきだろう。
リンクが任意というのが味噌で、《零無》を一体でも残していれば《零龍》+《零無》で完全耐性を実現する。また、例えば《墓地の儀》以外をリンクした《零無》がいる状態で《ボーン・スライム》等による自爆特攻やチャンプブロックを行うと、(墓地のカードが8枚以上であれば)即座に卍誕して場を全壊させられる。
ほとんどの状況で4体卍誕はオーバーキル。何体卍誕させるか・どの儀を残すかによってトリガー等で凌がれた際のケアが可能になる。
デッキレシピ
メインデッキ
1 x 禁断~封印されしX~/伝説の禁断 ドキンダムX
4 x 怨念怪人ギャスカ
4 x 堕魔 ザンバリー
3 x 暴虐虫タイラント・ワーム
4 x 虚像の大富豪 ラピス・ラズリ
4 x ステニャンコ
3 x 凶鬼12号 ジャーゴン/邪魂創世
4 x 暗黒鎧 ダースシスK
4 x ビックリーノ
4 x 卍∞ ジ・エンデザーク ∞卍
4 x 偽りの名 ドレッド・ブラッド
1 x 蛇修羅コブラ
GRゾーン
2 x ダラク 丙‐二式
2 x オーマ 丙-二式
2 x トムライ 丙-三式
2 x ポクタマたま
2 x ドドド・ドーピードープ
2 x 鋼ド級 ダテンクウェールB
零龍
4 x 滅亡の起源 零無
4 x 手札の儀
4 x 墓地の儀
4 x 復活の儀
4 x 破壊の儀
個別解説
4 x 怨念怪人ギャスカ
4 x 虚像の大富豪 ラピス・ラズリ
手札の儀を発動させつつ墓地を肥やすためのハンドレス化カード。これで満足するしかねえ。
1t《ギャスカ》のみでも、《手札の儀》×4でWブレイカーが一体引ければ次ターンのジャスキルに打点が届く。よって、このどちらかを引けていれば最低限の出力は保証される。
ミラーで出すと相手も《手札の儀》条件を満たすが、リンクのタイミングは自身のターンに限られるため後攻1キルの心配はない。
一応《ラピス・ラズリ》はコマンド持ちなので《零龍》に付いた封印を剥がせる。
4 x ステニャンコ
4 x 卍∞ ジ・エンデザーク ∞卍
4 x 偽りの名 ドレッド・ブラッド
《復活の儀》と《破壊の儀》を達成するためのカード。いずれも儀のリンク条件を達成するためだけのパーツであり戦闘能力は飾りに等しい。
《破壊の儀》の条件は同一ターンの3体破壊。最速卍誕を狙う場合は手札を枯らしながら《ジ・エンデザーク》《ドレッド・ブラッド》のいずれかを含めた2枚を墓地に落とす必要があり、要求値は高め。
4 x 滅亡の起源 零無
メインコンセプト。卍誕時に相手の場が全壊する上にワールドブレイカー持ちなので、大抵は1〜2体の卍誕で十分。
開始時の追加ドロー効果×4は多くの対面に対して先行2キル3キルの理想ムーブを頻発させるリスクを孕む。よく分からんデッキの《クロック》を踏んで返しに殺されたり盾からループされて負けたりする。
4 x 手札の儀
手札0で自ターン終了時にGR召喚。
最速卍誕の要であるのと同時に、卍誕出来ない時のワンショットプランを成立させている。
これを起点にゲームプランを組み立てるという特性上、《破壊の儀》の達成用に《学校男》のような手札から出す必要のあるカードを採用し辛い。
4 x 復活の儀
リンク1回につき2枚墓地を肥やす。
《墓地の儀》の条件を満たすだけでなく、手軽に莫大な墓地アドバンテージを稼ぎ出し《破壊の儀》の達成にも貢献する。
発動したターンは新たに落ちた《ドレッド・ブラッド》等を蘇生出来ない。
《墓地の儀》が8枚要求なので4回リンクが必須のように思えるが、実際は他のカードでも墓地を肥えることから大抵は1回分くらいは残していても到達する。
4 x 墓地の儀
自分の墓地が8枚以上で達成。ミラー以外はほぼ《復活の儀》前提。
墓地ソースのカード郡と違い、オーラと組み合わせることを想定したデザインであり墓地のカードはクリーチャーでなくとも良い。
リンクごとにパワー-3000が放つことができ、卍誕できない場合でもシステムクリーチャーを立ててループするデッキやウィニーを並べるデッキに対して強く立ち回れる。
4回リンクが必要になるケースが少なく、墓地肥やしメタを使われなければ追いリンクも容易なため、1枚残ししやすい。
4 x 破壊の儀
零龍星雲の中で最難関。
リンクと同時に闇のカードをサルベージ出来るものの、大抵はこれが一番最後に残るのでトリガーケアくらいしか釣り上げるものがない(《ザンバリー》→《ビックリーノ》等で1t目に《復活の儀》を発動できていた場合《ギャスカ》を拾う等はある)。
【転生サイクリカ】ループに反応しそうだが、「破壊された」効果は置換効果で墓地に置かれなかった場合トリガーしないため、最初のGR破壊しかカウントされない。
4枚リンクが必要になる場面が少ない反面、ターンを跨ぐと追いリンクが面倒になることがある。
1 x 禁断~封印されしX~/伝説の禁断 ドキンダムX
お馴染みのダーツデリート対策。《ギャスカ》を引く確率を少し上げる。
2枚にするとミラーでは初期山札が12枚になり、《復活の儀》を一度使うと-8で4枚、LO間際。【ダーツ】の禁断開放などにも弱くなるので1枚で十分。
4 x 堕魔 ザンバリー
4 x 暗黒鎧 ダースシスK
ハンドレスカード二種のどちらも引けなかった際に早期に手札を枯らす為のカード。先手かつ相手が《零龍》非採用ならば《ザンバリー》+《ダースシスK》で1t《手札の儀》が可能。
《ザンバリー》単体で引いたときは手札や状況と相談してディスカードを選択することになる。初手で嵩張った《ジ・エンデザーク》《ドレッド・ブラッド》ではなく《ステニャンコ》を先に落として《復活の儀》から達成する選択肢は意識しておきたい。
ミラーマッチだとこれらを駆使して手札を0にするのは難しいものの、9ドローで《ギャスカ》《ラピス・ラズリ》を引ける確率も高い。
3 x 凶鬼12号 ジャーゴン/邪魂創世
主に【転生サイクリカ】を意識したトリガーケア。
初期にS・トリガーケアとして考案された《破壊の儀》→《モールス》→《ラフルル》→GRチェンジというギミックは、「《手札の儀》で青か白のGRクリーチャーの召喚しつつ墓地に特定の2種類を落とす」という条件が非常に厳しいもので、フィニッシュ専用にも関わらずデッキ構築・プレイングに多大な影響を与えてしまう難点があり採用を見送っていた。
新たに発見された《凶鬼12号 ジャーゴン》は、一見何のことやら分からないだろうが、ターンはじめの《破壊の儀》のリンク効果で釣り上げたこれを召喚して、《破壊の儀》以外リンク状態の《零無》を残しておけば、トリガーを踏んでも攻撃後に卍誕で追撃が可能になる。手札と《復活の儀》×4の計13枚以上のどれかで1枚アクセス出来れば良く、元々卍誕ターンは新たに使いたいカードが無いこともあり、色々な面で負担が軽い。
同文明・同コストで同じ効果の《凶鬼65号 カベドン》と比べると、墳墓避けの必要性が薄く《ダーツ》《バイス・ホール》で墓地に落ちるこちらを優先。
3 x 暴虐虫タイラント・ワーム
5枚目以降の《ザンバリー》。《ダースシスK》《ザンバリー》と合わせて投げ続けることで手札を枯らす。
《ねじれる者ボーン・スライム》《オンリー・ウォーカー》といった他の1コストクリーチャー、無月の大罪で1コストになるカードでも良いが、早期《破壊の儀》リンクに最も貢献しやすいという点で一番マシなこちらを選択した。
1 x 蛇修羅コブラ
お試し枠。5枚目の《ステニャンコ》。素直な性能のそちらと異なり、《ジ・エンデザーク》《ドレッド・ブラッド》を釣り上げ《復活の儀》を先に解決して墓地リソースを稼がないと蘇生出来ない。
ハンドが嵩張っているときの手出しや1t《ザンバリー》で墓地に落とし2t目に《復活の儀》発動といった小回りが効かず、《破壊の儀》のサルベージを考慮すると《墓地の儀》残しのプレイングが難しい。
など、全体的に見劣りする。
選ばせ除去が付いているがこれを出せるときには《墓地の儀》のリンク条件も満たしているということなので空気。
テキストは強そうなのに驚くほど弱いカード。
4 x ビックリーノ
《復活の儀》達成要員。先行で圧倒的なバリューを叩き出す。
《暗黒鎧 ザロスト》等と比べると、《ビックリーノ》は1t目にリアニメイト出来る数少ないカードであり、1t《ギャスカ》で墓地に落としておけば《復活の儀》による墓地肥やしから2t卍誕に繋げやすい。
また、S・トリガーに反応する自壊効果を持ち、《ジャーゴン》のようなトリガーケアの役割を持てなくもない。
2 x ダラク 丙‐二式
cipで任意墓地肥やし。シンプルに強い。
2 x ドドド・ドーピードープ
2 x 鋼ド級 ダテンクウェールB
無条件Wブレイカー。《手札の儀》×4で86%の確率で捲れる。特に言う事はない。
2 x オーマ 丙-二式
場を離れると墓地回収。
これを《ドレッド・ブラッド》等で破壊して《復活の儀》で墓地を肥やしてから《ダースシスK》や《ジャーゴン》を釣り上げると《破壊の儀》の条件を満たすエモい動きが可能。
2 x ポクタマたま
ミラーの後手番を取るためのカード。
【ギャスカ】ミラーはお互い手札9でスタートする関係上、先行《ギャスカ》から2t卍誕という、本来は2割程度の再現率しか持たないぶん回りが多発する。
後攻《手札の儀》で《ポクタマたま》を捲って墓地をリセットすることで相手の卍誕を止めることができる。《手札の儀》×4で捲れる確率は6割弱。
2 x トムライ 丙-三式
劣化版《ポクタマたま》。
先1《ギャスカ》だけであれば7枚から蘇生系を抜くので大抵卍誕を封殺できる。《ギャスカ》+《ビックリーノ》されるとまず無理。
不採用カード
終末の時計 ザ・クロック
《ポクタマたま》同様、ミラーを強く意識した防御トリガー。
ミラー以外では腐るだけでなく、デッキ全体を早期卍誕に特化させている都合上、他色の採用はミラーマッチ以外の安定性を損ねやすい。
《ホーリー》だと《ジャーゴン》にケアされるためこちら一択。
一なる部隊 イワシン
墓地を肥やしつつ手札を回転させられる性能から、墓地ソースでは多用されるカード。
このデッキでは墓地の要求数がネックになることはまず無い。山札圧縮にしかならず、《クロック》の項で述べたように他の色が混じると事故率の増加に繋がるため不採用。
フォー・ユー
GR+《ギャスカ》で5体なので、トップで1コスクリーチャーを出すとWブレイカー化し計6点となる。
《ザロスト》入りだとある程度狙って打点を増やせる(《ビックリーノ》でも同じことはできるが、《ビックリーノ》で6点揃うので有難味が薄い)。
シニガミ 丁-四式
場を離れると2枚墓地肥やし。
《ステニャンコ》等で発動するのは容易だが、その時には《復活の儀》の発動条件も同時に満たしており更に墓地を増やす必然性がない。《大罪より生まれし果実》等を採用するなら。
対面解説
対転生サイクリカ(先16-4 後6-14)
《♪仰ぎ見よ》等で受けを厚くする型には先3卍誕を捲られることがあり、やや不利が付いていた対面。《ジャーゴン》採用によって勝率が改善された。
しかし、相変わらず1t《ギャスカ》出来ない時の脆さは気になるところ。
4ドローで《サイクリカ》事故を狙っても、《ロジック・サークル》→《ブレイン・ストーム》によってケア出来ることからデメリットの方が大きい。
基本的にはじゃんけんゲーで、上振れで後手番を捲れる分トータルではやや有利。
解決権を渡さない【転生カリヤドネ】の方が【零龍ギャスカ】に対してだけなら強いはず。であるにも関わらず、未だに《カリヤドネ》で3枚唱えた時の処理の裁定が暫定回答無しで止まっており不明。
……だったのだが、本日付けで強い裁定で定まったらしいので未来はありそう。
対ダーツ(先8-12 後4-16)
元の受けの強さに加えて《ギラングレイル》を獲得しデッキ自体の殺傷能力が上がっている相手。
最速キルターンがこちらより早く、追加ドローで初手ダーツの確率を大幅に引き上げてしまう。
1t《ギガタック》や《ギラングレイル》は勿論、先行1tホール《ディアボロス》が出ると《ギャスカ》を投げても2t《ストーム》→《ストーム》→禁断開放で詰まされたり、トリガー《デリート》《ギガタック》は《ジャーゴン》でもケア不能だったりで、全体的に負け筋が太い。
所謂運ゲーデッキであり、スパでは《ギガタック》を多く引いたので数を重ねれば差は縮まるかもしれないが、かなり不利対面。
対同系
潤沢な手札で《ギャスカ》を引く確率・墓地に蘇生系を落とせる確率共に高く、先行2t卍を狙いやすい。
しかしながら、裏から捲る択もいくつか存在する(『《ザンバリー》→《ポクタマたま》→一斉攻撃に耐える→《ステニャンコ》等蘇生して《復活の儀》→《墓地の儀》効果で《破壊の儀》達成して卍誕』や『《ギャスカ》→《墓地の儀》×4で3体除去→《破壊の儀》で《ダースシスK》回収→《ダースシスK》で《ダースシスK》蘇生→《復活の儀》→ターン終了時に《手札の儀》で卍誕』など)。
それをケアするために《手札の儀》を達成せずにターンを返す選択肢を取れるが、それは相手も同じであり、お互いに《手札の儀》を残しつつ他の儀を達成していくという地味な展開も予想される。
《クロック》を採用すると《ビックリーノ》の枠が減って《トムライ》が刺さりやすくなり、ミラーに強くなると一概には言い難い。
《零龍》敵味方合わせて8枚分の儀から無限の選択肢を提示されるので頭がフットーしそうになる(恐らく考察にも色々穴がある)。
対その他
あまり回せていないので不明瞭な部分が多いが、本来であれば要求値的に安定しないデッキであっても、トリガーから解決権を渡さずにループで勝てたり最速2キル出来たりするのなら相対的には不利。
例を上げるなら、今までは微妙だった【天門ループ】や【ヒラメキ】系統等。無論、それらはデッキパワーに乏しく【零龍ギャスカ】以外への勝率は期待できない。
【轟轟轟】系統は、強制ドローによるG・G・G阻害、各メタカードが刺さらない、《スコール》が効きにくい、《墓地の儀》・卍誕での除去、2キルが止まらない、《ザンバリー》が固い等でかなり有利。
おわりに
派手で強力な最速2t卍誕はミラー以外での再現性に難が有る上、3キルが当たり前の殿堂ゼロでは開始時の4ドローによって理想的な動きを取られやすく、特に後攻では環境外のデッキにもあっさり負けやすいことから騒がれたほどは強くない。
《手札の儀》のリンクにタイムラグがあるのが曲者で、2t《ラピス・ラズリ》でも遅いと感じることが多々ある。
とはいえ、殿堂ゼロ環境に久々に登場したメタデッキであることに違いはない。対策として今まで軽視されていた受けトリガーを強化するデッキが増えたこともあり、【轟轟轟】は一気に環境外に追いやられた。
【零龍ギャスカ】の成立で殿堂ゼロはまた次のステージへ進んだ感じがある。
界隈内は大いに盛り上がりを見せている(一人で勝手に盛り上がってるだけとも言う)が、裁定が全く読めず現段階では「ぼくのかんがえたさいきょうのぜーろん」でしかない。
裁定の如何によってパワーの落差が激しいため、今後の動向に注目が集まる。
追記
記事公開翌日の12日にルールが更新。
殿堂ゼロでも《零龍》4枚置きが不可能になったので上の考察は全て無意味になりました。
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