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5月のshoegazerとアイドルと日本のshoegazer

2024年の5月に良く聞いたシューゲは、アイドルだ。
アイドルグループ、RAYの曲をよく聴いた。

初音ミクや、様々なアイドルが音楽オタクのプロデューサーの趣味の発露手段として機能していることは言うまでも無いことで、RAYというアイドルもそれに漏れない。
自分の趣味を理解しそうな素養のあるアイドル女子を集めて、歌わせて、パフォーマンスを通じて、趣味を発露しつつ、イベント等で利益を得て運営する。なんて完璧なビジネスなんだろう。
RAYは主にシューゲとIDMをプロデューサーが活用して、独自のポジションを構築することに成功してるように、見える(アイドル業界に詳しくないので、実はRAYみたいなグループはゴロゴロいるのかもしれないが)。

RAYを知ったきっかけは、「死んだ僕の彼女」のISHIKAWA氏が、アイドルグループRAYに楽曲提供をした?と思わしきツイートを見たから。↓このツイート。

レジグナチオン。もう、死んだ僕の彼女味溢れるタイトルだ。聞かねば、と思ってApple Musicを検索したのが、RAYというアイドルにハマる道への第一歩。

良い。死んだ僕の彼女のイシカワ氏の仕事であることが溢れ出てる名曲だ。良い。

あ、ちょと待って。凄くナチュラルに「死んだ僕の彼女」なんていう不穏な日本語を書き連ねてるけど、バンド名です。日本のシューゲバンド。

かれこれ10年以上前。まだ僕がCDを買っていたころに出会ったバンドだ。このミニアルバムのixtabはめちゃくちゃ良く聞いた。全6曲捨て曲無しの大名作だ。これ以降のアルバムも良い。早く新作聴きたいな。

で、RAYに戻る。
レグナチオンが入ったこのミニアルバム↓はレグナチオン以外はあまり聴いてなかった。僕の中でそこまでRAYに高まりがなかった。

が、約一年後に出たアルバム、「Green」は度肝を抜かれた。全曲捨て曲無しだ。やろうと思えば全曲解説しちゃえるが、今回の趣旨にあった曲のみについてつらつら書く。

まず、1曲目の「逆光」はアイドルのアルバムなのにインストシューゲなのだ。しかもかなりの良質の。アイドルのアルバムなのに大胆がすぎる。が、この後に続く曲「わたし夜に泳ぐの」の壮大な前奏である、と思えもする。どうやらRAYのプロデューサーである、みきれちゃん氏の作のようだ。ここからもう、このアルバムに良い予感しかしなかったのを覚えている。
アルバムGREENの2曲目のこの曲「わたし夜に泳ぐの」は大名作である。

作詞作曲はcruyff in the bedroomのハタユウスケ氏である。cruff-らしい耳障りの良い(?)フィードバックノイズが乗りつつ、メロディは完璧にポップでロックである。シューゲ×アイドル(RAYの歌唱トーンはアイドル歌唱というよりも声の鳴り感を大切にしてるので、アイドル歌唱とは微妙に違うのだが、ハイトーンの女性ボーカルという括りにおいて)が完璧な相性をもっていることを証明する曲だ。ゴリっとしたベースフレーズからスタートするイントロは完璧なシューゲである。

失礼。またナチュラルにcruff-を語ってしまった。2000年前半から活躍する日本のシューゲバンドである。僕が彼らを知ったのは確か、downyとの2マンライブ、2009年ぐらいのライブである。その時に聞いた「cry」という曲がカッコよくて、以後ファンである。

かっこいい。名曲だ。
その後もこのGREENは名曲が続くが、お気に入りは14曲目「ナイトバード」である。
作詞作曲は菅梓氏。今はなきバンド「For tracy hyde」の中心人物である。
このバンドを知ったのはライブとかではなく、辻村深月氏原作小説「かがみの孤城」の舞台のサントラ(劇伴)で使われていたことからである。この舞台は再演もされてるのだが、僕が見たのは生駒ちゃん版である。(再演版は違う人)かわいかったな〜生駒ちゃん。原作小説が鼻水滝のように出る号泣感動小説なんだけど(名作中の名作小説)、本当に劇もよかった。あれまた見たい。再再演しないかな、生駒ちゃんで。
で、その劇中に流れる曲たちが、ザ・Cocteau Twinsチルドレン、という風の良質ドリームポップ&シューゲで、とてもよくて。良いなぁと思ったらちゃんとプレイリストも用意されてたので、今でもお気に入りである。リスト1曲目の「Dedicatin」は劇中の重要なシーンシーンで流れるので、聞くだけで劇を思い出せる名曲である。

For-は残念ながら解散してしまった。初めて行った彼らのライブが解散ライブで、悲しかったが、しょうがない。バンドとは解散もしてしまうものである。
そんな菅梓氏の「ナイトバード」はもう、単なるFor-の曲である(失礼)。素晴らしく彼らしい曲で本当に良い。

で、このアルバムGREENの半分ぐらいの曲において、楽曲作成者としてクレジットされてる「みきれちゃん」なる人物がどうやらRAYのプロデューサーらしい。

みきれちゃんとはなかなか舐めたペンネームだが、Twitter(X)のネームは「大黒メロンちゃん」でさらに舐めてるw

まあ、その斜に構え具合もシューゲと言えるだろう。インタビューを見るに僕と世代がほぼ同じのようだ。そんな彼がプロデュースすること楽曲群はとても心地よく、好きにならざるを得ない。前アイドルグループでの経験を活かし、RAYに注いでいるようだ。人間は経験が重要で、それを活かして今がある、的な感じもおじさんもとうに過ぎつつある僕としては、好感度高い。RAYも好きだが、みきれちゃん氏もとても好きだ。
GREENの次のアルバム、Camelliaもとても良いのだが、今回は一旦ここまでにしておく。

ここまでの記載でわかるように、RAYの楽曲の元を辿ると、日本のシューゲの一部が理解できるようになってる。これ以外にももちろん、良い日本のシューゲバンドは沢山存在するが、キッカケとしては十二分のラインナップだ。とても良いアルバムだと思う。最近日本のシューゲを聴きはじめた、という方にRAYを入り口にして聞いていくにはうってつけだと思う。

で、RAYと出会ってから3年近く経つ今。ようやく彼女たちのライブに行った。アイドルのライブの常なのだろうか?土日開催が多く!家庭を持って家族サービスを週末しないといけない40目前の中年には土日稼働は厳しい。が、この日は様々あって、日程が空いたのでようやく行けた。
↓こちらのイベント。

↓セトリのツイート

引用するとこんな感じ。

1. Fading Lights
2. ATMOSPHERE
3. フロンティア
4. 星座の夜空 Overture
5. 春なんてずっと来なけりゃいいのに
6. float( I to U $CREAMing!! Cover)
7. スライド
8. サテライト

https://x.com/_RAY_world/status/1794602834073362701

「わたし夜に泳ぐの」はやらなかったが、人生初のライブハウスでのアイドルライブは、とても楽しめた。
シューゲって前奏長いし、サビから入ることの多い今時のポップとどう対抗するんだろうなあ?とうっすら思っていたのだが、前奏がある、ということはアイドルにとってはアドバンスなことをライブを見て理解した。普通にダンスパフォーマンスの時間として必要なのだ。パフォーマンスで彼女らを愛でる時間として、長い前奏間奏は有機的にプラスに働いていた。他のアイドルのライブを見たことがないので比較できないのだが、ダンスというよりは曲をパフォーマンスで語るといった感じで、舞踏に近い気もした。とてもかわいらしく、良かった。
バックバンド無しのカラオケのシューゲサウンドがシューゲとして機能するのか?という疑問は杞憂で、彼女たちの歌唱、パフォーマンスのゆらぎ感等相まって、完全にシューゲとして機能していた。爆音で聞くシューゲイザーはやっぱええのお。
事前にライブに向けて最近のセトリをまとめて聞いていったのだが、僕のまとめたセトリ予想と、被ってるものがあまりなくて、びっくりした。けっこう頻繁にセトリを変えているんだなあ…というか毎回けっこうユニークセトリなのだなあ…と改めてXの過去の履歴を見て思う。この頻繁さだと足を運びたくなってしまうよな…これがアイドルの戦略か…と感嘆。今回やった曲のなかでは「サテライト」が一番好き…かな。歌詞の中の「さよならバイバイ!」ってところが好き。曲のパフォーマンスも今回の曲の中では一番好きかな…

対バン(バン?)で、対バンのアイドルさんも可愛かったのだが(2人組のアイドルさんで、特にショートの子のほうが可愛かった好み)音楽的には好みではなかった。

チェキ会ってのもはじめて参加してみた。僕は1枚権を買っただけだけど、他の人はけっこう3枚4枚と買ってて、「これが活動原資なんだな!」とめっちゃ思った。とりあえず、メンバーの中で聞いた音楽に対しての感想ブログを熱心に毎日のように上げていて、そのひたむきに音楽に近づこうとする様子が好感度大の内山結愛さんと撮ることにした。容姿的には愛海さんが好みなので迷ったが…w
(チェキ写真、僕の顔を隠してアップしようと思ったけど、やっぱやめたw)

この写真めちゃくちゃ良くないすか? RAYを上手く表せてる気がするの

ということで、初のアイドルライブ参戦記とシューゲイザーでした。

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