お金では地方は動き出さない!
こんにちは。りょうたといいます。
福井をなんとかより良くしたいと思い、日々発信活動をしています!
お金では地方は動かない!と激しく思わされた本があります。
「地元がヤバい…と思ったら読む 凡人のための地域再生入門」
著者:木下 斉
1 僕の疑問
僕は以前、福井県内の市町村役場の方とお仕事をしたことがあります。
役場の方の運転で、各地の要所の偉い人にあいさつして回っていました。ようやく仕事を終え、帰路につく時、途中で役場の方が何やらゴソゴソと名簿を出してきました。
僕「それ、なんですか?」
役場の方「これはガソリンスタンドの名簿。ガソリンスタンドといっても、チェーン店のガソリンスタンドではないよ。いわゆる地元企業のガソリンスタンドの名簿。役場の社用車はなるべく地元企業を使うようにしてる。帰る前に、ここ寄るね。」
到着したガソリンスタンドは僕の知らないガソリンスタンドでした。
社名は「(株)○○油」
心の中では「油ってガソリンのことか(^^;いつの時代から店やってるんやろ。」そう思いました。
同時に、ふと疑問も思い浮かびました。
これだけガソリンスタンドのチェーン店が立ち並んでいるのに、店としてつぶれないのか?
おそらく危機がないわけではないだろう。だから、役場があえて地元企業を使っているのだと思う。
特別、それが悪いことだ!と言いたいわけではありませんが、何か言葉にしづらい違和感があります。
それを探すために色々な書籍を読むことにしました。
2 書籍の要点
本著は小説形式で書かれており、非常に読みやすく、感情移入してしまう作品です。
さらに、小説内にある注釈(100本近くある!)はかなりリアルなことが書かれており、踏み込んだ内容も同時に学べる良書。
ざっくり要点をまとめていきます!
○この本に書かれている地方の現実〜補助金問題〜
補助金の悪循環の一例
良かれと思い、補助金がなければ成り立たない事業を展開してしまう。
↓
慢性的な赤字になる
↓
補助金が打ち切られないように、各事業で地域の限られた予算を取り合う構図となる。
↓
競争が激化しないよう、他の人を追い出して補助金をもらおうとする。
↓
新しい人、新しいモノが入ってこないため、地域にイノベーションが起きにくくなる。現状維持が最優先となる。
○根本原因
補助金自体が悪というよりは、誰も身銭を切らなくなるというのが悪の根元である。
身銭を切っていないから、誰も本気にならない。
本当に必要なのは、実践者の覚悟である。
覚悟があれば、なんとかしようとする気持ちが働き、結果がついてくる。
本来、フェアな対価を全員で出し合えば補助金はいらないはず。
対価を払ったぶんを取り返そうとするから、物事は形になる。
痛みを伴わなずに、補助金だけもらおうというような都合の良いことには失敗がつきものである。
○地域経営の大原則
地域外からヒトものカネを稼ぎ、地域内で取引を拡大させ、地域内からヒトものカネが出ていかないようにする。町を一つの会社に見立てる。
例えば、
広報はインターネットを使うなどして、コミュニティ外も含めて行う。 (地域外からヒトものカネ)
デザインや外装の発注は地域内のコミュニティで行う。または、地域の特産品を使う(地域内で取引を拡大)
優秀なアルバイトなどは外に出て行かないように、地域内の店で紹介しあう(地域内からヒトものカネが出て行かないように)
広報部分は〇〇会社、集客は〇〇会社、資金調達は〇〇社にお願いする。(町を一つの会社に見立てる)
考え方はシンプルで、外から供給量を増やし、内からの排出量を少なくする。これだけ。
3 こんなヒトに読んでほしい
・地方で何か挑戦したい人
・既に活動しているが、この先不安がある人
感情移入しやすく、あなたの背中を押してくれる一冊になっています。
僕自身も大変勉強になりました!
「地元がヤバい…と思ったら読む 凡人のための地域再生入門」 著者:木下 斉
最後まで読んでくださり、ありがとうございました!
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