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#089 『言葉で傷つける』 娘に贈る99の言葉

誰かに何かを言う。
自分にとって何気ない一言でも相手を傷つけてしまうことはある。
だけど、多分、私にはその場で自覚することはできないだろう。

私は、過去、いろんな人から言葉で傷つけられた。
体の傷ならば、傷が目立たなくなったら傷ついた出来事さえ忘れてしまうのに、言葉で傷つけられた心についた傷は、一度ついたら何十年も前のことでも一瞬で思い出してしまう。
言葉でつけられた傷は、一旦忘れたとしても、消えることはない。
私が思い出してしまう『言葉でつけられた傷』は、今でも何かをキッカケに浮かび上がってくる。

おそらく、傷つけた本人は覚えてもいないだろう。
その時に悪意を持って傷つけたとしても忘れているだろうし、悪意がなければなおさら覚えていることはない。
傷つけた本人の心には傷ひとつ残らない出来事なのだろう。


私は、人から傷つけられたことより、人を傷つけてしまうことが怖い。
今でも、私の発言で誰かを傷つけてしまうことが怖い。

何気ない一言で、誰かを知らず知らずに傷つけてしまうかもしれないと思うと、言葉を発するのが怖い。
誰一人として傷つけない人生を歩みたい。
だけど、誰も傷つけない人生なんてありえないとも思っているから、恐る恐る出来るだけ傷つけないように気にかけながら人と接している。


ここで言いたいことは、
誰かに傷つけられた経験があるように、誰かを傷つけた経験が私たちには必ずあることを忘れてはいけないと言うことだ。

一方的に被害にあっているわけではない、知らないうちに加害者側になっていることがあると自覚しておいたほうがいい。

お互い様だから仕方ないねと言いたいのではない。

言葉は武器にも凶器にもなるのだから、大切に扱おうと言いたいのだ。

自覚した加害側であれば謝ることもできるけれど、無自覚で誰かを傷つけていた時には謝ることもできないのだから。

これからも言葉を発する以上誰かを傷つけてしまうだろう。
だから、言葉を磨きたい。
どんなに磨いても傷つけてしまうかもしれない。
けれど、私は言葉を磨き続けたい。

言葉を武器にするのか?凶器にするのか?
自分次第なのだから。

2023.1.5
ばたち


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