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【深作ヘスス】 参議院選挙から1ヶ月 〜選挙戦を振り返る〜 #1

2022年7月10日 第26回参議院議員通常選挙の投開票日

20時から始まった開票をテレビの前で眺めながら、自らの選挙戦での活動、その活動を通して出会った多くの方々、訪れた様々な場所のことなどを思い返していました。開票の結果が確定したのは翌11日の明け方。

投開票から1ヶ月経ち、改めて選挙戦を振り返りたいと思います。

選挙結果について

今回は定数の4議席(任期6年)に加え、補選1議席(任期3年)の5議席を争う選挙戦で、任期の短い5位でもいいので「必ず滑り込む」という強い決意で挑戦しました。

確定した得票数は 25万3234票 当選ラインの5位候補者とは14万票の差で、落選となりました。

出典:https://www.ntv.co.jp/election2022/sokuho/kanagawa.html

結果をどのように評価するか

今回の得票数を見て、「主要候補に一定程度食い込むことができた」、「新人としてはいい結果を残した」とご評価いただくこともあります。
しかし、選挙において勝利を収めなければ自らが掲げた政策の実現をすることはできません。そして何よりも支援をいただき、期待を寄せていただいた多くの方々の声を・想いを届けることができませんでした。その点においては勝つことができなかったことに向き合い、反省をすると共に、投票いただいた方々の期待に対し、自らが担うと宣言した責任に対して今後どのように役割を果たしていくのか。これをしっかりと示していかないといけないと思っています。

得票の分析

今回の得票数や得票率を様々な角度から分析してみたいと思います。
私が出馬した神奈川だけではなく全国的な国民民主党としての得票は以下の通り。

選挙区での得票数: 203万8654票
選挙区での得票率: 3.8 %

全国比例の得票数: 315万9625票
全国比例の得票率: 6.0 %

選挙があった7月のNHKの政党支持率調査で国民民主党の支持率は1.6%。選挙区においても全国比例においても支持率を上回る得票率を記録していることがわかります。
自民党の政党支持率(同NHK)は38.4%で得票率38.7%(選挙区)、34.4%(全国比例)と支持率と得票率がほぼ一致していることを見ると、自民党の足元の固さを感じます。
他方で、国民民主党は政党としての支持率は低くても、投票先として選ばれている傾向がみえ、この理由や内容を詳細に分析することが重要です。どれだけ支持基盤を固めることができるか、どれだけ候補者を擁立できるかも重要なファクターと考えます。

神奈川県内の得票分析

今回の神奈川県内の票の動きを見ると、重点的に活動したエリアとの相関関係が見えてきました。(各データの分母は当日の県内投票者数:4,195,301人)

県内全域の得票数(得票率):253,234(6.19)
政令市の得票数(得票率):178,998(6.66)
一般市の得票数(得票率):68,451(5.39)

人口が多く、重点的に活動をした政令市での得票率が高いことがわかります。
以下、政令市とそれ以外の市に分けて分析します。

政令市における得票分析

横浜市の得票数(得票率):110,979(6.4)
川崎市の得票数(得票率):52,147(7.45) 
相模原市の得票数(得票率):15,872(4.9)

棒グラフが得票数  線グラフが得票率

横浜市は全体では6.4%の得票
地域ごとは上位から以下の通り
港北区(7.31%)→西区(7.23%)→戸塚区(7.17%)→神奈川区(7.02%)

重点地区として何度も12時間駅頭を実施した横浜駅が位置する西区は上位2番目。国民民主党神奈川県連の県議・横浜市議各一名の地元である戸塚区が上位3番目となっており戸塚で活動をしたことや、地元の議員がいることが後押しになっていることが見てとれます。他方で、港北区と神奈川区は積極的な活動はできていなかったものの、重点活動をした横浜駅へのアクセスが良く距離的にも近いことから、このエリアに在住する方が、通勤・通学やお買い物などで横浜駅を利用し、活動を目にしたことがこの得票率につながったものと推測されます。

棒グラフが得票数  線グラフが得票率

川崎市は全体で7.45%の得票
地域ごとは上位から以下の通り
中原区(8.76%)→幸区(8.58%)→高津区(7.24%)→多摩区(7.12%)→川崎区(7.07%)

川崎市は川崎駅を重点地区として高い頻度で12時間駅頭を実施しました。
川崎駅の位置する川崎区は得票率5位となっていますが、川崎駅が川崎区の北西、幸区との区境に位置しており、多くの川崎区民にとってはアクセスしにくい位置にあるため、川崎区の得票率がその他の地域に比べ低い理由と考えられます。
得票率上位の幸区、中原区、高津区、多摩区には川崎駅をターミナルとするJR南武線が通っており、川崎に通勤・通学、お買い物に来た方々にアプローチできたものと考えられます。合わせて、準重点地区として中原区に位置する「武蔵小杉駅」、高津区に位置する「武蔵溝ノ口駅」(共に他線との交差駅)でも多く活動したことがこの川崎市における得票率につながったものと考えます。

鈴木あつし代議士(中央)
同じ川崎出身・フロサポとして街頭活動後一緒に試合観戦に行くこともしばしば

また最も高い得票率となった中原区は現職の鈴木あつし代議士の地元(神奈川10区)でもあり、政治活動中から幾度となく代議士と共に活動し、区内にポスターの掲示、国政報告と併せて対談記事を配布したことなども大きな要因となっていることは疑いの余地がありません。

棒グラフが得票数  線グラフが得票率

相模原市は全体で4.9%の得票
地域ごとは上位から以下の通り
南区(5.56%)→中央区(4.51%)→緑区(4.36%)

相模原市においては小田急線相模大野駅を重点駅と設定し、12時間駅等を実施。
玉木代表との街頭演説会も同駅で実施しました。
重点的に活動をした相模大野駅が位置する南区が最も得票率が高いのは、活動と得票率の相関を理解する上で重要な結果となりました。
緑区や中央区は街宣車で回ることができましたが、全県が選挙区と言うことで、回数は多く入ることができず、あまり認知を上げることができなかったことに加え、相模原市を選挙区とする元県議が他党から出馬したため、短い活動期間の中で同市においてその圧倒的知名度に敵う活動に繋げられなかったものと考えます。

政令市まとめ

政令市のデータを見ると、圧倒的に川崎市での得票率が高いことがわかります。
これは私自身が川崎出身で縁故があることも一因と思いますが、地元ということで集中的にさまざまなリソース(家族・親戚・小中高の友人などの応援等)があったことも一因となっていると思われます。

政令市以外の得票分析

棒グラフが得票数  線グラフが得票率

政令市以外の得票上位は以下の通り
藤沢市(6.61%)→海老名市(6.23%)→茅ヶ崎市(5.87%)→伊勢原市(5.7%)

ここにも活動量と得票の相関が見受けられます。
まず、最も高い得票率をスコアした藤沢市と3位の茅ヶ崎周辺の湘南エリアは、藤沢駅・辻堂駅を重点駅として複数回の12時間駅頭を実施しました。また、同地域には私が卒塾した松下政経塾があり、地域の方々から松下政経塾の認知度が高かったことも一つの要因と考えます。また、同地域はコロナ禍を契機にリモートワークができる職種の多くの人口流入が起きており、私と同じ様な年代の層の方に関心を持っていただいたことも要因ではないかと推察しています。
また、辻堂駅には大きなショッピングモールがあり、周辺地域や沿線の多くの利用客との接点があったことも要因の一つと考えています。

町村における結果

棒グラフが得票数  線グラフが得票率

今回神奈川の全ての地域を回ることを目標に政治活動を開始し、実際に全てのエリアを回ることはできましたが、町村部は数回程度しか入ることができませんでした。もう少し、時間をかけて丁寧に様々なエリアに入り活動したかったと思っていましたが、やはりその感覚に近い形で得票率も伸びませんでした。

その中で、特筆すべきは開成町。得票率5.93%と比較的高く、同町内に今回応援いただいた家電メーカーの工場があったことが大きな要因であると考えています。
これは一般市で取り上げた海老名市も同様で、同市内では厚木駅で数回活動したものの、目立った活動ができていない中にあっても6.23%の得票率があったことは同市内にある、家電メーカー工場や車関連工場の皆様に認知いただき、応援いただいたおかげであると確信しています。

政令市以外まとめ

限られた時間の中で的を絞って活動したエリアでの成果が出ている反面、活動ができていなかった地域に関しても明確にその結果が現れていることがわかりました。
また、私自身の活動が十分でなくとも、今回ご推薦いただきいただいた連合神奈川の皆さんが多くいる地域で「働く仲間」の皆さんが熱心に応援してくださり、私の活動現場のみならず、各事業所や職場で私の認知を高め、広めてくださったことがしっかりとつながっていることが見て取れます。

その他の切り口での分析

世代別・無党派層の投票についてはは東京新聞の記事(参院選神奈川 共同通信出口調査 分析)からデータをお借りします。

同記事によれば、今回の投票を30代以下に限ってみれば、私が全候補者の中で2番目の支持を得ていたと報じられています。

また、「支持政党なし」とする方々の投票先としては上位当選者をおさえ、3番目の得票率を得ていたと記事内で紹介されていました。(下記図参照)

出典:東京新聞
「https://www.tokyo-np.co.jp/article/189063」


まとめ

12時間駅頭を始めた当初、自ら立てた計画でありながら、限られた期間をこの活動に終始していいのか、他にできることはないのか、迷う時期がありました。その時にある方から言われた言葉が印象に残っています。

「どんなにいい商品もその存在を知らなかったら買うことはできない」

答えのない戦いの中で、今どのような活動に時間とリソースを割くのか日々悩んでいましたが、私自身の課題は明確で「無名であること」を克服し、みなさんに認知いただいた上で、私が掲げる政策・描きたい日本の未来を伝えて、応援いただくこと。 だからこそ今回は徹底的に多くの方に会い、知ってもらう活動をしようと改めて思った瞬間でした。

結果、落選となり、本当にこの戦略が正しかったのか。改めて検証する必要はあると思います。他方で、今回このふりかえりを通じ、活動をすればするほど多くの方に認識していただき、その中からじわじわと支援の輪が広がり、その結果25万超の方々にご投票いただいたのだということに改めて気付かされました。

駅頭の活動だけでなく、SNSなども重要なファクターであったと思います。
特に期間中は多くの方がSNSを見て現場に会いに来てくださったり、現場であった高校生・大学生がSNSに投稿してくれたりということも多くありました。
このSNSについてはまた別のnoteでまとめたいと思います。


今後について

選挙後多くの方にこの質問を受けます。
しかし、選挙までは本当に当選するつもりで全ての時間を使っていたので、落選後の未来は一度も考えていませんでした。
今、選挙から1ヶ月以上が経ち、選挙を振り返るたびに「25万3234票」の重みと責任を感じています。
現時点では明確にどのような形で関わっていくかは決まっていませんが、やはり今後も政治に近い立場で挑戦を続けていきたいと考えています。

そして、私が神奈川県内で何度も訴えてきた「給料が上がる経済の実現」「自分で国を守るための外交・安全保障」「未来をつくる人への投資」への思いは一切変わりませんし、一層強くなっています。

当面は一県民としてできることを継続するとともに、また今後も理想の社会を多くの皆さんと描いていくための挑戦を続けたいと思います。