勝利や成功を予め祝う、予祝の力とは?〜成長につながる問いかけコーチング#43
予め祝うことで勝利を引き寄せる
最近、イメージトレーニングなどのメンタルトレーニング、つまりマインドセットを鍛えるトレーニングの有効性が色々なところで語られています。メンタルトレーニングの本もたくさん出され、多くのメソッドが紹介されています。その中で今日お話ししたいのは「予祝」です。「予祝」とは読んで字の如く、「予め祝う」ことです。
予め祝うことで願いを引き寄せる。それが「予祝」です。
これは何かを成功させるための準備として、実は古くから日本で伝統的に行われていました。花見や盆踊りなどの季節的な行事は、その年の豊作を願った予祝です。豊作を予め祝い、喜びの状態を仲間と擬似体験する。こうした意味合いがあったようです。
スポーツで言うと勝利、ビジネスであれば売上、契約、イベントの成功などを願って予祝をするでしょう。イメージトレーニングでも、勝負に勝った情景をリアルに思い浮かべることでその通りになる、なんでも叶えば実現するといった考えもありますが、もちろんイメージしただけで実現するとは限りません。イメージだけで勝てるのなら、みんな勝てます。イメージだけで力が付くわけでもありません。
私もラグビーのチームを見ていたとき、よく「フューチャーインタビュー」といって、優勝した未来を想像したインタビューをワークに取り入れていました。成功した未来をありありとイメージし、そのときどんな状態であるか。実際の優勝したときの感覚になりきってインタビューに答えるのです。これを何度かやっていると、実際に優勝したときの感覚に近づいていき、実現させるためのハードルが下がっていくんですね。もともと意識できなかったものを予祝で擬似体験することによって、できるようになる。そんなメリットがあります。
ただし、先ほども言ったように、それさえやればうまくいくわけではありません。予祝をしたら成功すると思いこむのは非常に安易で危険です。
ではなぜ予祝をするのかというと、自分には届かないと思っていた次元に、一旦自分を持っていくためです。優勝や成功が未知の世界にある場合、それを想像することは困難かもしれません。しかし予祝することで、未知の世界から当たり前のコンディションに近づけることができます。
そこに辿り着くためにメンタルやフィジカルをどう整えていくのか。成功の瞬間の予祝から、少しずつ次元を現在に近づけ、戻していくことによってメンタルリハーサルをするという考えです。
私も色々なチームのサポートをしてますが、このような予祝の考え方はどのチームにとっても有効的です。自分たちは勝ちに相応しいチームだと思いこむ。勝った後のインタビューから逆算し、勝つ瞬間のイメージ、試合中の勝つための勝負どころのイメージを思い浮かべていきます。そのとき自分たちはどんなコンディションで、どんなマインドセットでいるのか。
意外にも、多くの人がチャンスの場面でも「自分にはまだその力がないのでは」と思い込んでしまうことがあります。そのために「今日は調子が悪くて」など、失敗したときの布石を打ってしまうんですね。チャレンジする前から失敗を想定するのは非常に勿体無いです。
そういう意味では、「自分は勝つべき人間だ」「自分たちのチームは勝つことができる」というマインドで勝負に臨むために、予祝は非常に良い準備となるでしょう。ただし、何度も言いますが、これだけやってもうまくいきません。しかし、一度予祝することで未来を考えるきっかけになるかもしれません。
何か勝負事を控えているあなた、ぜひ一度「予祝」を試してみてください。未来のあなたの成功をイメージし、成功を引き寄せてみましょう。
今日はあなたのどんな成功を祝いますか?
※ 本記事は、中竹竜二Voicyチャンネル『成長につながる問いかけコーチング』より、内容を再編集し、記事化したものです。
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