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防衛的悲観とは?〜成長につながる問いかけコーチング#112

オリンピック、次々とメダルを獲得していますが、私が今回注目したいのは柔道・大野将平さんの金メダルです。その大野選手が掲げる「防衛的悲観主義」、あなたはこの言葉を聞いたことがありますか?防衛的悲観の効果や効用とは?今日はこの「防衛的悲観とは?」という問いについて考えていきましょう。

一見ネガティブに聞こえる悲観という言葉ですが、大野選手は常に自分を絶対的な強さに持っていくために自分自身を疑い、悲観的な目線で見て、どんな失敗が起こりうるか、自分にどんな隙があるのかということをとことん突き詰めて二連覇を果たしました。

あなたは防衛的悲観を普段どれくらい意識しているでしょうか。今の世の中的にはポジティブシンキングやポジティブ心理学など前向きな思考が良しとされています。もちろん物事に向き合うために前向きな捉え方はとても大事ですが、スポーツにおいて、特に試合ではなく練習や稽古など準備の段階においては、様々な懸念や不安に向き合っていくことが頂点に立つために重要なことでもあります。

今開催されているオリンピックもそうですが、これまでもスポーツの勝利者インタビューで「あの逆境をどうやって乗り越えたんですか?」という質問に対して「すべて想定内です」と答える勝者をみなさんも目にしたことがあるでしょう。多くの勝者はそれまでのプロセスの中で様々なワーストシナリオを描き、徹底的に不安や懸念事項を潰して勝利を収めていきました。これが防衛的悲観ということですが、ここに向き合うプロセスは本当にきついんですよね。嫌なことばかり見ないといけません。本番でも嫌なところばかり無意識的に自分の中に抱くことになるのではないかという不安もあります。

でもこうして不安だからこそあらゆる事態を想定して勝利のための準備をし続けたからこそ、結果的に勝てたという事実はこれまでもたくさんあります。大野選手もこれまでたくさんの負けを想定して練習を続けてきたのでしょう。

もちろんこの防衛的悲観はやり方を間違えると、どんどんネガティブになってしまって全く別の結果になってしまうこともあるので、何のためにワーストシナリオを描いて、あえて失敗に目を向けているのか、それをしっかり自分の中で腹落ちさせたほうが良いと思います。

みなさんも普段の生活の中でも失敗したら嫌だな、なるべく失敗しないようにしようと考えていることがあるかもしれません。そんなときは、ぜひこの大野選手のように絶対的王者になるために不安や心配事と戦う、こうしたスタンスを頭の隅に置いておくのがいいと思います。

※ 本記事は、中竹竜二Voicyチャンネル『成長につながる問いかけコーチング』より、内容を再編集し、記事化したものです。


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