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ベッドルーム・シンドローム

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作: 結友 イラスト: 橙怠惰 ラプターオリジナル「ベッドルーム・シンドローム」シリーズの台本、連載小説を集めました。
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2023年2月の記事一覧

【連載小説②】1979年初夏、ドーの話。/ DOE DEER, WHAT’S THE MATTER??

作:結友 前作はコチラ。 4. フラッシュバックのお時間です 12時間前。コズモの(母の)家、地下室。 「…いいのか?」ドーが聞いた。 「ああ」 「別に、説明なんてなくてもいいんだぜ。言われなくても試す気満々だからな」 ドーは片方の眉毛をつりあげて、コズモの手のひらで転がっている2つの錠剤をじっと観察した。 2人は地下室のソファーに並んで座っていた。正面のテーブルにはピザの食べかすと段ボール箱、ビールの瓶、ボードゲームと文字のたくさん書いてある紙切れが散らばっている

【連載小説③】1979年初夏、ドーの話。/ DOE DEER, WHAT’S THE MATTER??

前作はコチラ。↑ 作:結友 イラスト:橙怠惰 5. タルーラ・バルバ バー&ラウンジ「サテライト・オブ・モニカ」は、朝10:00からしっかりと酒を提供する数少ないバーのひとつだった。ヴィクトリア調と今風の飾りを混ぜたようなテーマの店で、マスターは短気で、気さくなおじさんである。 ドーはべっこう色のドアを開けると、見慣れた顔のあるカウンターの方へ歩いて行った。 開店後すぐだったため客は一人もいなかった。マスターはしかめっ面をしながらビールサーバーを磨いていたが、ドーの顔を見

【連載小説④】1979年初夏、ドーの話。/ DOE DEER, WHAT’S THE MATTER??

前作はコチラ。↑ 作:結友 イラスト:橙怠惰 6. ゴースト ドーは無表情のまま店の外へ出た。 口のなかで血の味がしてから、自分が力強く下唇を噛み続けていたことに気がついた。ドーは立ち止まって、車が行き交う目の前の道路を突っ切ることに決めた。なんでも突き飛ばしたい気分だった。 しかしこの街では、外へ出るとやわらかいものなんて一つも見当たらない。どこもかしこもでっかい鉄の塊ばかりだ。 何を蹴ったって自分の体のほうが吹っ飛ぶんじゃないかとドーは考えた。自暴自棄なのは分かってい