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力道山&死闘を演じた男たち vol.1

リングに叫び、拳を突き上げたあの日。今もこの胸に燃えさかる熱き炎のファイターたちをイラストとエッセイで綴るプロレス讃歌!


力道山&死闘を演じた男たち~ vol.1

全国のプロレスファンの皆様こんばんは。『週刊アイアンクロー』編集長のチャーシュー・タケです。今週は“日本プロレスの父”力道山です。

イラスト 志賀コージ

●虹の彼方の空手チョップ ~プロレスとはなんだ! 歴史を作った異端児~

 大相撲の力士として関脇まで駆け上がった力道山は、突然の廃業をして角界を去ります。
 まあるい土俵から四角いリングへと闘いの場を移し、プロレスラーとして新たな人生を歩み出したのです。アメリカに渡り、その“本質”を学び、いまだ未知の存在であった「プロレス」を日本に広めて一大旋風を巻き起こしたのでした。時代の嵐は、新たな娯楽である「テレビ」を人々の前に運んで来ました。しかし、まだまだ庶民が手軽に購入できる金額ではありません。近所にちょっと裕福な家があると、近隣の人たちはそこに夜な夜なお邪魔してはテレビの前で歓声を上げるというのがお決まりの光景でした。力道山は、そんな“時代の寵児”でした。相撲の張り手にヒントを得た「空手チョップ」で、憎い外人レスラーを張り倒すその雄姿に、まだ戦争の傷跡残る人々は溜飲を下げたことでしょう。私などはその姿をおぼろげに覚えている程度ですが、周りの大人たちがテレビの前で声を上げてコーフンしていたのを、妙にハッキリと記憶しています。
 そんな力道山も、昭和38年(1963)の12月、暴漢に刺されて呆気なく死んでしまいました。一旦は手術後の経過もよく、回復するかと思われましたが急死。その臨終に際しての“謎”もまた、彼の人物像に重みと奥行きを与えました。
さて、力道山没後60年にもなるのに、また本が出ましたね。『力道山を刺した男 村田勝志』(かや書房)。やはり買ってしまいますね。村田のその後の人生に焦点を当てた実録小説。知らなかった話が満載で、いや、面白かった。村田の娘が、格闘家の篠原光で、付き合っていた彼氏が、マウナケア・モスマン(太陽ケア)とは。
 ぞくっとするほどの因縁ですね。

◼️『プロレスダイアリー甦える鉄の爪』は毎週木曜日に更新します。

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