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U.S. and European Markets Topics  

マーケット概況 7月15日

各市場動向

米国株式市場
大幅高、想定以上の利上げ巡る懸念後退
ダウ:31288.26(前日比+658.09、+2.15%)
NASDAQ:11452.42(前日比+1201.24、+1.79%)
S&P500:3863.16(前日比+72.78、+1.92%)

米国債券市場
利回り小幅低下、FRB当局者が7月0.75%利上げ支持
米国10年債利回り2.9281%、米国2年債利回り3.1305%

NY原油先物
反発
WTI終値は前営業日比1.81ドル高の97.59ドル

NY金先物市場
小幅続落
8月限は前営業日比2.2ドル安の1トロイオンス=1703.6ドル

NY外国為替市場
ドル下落、FRB超積極利上げ観測後退
ドル円138.53、ユーロドル1.0087

VIX 
VIX指数低下、24.32と前営業日の清算値26.40から2.08ポイント低い水準

経済指標

※()内は前回発表値、改は改定値
EU   ユーロ圏貿易収支 季調済 ▲260億ユーロ(▲318億ユーロ改)
EU   ユーロ圏貿易収支 季調済 ▲260億ユーロ(▲318億ユーロ改)
米 6月小売売上高 前月比 1.0%(▲0.1%改)
米 6月小売売上高(自動車除く) 前月比 1.0%%(0.6%改)
米 7月ニューヨーク連銀製造業景気指数 11.1(▲1.2)
米 6月輸入物価指数 前月比 0.2%(0.5%改)
米 6月鉱工業生産 前月比 ▲0.2%(0.0%改)
米 6月設備稼働率 80.0%(80.3%)
米 7月ミシガン大消費者態度指数・速報値 51.1(50.0)
米 5月企業在庫(前月比) 1.4%(1.3%改)

要人発言

イエレン米財務長官
「ウクライナ戦争が世界経済に及ぼす悪影響は、主にロシアに責任」
「ロシアの残忍で不当な戦争を非難」
「国際間でウクライナへの支援増強を呼びかける」
「食料の不確実性は短期的にはロシアのウクライナ侵攻、法規的には気候変動など」
「G20国は食糧の不確実性対策のためにもっと財政的な援助を行うべき」
「G20国は市場をひずませ、価格上昇を避けるために輸出の制限や、在庫の積み増しをやめるべき」

中国国家統計局(NBS)
「長期的な回復のための経済基盤が安定しない」
「需要縮小と供給ショックに直面」
「世界経済のスタグフレーションリスクが高まっている」
「中国経済は構造的・循環的な問題に直面」

鈴木財務相
「高い緊張感をもって為替市場の動向を注視」
「戦争の責任はすべてロシアにある」

ボスティック米アトランタ連銀総裁
「あまりにも劇的な動きは経済を弱体化させ、不確実性が増す可能性」
「インフレ率が高すぎるため、FRBはインフレ率を下げる必要」
「0.75%利上げは大きな動きであり、FRBは移行が秩序あるものになることを望む」

ブラード米セントルイス連銀総裁
「政策金利を年末までに3.75%から4%にする必要」
「米国がリセッションに陥ることに懐疑的」
「コアPCEインフレはまだピークに達していない可能性」
「ドル高は米国のインフレ率低下を意味する」
「7月FOMCで1%または0.75%の利上げを実施することにそれほど大きな違いはない。それに応じて残りを調整できる」

デイリー米サンフランシスコ連銀総裁
「インフレは高すぎる」
「労働市場は引き続き堅調」
「FRBは経済を停滞させることなくインフレを抑えるために取り組んでいる」

リビア国営石油会社幹部
「リビアは不可抗力条項を解除」
「これにともない全油田を再開へ」

ニュースヘッドライン

1ポイントの米利上げ観測が後退、地区連銀総裁の発言と経済統計で-BBG
米小売売上高、6月は予想上回る伸び-インフレが数字押し上げか-BBG
米消費者の長期インフレ期待、1年ぶり低水準-ミシガン大指数-BBG
NY連銀製造業指数、予想に反し3カ月ぶり拡大-先行きは急低下-BBG
米製造業の生産指数、2カ月連続で低下-消費財が振るわず-BBG
米企業在庫、5月は1.4%増 市場予想上回る-Reuters
FRB当局者、7月0.75%利上げ見込む 1%観測やや後退-Reuters
米FRBの過度な利上げ懸念せず、経済なお力強い=SF連銀総裁-Reuters
アトランタ連銀総裁、7月会合で1ポイント利上げ支持しない考え示唆-BBG
ECBは7月に25bp、9月に50bp利上げの公算大-レーン氏-BBG
シティ決算は予想上回る、トレーディング事業好調-自社株買い停止へ-BBG
Wファーゴ、第2四半期は利益半減 引当金増や住宅ローン低迷で-Reuters

概況

6月の米国CPIが前年比で1981年11月以来40年超ぶりの大幅な伸びになったことから、100bpの利上げ観測が高まりましたが、その後、75bpの利上げを示唆するFRB当局者の発言を受け、過度な利上げ期待が後退しました。

ブラード・セントルイス連銀総裁は、年末までに政策金利を3.75-4.00%の範囲に設定すべきだと指摘し、FRBは年後半にやや積極的な方針を示さざるを得ないとする一方で、現時点では、次回のFOMCで100bpの極めて大幅な利上げを決定する必要性を強く感じていないと述べています。

ボスティック・アトランタ連銀総裁は、今月のFOMCで100bpの利上げは支持しない考えを示唆しています。ボスティック総裁は、「経済が2%の(物価)目標と一致するような動きを見せれば、(利上げを)止めるだろうが、そうでなければ止めない」と強調しています。

経済指標では、6月の小売売上高(季節調整済み)は前月から1.0%増加、また、7月のニューヨーク州製造業業況指数はプラス11.1と、前月のマイナス1.2から改善しています。
米ミシガン大学が発表した7月の消費者のインフレ期待が低下し、5年先のインフレ期待が1年ぶりの低水準、1年先のインフレ期待は2月以来の低水準となっています。

市場の注目を集めた米国消費者の長期インフレ期待が1年ぶりの低水準に落ち込んだこと、2人のFRB高官が7月の100bpの利上げに難色を示したことにより、7月FOMCで100bp利上げ観測が後退し楽観的な見通しに繋がっていますが、しかし、昨日発表されたFRB共通インフレ期待指数(CIE)は、減速の兆しを見せておらず、FRBが金融引き締めを加速する必要が生じるとの懸念は引き続き残っています。

米国債券市場では、利回りは小幅に低下し、2年・10年債イールドカーブ の逆転幅は、17.5bpから20.9bpへ小幅に拡大しています。

米国株式市場は、FRBの想定上による利上げを決定するとの懸念が後退し、好調な企業決算や堅調な経済指標が寄与し、大幅高で取引を終えています。
主要3株価指数はいずれも堅調で、シティグループ決算の減益幅が予想より小幅だったことを受け、金融が上げを主導しています。
ただ、週間では3指数とも下落しました。

NY外為市場では、今月FOMCで100bpの利上げが実施されるとの観測が後退したことを背景にドルが下落しました。このところのドル高を受けた利食い売りが出たことも押し下げ要因になっています。
ドルインデックスは、前日109.9と2002年9月以来の高値を付けていましたが、0.47%安の108.04で終え、0.9952まで下落したEUR/USDは0.57%高の1.0080ドルで終えています。
ECBは21日の理事会で、25bpの利上げを決定し、2011年以来初めての金融引締めに踏み切る見通しとなっています。

原油先物は、米国とサウジアラビアの首脳会談を控えて、増産をめぐる思惑から買いが入り、反発しました。WTIの中心限月8月物の清算値前日比1.81ドル高の97.59ドルとなり、週間では7.20ドル安、9月物は1.74ドル高の94.57ドルとなっています。

金先物は続落し、中心限月8月物の清算値は前日比2.20ドル安のドルで終え、週間では38.70ドル下落し、5週続落となっています。

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