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英国 6月消費者物価指数

ガソリン価格の上昇により、英国の消費者物価指数(CPI)は6月にさらに上昇し、10月には11%を超えピークを迎えると予想されます。しかし、コアCPIはすでにピークに達している可能性があり、今日の数字が8月のイングランド銀行(BOE)の決定を大きく変えることはないかもしれず、BOEでは依然として50bpの利上げを狭き門と見ていると思われます。

食品とエネルギー価格の上昇により、英国のインフレ率はさらに上昇し、6月のCPIは9.4%に達し、ガソリン/ディーゼル価格が前月比でほぼ10%、食品価格が1%上昇しました。食品価格は現在、前年同期比10%近い水準で推移しており、輸入コストの急上昇により、今年後半には15%を超えそうな勢いです。10月に予定されている家庭用エネルギー価格の次回の上昇は、4月の54%を上回るようですが、ONSは、政府の400ポンドのエネルギーリベートの効果をCPIの数字に反映させるかどうかまだ決定していません。

しかし、ヘッドラインCPIの数字がピークを迎えるには時間がかかる一方、コアインフレはすでにピークを迎えている可能性があります。コアCPIは6月に0.1%下落し、年内には横ばい若しくは小幅下落に転じる可能性が高いと思われます。中古車価格は1月のピークから8%近く下落し、供給主導型のインフレが冷え込んでいることをさらに示唆しています。

4月と10月のエネルギー価格上昇の影響が来年の年間比較から消えれば、ヘッドラインCPIはそれなりに急速に低下するはずです。実際、エネルギーによるマイナスのベース効果は、ヘッドラインCPIが2023年末までにBOEの目標である2%を下回る可能性が高いことを意味します。

昨日の雇用統計と同様に、今日のCPIも、8月のBOEの政策決定の考えを大きく変えることはないと思われます。
6月に50bpの利上げを見送ったことを考えると、予想通りの結果ではBOEが利上げペースを速めるための大きな推進力にはならないかもしれません。
しかし、今回は、より大規模な利上げが事実上織り込み済みです。FRBが75bpの追加利上げを実施する可能性が高く、最近のポンド相場の圧力を考慮すると、BOEが来月50bpの利上げを選択することも想定されます。
とはいえ、BOEは徐々に引き締めサイクルの終わりに近づいていると思われます。

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