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川崎フロンターレ 2020 個人的に注目している選手

 明治安田生命J1リーグ2020の開幕もいよいよ明日になりました(川崎フロンターレの開幕戦は明後日ですが)。今シーズンから主に川崎フロンターレについて個人的に考えたことや思ったことをこのnoteに書いていきたいと思います。どのくらいの頻度になるかわかりませんがお目に掛かった時はよろしくお願いします。

 今回は川崎フロンターレの中で個人的に注目している選手について少し書こうかなと思います。もちろんフロンターレに所属している選手全員が注目すべき選手であることは間違いないのですが、全員について書くのはちょっと大変なので今回は各ポジション1人ずつ挙げていきます。

GK:チョン・ソンリョン選手
注目ポイント:チームの新たなサッカーへの適応
 GKは馬渡選手とどちらを選ぶ迷ったのですが、ソンリョンを選びました。理由は、ソンリョンに苦手な分野に逃げずに新しいことに挑戦してほしいと思ったからです。
 すでに報道でもあった通り、また、先日のエスパレスとのルヴァンカップで選手が見せてくれた通り、フロンターレは今年新しいサッカーに挑戦しています。チームのサッカーの変化に伴って、キーパーに求められるタスクも変わっています。具体的には「つなぎへの参加」と「ディフェンスラインの裏のカバー」です。
 フロンターレのサッカーをよく見る人はご存知かもしれませんがソンリョンは、ペナルティエリアの外に出て足元でボールを処理することはどちらかというと苦手で、ゴール前でどっしりと構えるタイプのキーパーです。このプレースタイルは昨季終盤に新井にポジションを奪われたこととは無関係ではないと思います。
 報道を見る限り、今年のチームの練習ではキーパーも足元を使うメニューをこなしているそうです。ソンリョンは、足元の技術だけで言えばフロンターレのキーパー5人の中でも下の方かもしれません。フロンターレのサッカーの変化もソンリョンにとっては逆風でしょう。だからこそ、ソンリョンに新しいことに挑戦し、さらに成長して欲しいと私は思っています。
 また、足元の技術は5人の中で馬渡が秀でているそうです。もしかしたら馬渡が今後試合に絡んでくるかもしれないな、と思っていたのですが、先日のルヴァンカップでベンチ入りしたのは安藤でした。きっとまだセービングの技術などはソンリョンや安藤に敵わないのでしょう。ですが、これからキーパーとしての技術が上がっていけばソンリョンからポジションを奪う可能性は十分にあります。
 憲剛が風間監督に出会ったのが32歳の時。そこからさらに止めて蹴るに磨きをかけJリーグMVPを獲得したのは36歳の時。ソンリョンは35歳になりましたが、まだまだ老け込む年齢では無いはずです。2020シーズン、ソンリョンの進化と成長に期待したいです。
 余談ですが、フロンターレが今年5人のキーパーと契約したのはこのキーパーの新しいタスクも理由の1つでしょう。そう意味では誰が試合に出てもおかしく無い状況です。だからこそもう一度「正守護神」のソンリョンが見たいです。


DF車屋紳太郎選手
注目ポイント:「1人ポジショナルプレー」ノボリとのポジション争い

 車屋先生にとって2019シーズンは多少不本意なものであったかもしれません。車屋先生はプロ2年目以降、シーズンを通して30試合以上に出場してきましたが、去年は27試合と出場機会を減らしました。(出典:https://www.football-lab.jp/player/1400944/?year=2019)本職ではない右サイドバックとして出場する試合もありました。チーム事情も相まって、2019シーズンのフロンターレの左サイドバックはノボリが19試合、車屋先生が15試合スタメンとして起用されています。しかし、シーズンが進むにつれて本調子を取り戻し、終盤では左サイドバックに車屋先生、右サイドバックに守田という形に落ち着きました。
 フロンターレは2020シーズン、ポジショナルプレーの考え方を一部取り入れたことが先日のルヴァンカップの試合からわかりました。ポジショナルプレーとはざっくり「選手一人一人が最適なポジショニングをとることで試合を有利に進めるという考え方」のことです。実はこのポジショナルプレーが抜群にうまい選手がフロンターレに一人います。それがノボリです。ノボリのポジショニングのうまさはコアなフロンターレサポーターの間で有名で、Twitterなんかではよく「一人ポジショナルプレー」と呼ばれたりもしています。このポジションニングのうまさとチームの新しいサッカーの相性が非常に良いためノボリは今チーム内で急激に評価を高めています。
 2019シーズンはどちらかというと車屋先生自身の問題で出場機会を減らしていた印象でした。ですが今年は「単純に実力の問題でノボリにポジションを奪われる」可能性が出てきています。この問題はきっと本人も自覚しているはずです。
 先日のルヴァンカップでスタメンで出場し、キャンプでの練習試合では2点を記録したノボリ。(ちなみにノボリが2得点以上記録したシーズンは2012年のみ。)急激に評価を上げ、チーム戦術の変化もノボリにとって追い風になっています。このようなライバルの状況を見て車屋先生は何を思い、何を実行するのかに注目したいと思います。(願わくばポスト長友として代表復帰を…!)


MF:守田英正選手
注目ポイント:「2年目のジンクス」にぶち当たったスーパールーキーの3年目
 
守田も車屋先生と同じく不本意な2019シーズンを過ごした選手の1人でしょう。大卒1年目ながらスタメン定着、代表招集を経験した激動の2018シーズンを経て、シーズンを通して活躍することを期待された2019シーズン。しかし、結果的には2018シーズンはリーグ戦26試合に出場したのに対し、2019シーズンは23試合の出場に止まりました。これには様々な理由が考えられます。碧の台頭・プライベートの問題・右サイドバックが固まらないチーム事情 etc.。私は最も大きな要因として、典型的な「2年目のジンクス」にぶち当たったと考えています。
 2年目のジンクスは無根拠な都心伝説というわけでもないそうです。元アントラーズの岩政さんは2年目のジンクスについてある記事で以下のように述べています。(出典:https://www.kk-bestsellers.com/articles/-/4840

 では、「2年目のジンクス」とはなんでしょうか。
 結論から言うと、僕は「2年目のジンクス」とは、2年目に「結果が出なくなること」ではなく、「変化が起こらなくなること」ではないかと考えています。

  つまり、1年目に大きな変化を経験したために、2年目の「変化が起こらなくなること(正確には1年目の大きな変化に対して2年目での変化が小さく感じること)」に対して耐性がない。これによって余計なことを考えてしまい調子を落としてしまう、ということです。(詳しくは岩政さんの記事を見ていただければと思います。)これに追い討ちをかけたのは碧の台頭です。守田が焦ったことは容易に想像できます。
 しかし、ジンクスにぶち当たった2年目はすでに過去の話です。去年までは「期待の若手」だった碧も今年からはチームを(またはU23代表を)引っ張っていくプレーが求められます。つまり碧vs守田の真っ向からのポジション争いが今年は見られるというわけです。今年のフロンターレのシステムから考えると、二人が争うポジションはアンカー、つまり1人分のポジションしかありません。
 今までもルーキーとして1年目から活躍し、次期代表候補として期待された選手は数多くいました。その中には順調にステップアップし海外に移籍した選手や代表に定着した選手ももちろんいます。しかしその「期待の若手」多くは「最初だけだった選手」として人々の記憶から忘れ去られました。守田は「最初だけだった選手」止まりで終わる選手ではないと私は信じています。
 碧という強力なライバルに対して、スーパールーキーがどのように挑んでいくのか、そして不本意な2年目を過ごした守田が3年目にどのようなプレーを見せてくれるのかに期待したいと思います。


FW:小林悠選手
注目ポイント:キャプテンの重圧から解放されたストライカーの再覚醒
 
2019シーズンのフロンターレでは、悠とダミアンのポジション争いが大きな注目ポイントでした。結果的にはこのポジション争いには悠が勝利しました。シーズンを通してリーグ戦31試合に出場し13得点を記録しました。例年と比べると少し物足りない数字ではありますが、ストライカーとして最低限の仕事は果たしたのではないでしょうか?
 しかし悠にとって2020シーズンは簡単なものにはならないでしょう。その理由はもちろんダミアンの存在です。ダミアンはシーズン前のキャンプの練習試合で驚異的なペースで得点を積み重ねています。
 去年のダミアンは加入1年目ということもあり、チームの戦術のフィットに苦しんでいました。序盤はダミアンの1トップ、悠の右サイドの形が多かったのですが、シーズン半ばから悠のワントップに落ち着きました。しかしダミアンも加入2年目になり、チームへのフィット具合という点での悠のアドバンテージは徐々に少なくなっています。チームのシステムの変化により長谷川の出番の増加もダミアンにとっては追い風になりそうです。
 しかし、悠も黙ってポジションを奪われるのを見ている選手ではないと私は信じています。3シーズン務めたキャプテンマークを彰悟に受け渡し、2020シーズンはストライカーとしての仕事に専念できるはずです。もちろん高さなどのダミアンに勝てない部分はありますが、悠の悠にしかないストロングポイントで2017シーズン以来の得点王に期待したいです。
 嘉人が得点王になったのが31歳〜33歳の時です。まだまだやれるところを見せて欲しいと思います。


 以上です。まだまだ書きたい選手はいるのですが(家長、学など)今回はこの4人に絞らせてもらいました。戦術的な話というよりは、本当に個人的な期待や願望に終始してしまいました。次回はシーズンが進んできてフロンターレの新しいサッカーについて思ったことがあれば書きたいと思います。

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