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13階段

『13階段』
著:高野和明 
犯行時刻の記憶を失った死刑囚。その冤罪を晴らすべく、刑務官・南郷は、前科を背負った青年・三上と共に調査を始める。だが手掛かりは、死刑囚の脳裏に甦った「階段」の記憶のみ。処刑までに残された時間はわずかしかない。二人は、無実の男の命を救うことができるのか。江戸川乱歩賞史上に燦然と輝く傑作長編。

3日で読み終えました。

おそるべきストーリーテラーです。物語を終わらせたくない(読み終わると13階段ロスになるから)という思いは消え、続きが気になって寝る間を惜しんで読み終えるくらいでした。

テーマはめちゃくちゃ重たい。

日本の死刑制度やそれを執行する側の苦悩。
さらには、前科のある人に向けられる周りの冷たい目。自分だけじゃなくて、家族を含めた周りの環境も不幸にしてしまう世の生き辛さよ。それらを南郷さんと純一くん、2人の主人公を通して痛感しました。

展開

少しずつ見えてくる真相と、登場人物の心理描写(主に南郷さんと純一くんの苦悩)に目が離せない。ページをめくるごとに興奮を隠せませんでした。
あと、南郷さんの回想シーン、死刑実行描写の生々しさよ…(><)
これも本書のテーマや世界観を印象付けるのに一役買ってますな。

南郷さんと純一くんコンビ

南郷さんと純一くん、この2人のコンビがホント良くて、好き。南郷さんが純一くんを終始一貫して「信じている」のが最高に良い。良いんだよ。かっこいいよ、南郷さん。

また、南郷さんの双子のお兄ちゃんの演出もグッときましたね。借りを返しに、のくだりね。

あと、いい味出してるのが中森さん。検事の。ああいう人がいると盛り上がるし、待ってました!ってなるよね。

PSYCHO-PASSを連想した

本来なら死刑確定な殺人犯槙島聖護。免罪体質のためシビュラシステムでは裁けない。
法律(PSYCHO-PASSの世界でいうシビュラ)で裁けないならば、人の手で裁くしかない。
そうして、槙島を殺した狡噛慎也。そのため追われる身となるのだが、槙島を野放しにしておけば、さらに被害者は増えただろう。

一体、正義とは何なのか。

そんな僕の大好きなアニメ「PSYCHO-PASS」正義とはなんぞや、といったテーマがなんとなーく「13階段」と共通しているなって読み終わって思いましたね。俺はこういうテーマが好きなのかな。

まとめ

人を殺すのは絶対いけないこと。でも、日本の法律には"死刑"という存在がある。法律であるのだ。法律だぜ?殺人はダメなのに、死刑はいいのか。

その矛盾が僕らに"本当の正義とは何か"を問いかけているような気がした。
純一くんの過去。何があったのか最後に語られるのだが、あの男に対してこの野郎!って思うんもんね。純一くんの気持ちが痛いほど分かるんだなあ…。でも、そんな人でも死んでいいのか。殺していいのか。
何が正義なのかは未だよく分からないし、ほんと読んだ後考えさせる深いテーマだよ。

最後に。

妄想キャストです笑 どうぞ!

南郷正二
最初のイメージはスタローンやロバートダウニーJr.だった。それか、攻殻機動隊のサイトー。最終的にNARUTOのイビキ先生が俺の中でしっくりきた。

三上純一
これはトニースタークからの流れです笑
君しかいない、トムホランドくん。

樹原亮
運のない男ということで。仮面ライダーギルス葦原涼役 友井雄亮。

佐村光男
お前しかいない、PSYCHO-PASS 1期の中ボス

佐村恭介

中森(検事)
んー誰が適役なんだ。すごい好きなキャラです。イメージは良いマーベリック。でも南郷さんより若い設定だったよね、たしか。まあ、妄想だからいいか。笑

木下友里

安藤紀夫

室戸

レンタルビデオ店の店長

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